† 空気がまるで水のようで、息を吸っても溺れているみたい †
「失礼します。本日より、伝達係に任命されました、レオナルド・リッピであります」
「白蘭ならいないよー。マシュマロのストック取りに出かけましたー」
「あ、あなたは・・・」
「私?私は・・・第0部隊副隊長のです」
白蘭曰く、私は第0部隊の副隊長に任命されちゃったらしいし!
私、明らかに敵ファミリーなのにね。
「・・・もう入れ替わったんですか」
「え?」
「来るべき時まであなたの傍にいることをお許しいただけますか?」
・・・あれ?
なんだろ、なんか・・・懐かしい感じ。
「もしかして、」
骸?
そう疑問を投げようとすれば、レオナルド・リッピくんは私の言葉の紡ぎを止めた。
それは肯定。
「なんでまた、そんなことに?」
「それはまた後ほど。この部屋の主も戻ってきたことですし」
「あ、そうなんだ」
「たっだいまー。あれー?チャン、僕がいない間に何男連れ込んでるの?」
「レオくんでーす。新しい伝達係だって」
「うん、知ってるよー」
「ちなみに連れ込んだわけじゃないし。伝達係になりましたーって挨拶に来てくれただけ」
「うん、わかってるよー」
「あっそーですか」
「びゃ、白蘭様。じ、自分は新しく伝達係に任命されました、レオナルド・リッピであります・・・!」
「うん、レオくんだねー。あ、敬語とかいいよ?堅苦しいの嫌いなんだー」
「し、しかし・・・!」
「いーんじゃない?私ってばめちゃくちゃタメで話してるし」
「チャンは失礼すぎるくらいだよねー」
「そんなつもりもないんですけどねー」
「レオくん聞いてよー。チャンってばねー結構前に僕のこと殺しに来たんだよー」
「えぇ?!」
「いや、それ今の私じゃないし」
現に殺せてないし。
てか、むしろ私が殺されかけたみたいだし。
怖い怖い。
「あ、チャン知ってたんだー」
「うん。私の日記にこと細かく書いてたから」
「うわぁーそれはすっごい見たいなぁー」
「絶対に見せませーん。プライバシーはちゃんと守ってくださーい」
「と、言うわけで・・・チャンってばこんな感じでカナリ厄介な子だけど仲良くしてあげてねー。レオくん?」
「うわっなんか失礼なこと言いやがったよね?レオくん、言っておくけど私よりもこのボス様のほうがよっぽど厄介だからね」
・・・なんていえば、レオくんは口には出さなかったけど・・・
「どっちもどっちです」って、顔をした。
骸のクセに失礼な!!
てか・・・私としては私が骸のこと脱獄させちゃっててびっくりしたんだけど!
でも、それなのに・・・骸はまた、牢獄に戻ったらしい。
それはきっと、私のため。
「・・・バーカ」
「は?」
「うわぁーレオくんってばいきなり馬鹿とか言われちゃって可哀想ーー!!!」
「レオくーん、今度ご飯行こうご飯。私に美味しいイタリアンを食べさせてください」
「じ、自分がでありますか?!」
「うん、レオくんが」
「えぇーチャン僕にはそんなこと一言も言わなかったよねー!!」
「だって白蘭と一緒だと太りそうなんだもん。そのマシュマロとかマシュマロとかマシュマロとか!」
「僕だって美味しいイタリアンのお店いっぱい知ってるのになぁー」
「その店、マシュマロ出ない?」
「出ないでない」
「じゃあ連れて行ってもらおうかなぁーあ、レオくんも一緒に行こうよ。もちろん白蘭のおごりで!」
「・・・遠慮させていただきます」
† 空気がまるで水のようで、息を吸っても溺れているみたい †
(うわっレオくんってばマジでイヤだって顔しやがったよ!!!)
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