† 変わらない昨日、変わった明日 †










「・・・ここ、どこ?」


「いらっしゃーい!僕のことを知らない10年前のチャン」


「・・・誰?」


「僕は白蘭。ここはミルフィオーレファミリーの本部だよー」


「ミルフィオーレファミリーって何?私知らないんだけど」


「10年前にはなかったファミリーだからチャンも知らないんじゃないかなぁー」




でも、やっぱり10年前のチャンも可愛いねー。

全然成長がみられないし!

強いて言えば、10年後のチャンのほうが化粧が濃いってくらい!




「・・・ねぇ、それ10年後の私の鞄だよね?」


「うん」


「私のものは私のものだよね?」


「あはっいいんじゃない?」


「あ、パソコン入ってる。しかもセキュリティかかってるし」


「さすがチャンのパソコンだねー。てか、チャン全然驚かないんだね?」


「何が?」


「突然10年後の世界に着ても驚いてないなーって」


「あー別に驚くほどのことじゃないから。10年バズーカの存在も知ってるし」


「でも、チャンが知ってる10年バズーカと違って10年前の世界には戻れませーん」


「え?それどーいうこと?」


「秘密ー」


「何それ」


「あ、僕はちょっと出かけてくるからゆっくりしててねー」


「は?」


「あ、でもチャンはこの部屋からは出れないから」


「え、意味わかんないんだけど」


「見張りたてるし、絶対にここから逃がしてあげない。もちろん外部との連絡も全部筒抜けだから」


「何それ」


「君は囚われのお姫様」




















◇◇◇




















「あ、セキュリティ解除できた」




なるほど。

10年後の私も何も変わってないとみた。

何重ものセキュリティかけてるくせにパスワードは全部同じ。




「ボンゴレファミリー、ミルフィオーレファミリーにより壊滅。ボンゴレ10代目射殺・・・ってマジ?」




セキュリティを何重にもかけられたフォルダには私の日記。

10年後の私の。

あるときから、毎日欠かさずに書かれている。




「え?」




一番最後の日記は今日のもの。

10年後の私から、10年前の私に宛てられてもの。

てか、この日記自体が全て私に宛てられたものなんだと思う。

だって・・・私に必要な情報ばかりだから。

そして、




「なるほど、ね。これが私がここにいる理由」





〜♪





「なんか携帯鳴ってるし」




10年後の私のものは私のもの。

でも、携帯はなかなか引けるなぁ・・・まぁパソコンのセキュリティ解除した時点でもうダメか。

まぁでも、私だし気にしないか。




「うわぁーしかも、ディノだし」




私の日記からすると、ボンゴレリングに関係のないディノは入れ替わらない。

つまりは確実にこの電話を鳴らしているのは10年後のディノ。

私の知らないディノ。




「・・・もしもし?」


か?!」


「うん」


「今どこに・・・って、なんかいつもと違うくねぇ?」


「私はディノが知ってるだけど違うよ」


「へ?」


「私は・・・10年前の


「・・・そういうことか。ってことは今お前がいるのは・・・やっぱりミルフィオーレなんだな」


「・・・・・・うん」


。俺にはいつでも甘えていいんだからな?」


「ディノ。でも、私は・・・」




やらなきゃいけないことがある。

ディノに甘えるわけにもいかない。




「正直に言うとうちも今、ミルフィオーレとこう着状態でお前の傍にいってやる余裕はない」


「わかってる」


「あ、そっか。お前のことだ、パソコンあるもんな」


「うん。10年後の私のパソコンのセキュリティ解除できたから・・・わかってるよ、色々」


「変わんねぇもんなお前は。・・・あぁ、やっぱり今すぐ逢いに行きたい。で、抱きしめたい」


「あのね、ディノ。一つだけ甘えていい?」


「ん?なんだ?」


「私、10年後のディノに逢うの楽しみにしてるから」


「・・・あぁ、じゃあ絶対に逢おうな。ジャッポーネで」


「うん」


「じゃあそろそろ切るな」


「ありがと、ディノ。ディノが変わってなくてよかった」


「変わってるだろー色々」


「姿はわかんないけど、私のこと大切に思ってくれてるのは変わんないよ」










† 変わらない昨日、変わった明日 †

(私は私に出来ることをする。それが・・・きっと、未来に繋がるから。)



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