† 振り向く君が『ありがとう』と言った(それはまるで『サヨナラ』と言われたようで) †
「帰って来ましたよー白蘭サマ」
てか、迎えに来てくれるって行ったのに迎えに来てくれてなかったし!!
しっかり、空港で待ってたミルフィの隊員に連行されたけど!
ムカついたから白蘭の愚痴言いまくったけど。
あぁーミルフィ服なんて着て帰ってこなきゃよかった。
普通に私服着てたらばれなかったかもなのにー。
・・・まぁ、行く当てなんて今はないんだけどね。
何処も大変な状況だろうし。
「あ、チャン。グッドタイミングだねぇー」
「迎えに来てくれるって行ったのに、嘘つき」
「ごめんごめんー。ついつい、レオくんの相手するのに忙しくて」
「・・・はーい、白蘭サマ。私は今からレオくんの味方をしたいと思いますー」
「うん、それはダメ」
「・・・なんでよ」
「だって、レオくんっていうか六道骸クンは僕が今から殺しちゃうんだもん」
「じゃあそれを全力で阻止」
「させないから」
「・・・・・・様、下がってください」
「いや。嫌だからね」
「我侭言わないでください」
「レオくんのほうが我侭言ってるよ」
「様・・・」
「やだよ、レオくん」
「・・・様。あなたに一言だけ言いたいことがあったんです」
「え?」
「過去のあなたは知らないと思いますが。あなたはあなたなので伝えておきます。」
「・・・・・・うん、何?」
「あの時は・・・ありがとうございました。でも、その甘さは直したほうがいいと思いますよ」
「・・・どう、いたしまして。それと・・・忠告ありがと」
レオくん・・・
じゃない、脱獄犯だった彼をこの世界の私は助けた。
こんなことになるなんて思わずに。
ホント、私が彼を助けなければこんなことにはならなかったかもしれないのにね。
「あなたは本当に甘い人間でしたけど・・・自分はこれでよかったんだって思ってます」
「・・・そっか」
レオくんのばーか。
私の欲しい言葉、くれるなんて・・・
こんな状況で。
本当に馬鹿。
「・・・白蘭サマ、お待たせしてしまってスミマセン」
「んーん、別にいいよー」
「・・・・・・」
「だって、僕もチャンが帰ってきたっていう報告受けるまでレオくんのこと気付かない振りしてたしー」
「やめてよ、マジで」
「いーや」
「ねぇ、白蘭。やめようよ、ねぇ」
「もう、チャン潔くないなぁー」
「潔くなくて結構。私はいつでも潔くないし、潔くないから!」
潔くなくて結構。
どうせ私は潔くないから。
「あーあー。もう、なんか色々面倒だし殺しちゃおっかなぁーチャン」
「何言ってんですか」
「だってーチャンって結構面倒事運んでくるタイプだしー」
「えぇーんっレオくんっ私、なんか馬鹿にされてるんだけど!」
「自分は色んな意味で振られて困ってるんですけど・・・」
「なによぉ!レオくんまで私のこと面倒だと思うの?!」
「え、あ、そんなことは・・・!」
「うわぁーんっもう、ヤダ、私帰る!」
「うん、帰っていいよー」
「・・・・・・って!!なんか、おかしい!なんかおかしい!」
「あ、今頃気づいたー?」
「あぁーもう、なんかわかんないっわかんないっ今の隙に一緒に逃げちゃおっよレオくん!」
「その申し出、受け入れたいところですが・・・すみません、無理です」
† 振り向く君が『ありがとう』と言った(それはまるで『サヨナラ』と言われたようで) †
(わかってる、わかってるけどさー私はあなたに死んで欲しくないんだよ。)
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