† もう、君はここにはいないんだった †










私はツナくんと約束をした。

ツナくんの・・・

ボンゴレ10代目からのお願いという名の命令。

だから、私は・・・




「ホントに死んじゃったんだ、ボス」


サン・・・!」


「綺麗な顔、してるね」




そうだよね。

ツナくんは・・・

自分が一番期待している、あの頃の・・・

10年前のボンゴレリングを持ったツナくんたちに賭けたんだもんね。




「ボス、今までありがとう。そして、さよなら」


サン・・・?」


「私、ボンゴレ辞めるから」


「なっ・・・?!」


「・・・本気、なんですか?サン」


「本気、だよ。だって・・・ボスが死んじゃったんだもん」


、お前!!こんな時に何を・・・!!」


「こんな時だからだよ・・・獄寺クン」




ごめんね。

ごめんね。

全てが終わったら、ちゃんと・・・ちゃんと謝るから。

だから、あなたたちを傷つけることを許してください。




「私、ボスが・・・ツナくんがいないボンゴレに興味はないの」


「・・・サン。今からどこに行くつもりなんですか?」


「私は・・・ミルフィオーレファミリーに行くの」


「なっ?!!テメェ今、なんて言った?!もう一回言ってみろ!!!」


「だから、私が行くのはミルフィオーレファミリー」


サン・・・ツナを殺したのはドン・ミルフィオーレってこと知らないわけないですよね?」


「うん、知ってるよ」


「・・・それでも、ミルフィオーレファミリーに行くっていうんですか?」


「うん、言う。・・・刀は今は抜かないでね、ツナくんが悲しむから」


「嫌、私・・・嫌。サンがいなくなるの・・・嫌!」


「クローム」


「お願い、サン。ここにいて・・・ミルフィオーレファミリーに行くなんて言わないで」


「ごめんね、クローム」




私の大切な妹みたいなクローム。

妹をお姉ちゃんは泣かせたりしたくなかったんだけどね。

でも、こればっかりは仕方ない。




「さようなら、ボンゴレファミリーの皆さん」




全てが終わったらまた、みんなで笑い合えることを祈って。























◇◇◇
























サン・・・!待って!」


「クローム、ごめんね」


「・・・クローム。姫の好きなようにさせてあげなさい」


「骸」


「骸様・・・っでも・・・っ」


「・・・、一ついいですか?」


「なぁに?」


「僕は、あなたの味方でいてあげますよ」


「・・・え?」


「本当に馬鹿なお姫様」


「骸、・・・もしかして、気づいてる?」


「さて、何のことでしょう?」


「まぁいいや。気づいてるなら気づいてるで・・・お願いね」


「全く。あなたといい、沢田綱吉といい・・・僕の可愛いクロームを悲しめるのはやめて欲しいですね」


「私もクロームを泣かせたくはなかったんだけどね」


「あなたが笑顔でいられることを祈って。Arrivederci、


「何よそれ・・・でも、Arrivederci、骸。クロームも・・・またね」




私の可愛いクローム。

可愛い妹。

次に逢う時にはまた、笑い逢えるといいね・・・本当に。




















◇◇◇






















「・・・さて、じゃあ僕も始めるとしましょうか」




あの寂しがり屋のお姫様の少しでも心の拠り所になれるように。




「本当に、馬鹿なお姫様ですよね」




ボンゴレにいれば、あのような言葉を発する必要もなかったというのに・・・

誰よりも、何よりもあの子が一番傷ついている。

本当に馬鹿なお姫様。











† もう、君はここにはいないんだった †

(いつかまた、みんなで笑い逢いたいな・・・大空の下で。)



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