† 最後の希望を賭けて †
「たのもー」
「うわっチャン。どーしたの?そっちも忙しいだろうに」
「そーですよねー。あなたがうちのボスを殺しちゃったおかげで色々忙しいんですよー」
「だって、綱吉クン殺さないとこの世界僕のものにならないんだもーん」
「左様ですか」
「で、チャンは何しにわざわざミルフィオーレの本部まで来たのかなー?」
「あなたに逢いに来たの」
「僕に?」
「そう。私、ミルフィオーレに入りたいんだけど」
「へぇーチャンうちのファミリー入りたいんだー。ボンゴレファミリーのチャン?」
「あ、ボンゴレは辞めてきたから」
「ふーん・・・本気なんだ」
「もちろん」
「理由は?」
「決まってるじゃない。ツナくんが死んじゃったから」
そう、ツナくんが死んじゃったから。
だから私は・・・ここにいる。
これは、ツナくんの願い。
望み・・・命令。
ボンゴレ10代目から、星の守護者である私への命令。
「あーなるほどね。僕が綱吉クン殺しちゃったから僕を殺しに来たの?」
「んーん。ボンゴレにいる意味がなくなっただけ」
「意味、ねぇ?」
「私はツナくんがボンゴレ10代目だからボンゴレに所属してたの」
「うん、わかった。いーよ、ここにいて。入隊も認めちゃう」
「ありがと」
「あ、そうそう・・・これは内部機密なんだけどチャンには教えてあげちゃう」
「何?」
「もうする10年前の綱吉クンたちが来るよー」
「・・・10年バズーカの応用とかいうオチはやめてね」
「その通りなんだけどー」
「・・・いったい、ミルフィオーレっていうか、白蘭は何考えてんのよ」
「んー僕は今、チャンをどうやってミルフィオーレに繋いでおこうか考えてるよー」
「そんなの本気じゃないくせに」
「本気だよー僕は」
「嘘つき」
「そうやってすぐ決め付ける癖、直したほうがいいよ」
「うるさいなぁー。てか、聞いてみたかったんだけどミルフィオーレの入隊基準は?」
「テストでもして欲しい?」
「いや、別に。ただ、頑張って基準超えて必死になって入隊してる人がいたら申し訳ない」
「んーじゃあ、この服着てみて。この隊服着れたら基準クリアー!」
「何これ」
「チャン専用のうちの隊服でーす」
「・・・真っ白ですねー見事に」
「うん。でも、ヒラヒラいっぱいつけてあげたんだよーチャンのために」
ちゃんってフリル好きだし。
ちゃんと上品なフリルいっぱいつけてあげたし。
「そりゃどーも」
「はい。じゃあ後は優しさで僕は後ろ向いててあげるから着替えてねー」
「いや、普通は出て行ってくれるのが優しさでしょ」
「前言撤回。後ろ向いててあげなーい」
憎まれ口はチャンの不器用なところ。
だから、ちょっとだけ意地悪。
「はぁ?」
「ほら、早く着替えて」
「ちょっと待とうよ」
「待たないー」
「待て」
「ほらほらー早く着替えないと入隊取り消しにしちゃうよー」
「それは困る・・・わかったわよー着替えればいいんでしょ、着替えれば」
「ホント、チャンってお願いとかできないタイプだよねー」
一言、出て行ってくださいって言えばいいのにー。
僕は脱がせるのは好きだけど、着替えてるところ見る趣味はありませんー。
「うるさいっ」
「はい、可愛くない言葉はストップ。5分経ったら戻るからその間に着替えておいてねー」
† 最後の希望を賭けて †
(ホント、僕も大概、チャンに甘いよねー。)
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