† 神や世界に任せるのではなく自分で突き進め †










「あぁ、そうだ。綱吉、はミルフィオーレにいるよ」


「えぇ?!ちょっと待て、恭弥!それどういうことだよ!!」


「はい。あの子から君への手紙だよ」




恭弥から渡された手紙の差出人は・・・

サン。

はっ!もしかしてミルフィオーレ必勝法とかそんなのが書いてあるとか?!




「えっとー何々・・・”私はいつでも沢田綱吉という大空を信じています”・・・え、これだけ?!」




もっと内容とかないんですか、サン!!

ミルフィオーレ必勝法じゃなくても他に何か!!

ほら、たとえば10年後の・・・この世界の俺が考えてることとか!!




「でも、それがあの子の全てだからね」


「なんていうか・・・サンらしいっていうかなんというか・・・」




っていうか、これって当然10年後のサンからだよな?!

・・・あの人全然変わってないなぁ!!




「とりあえず、サンを取り返す」


「それは同感だね」


「・・・というわけだから恭弥、頼む。俺を強くしてくれ」


「うん、君のその瞳は好きだよ・・・咬み殺したくなる」


「って言うかさ、お前はどこまで知ってるわけ?」


「知ってることね・・・まぁ色々知ってるよ」


「なんだよ、それ」


「でも君には教えてあげない」


「は?」


「自分が考えてることくらい自分でわかるでしょ。10年後の君なんだから」


「10年後の俺か・・・」




まぁわからないでもない。

10年も経てば・・・きっと諦めとヤケクソ。

しっかりボンゴレ10代目に就任しちゃってることは安易に想像できる。

だけど、なぜ死んだ?

自意識過剰かもしれないけど、巧くやる自信もある。

ファミリー間の関係だって何もかも。

だけど、10年後の俺は恐らくわかっていて死んだ。

あぁ、でも・・・実際は死んでないかもしれないよなぁー。

銃で撃たれたのなら色々とやりようもある。




「あー考えても埒があかねぇからとりあえず、特訓してくれ」




考えるのこの際後回しだ。

まずは強くならないとどうしようもない。

恐らく、今の俺はリングやら、死ぬ気の炎やら総動員しても恭弥には勝てないだろうし。

入江正一だって・・・ん?入江正一入江正一・・・

そういやどっかで聞いたことあるような・・・

多分、10年前の世界で聴いたことがあるような気がする。

まぁ、今考えても仕方ないだろうけど。




「なぁ恭弥」


「何?」


サンは・・・本当にミルフィオーレでよかったんだと思うか?」


「は?あの子の役割はトロイの木馬だよ」




トロイの木馬・・・か。

そうだよなぁーあの人はいつでもそうだ。

秀でた情報収集能力はあの瞳と・・・サン自身の努力からきてる。

敵陣に入り込み、内側から潰す・・・まさしくトロイの木馬。

でも・・・




「いくらサンがトロイの木馬だからっていきなりボンゴレを壊滅させたファミリーに入るなんて嫌じゃなかったかなって」


「あの子は気にしないよ、恐らくね。ただ不安定にはなってるだろうけど」


「えぇ?!それって大丈夫なのかよ?!」


「さぁ?それに・・・ある筋からの情報だと入れ替わったみたいだよ、あの子も」


「え、じゃあつまり・・・今ミルフィオーレにいるのは10年前のサンってこと?!」


「そういうことになるね」


「ちょっと待て、恭弥。10年前のサン一人ミルフィオーレに入れて大丈夫なのかよ?!」


「大丈夫なんじゃない?まだ生きてるみたいだしね」


「あーもう、10年前の俺、何考えてんだよ・・・」




サンってその言動によらず結構・・・弱い子だよな。

カナリ強がりだけど。

そんなサンを一人ミルフィオーレに入れるなんて!!

てか、もし仮にミルフィオーレが居心地よくてサン戻るの嫌だとか言ったらどうするんだよ!!




「・・・恭弥」


「何?」


「俺は例えサンがトロイの木馬としてミルフィオーレにいるんだとしても取り返したいんだけど、いいよな?」


「別にいいんじゃない?あの猫も君が来るのを待ってるだろうし」


「それは10年後のサンだろ。10年前のサンはボンゴレ所属でもないし」




サンはキャバッローネ所属だ。

サンも言ってたし、俺がボンゴレ10代目に就任したらボンゴレファミリー所属になるって。

俺はまだ、ボンゴレ10代目に就任していない。

つまり、サンはまだキャバッローネ所属。




「いつでもあの子の大空は君だよ、綱吉」


「お前、ほんとーに変わってねぇーな」




恭弥は結局のところ・・・

俺に甘い。

それは10年後であれ変わらないらしい。

そして、恐らくサンにも甘いと見た。

まぁ仕方ないよなぁー恭弥は恭弥でサンにベタ惚れだし。




「仕方ないでしょ。君も変わらないんだから」


「まぁそーだろうな」


「あぁ、そうだ。一つ教えてあげる」


「ん?」


「あの猫の傍にあの男がいるよ」


「は?あの男って・・・もしかして、アイツか?」


「うん、君の思ってる通りだろうね。脱獄したくせに、また自分から復讐者の牢獄に戻った馬鹿な男だよ」


「何やってんだよ、アイツは」


「なんでも、憑依してミルフィオーレの内部にいるらしいよ」




てか、脱獄できたんだな骸。

でも、また復讐者の牢獄に戻ったってことは・・・何か考えがあるんだろうな。

まさか、サンがミルフィオーレに行ったからって理由だけじゃないはず・・・

いや、でも・・・アイツはアイツでサンにベタ惚れっぽいしなぁ・・・

・・・多分、ミルフィオーレにいるサンのために自分の器を復讐者の牢獄に置くことにしたんだろうな。




「ま、とりあえず・・・俺には味方が多いって考えていいんだよな」


「うん、いいんじゃない?」


「それならきっとなんとかなる。てか、なんとかしてやる」




仲間がいるっていうのは正直、心強い。

信頼できる、信用できる仲間ならなおさら。

まぁ、俺のことだ。

本気で味方だと思ってる人間しか傍にはいさせないはず。

つまりは、今この状況で近くにいる人間は間違いなく信じてもいい人間だけ。




「あぁ、そうだ。僕はひとまずここに残るから」


「は?」


「だから君たちは安心して入江正一のところに行ってくれていいよ」


「何考えてるんだよ、恭弥」


「内緒だよ」










† 神や世界に任せるのではなく自分で突き進め †

(てか、恭弥の奴・・・絶対にほとんどのこと知ってるんだよな。)



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