† 子供みたいな我儘が、通じないと気付いていても †
「サンーヴァリアーからお呼びがかかってますよ」
「え?」
「なんか、ベルフェゴールが連絡入れてきたんですよ」
「ベルがツナくん通してなんて珍しいー」
「ですよねー」
だって、ベルフェゴールもサンと直接普通に連絡取れるだろうし。
それなのに、今回は・・・俺を通して連絡を入れてきた。
なんていうか、厄介なことが起こりそうな気がしてならない。
「なんか嫌な予感がするから行かなくてもいいかな?」
「俺もそう思うんですけど、スクアーロが可哀想なことになりそうなんで行ってあげてください」
「あぁー確かに。スクはいつも被害をしっかり被ってくれるからねー」
うん、スクアーロってホントいい奴だよね!
なんていうか、いい奴。
結局のところ、根は優しい奴なんだと思う・・・多分。
「あ、あと・・・」
「ん?」
「ついでにこれ、ザンザスに渡しておいてもらえますか?」
「書類?」
「はい、ちょっと・・・ヴァリアーに仕事頼みたくて」
「ヴァリアーに頼むってことは厄介そうだねー」
「そうなんですよー。骸と恭弥のコンビに頼むことも考えたんですけど」
「あー被害がより大きくなる可能性もあるもんねー」
「あの二人に仕事頼んで結構痛い目にあってるんで」
「あはっご苦労様です」
「ホント・・・全額俺にぶつけてくるのはやめて欲しいですよ・・・」
「うわぁー私も怒っておくわ、ガツンと」
「よろしくお願いします。まぁ俺もいっつも言ってるんですけどね」
「あははっ知ってる知ってる。なんだかんだで結局のところ、恭弥も骸もツナくんの言うこと聞くもんねー」
「まぁ恭弥は付き合い長いんで。・・・あと、骸はサンのおかげだと思います」
「えぇー私何もしてないんだけど」
「いえいえ、しっかり教育してくれてると思います」
「あぁ、ムクロスチャン?」
「なんですかそのネーミング」
「いや、執事といえばセバスチャン。でも骸だからムクロスチャン」
「・・・俺、次に骸にあったら大爆笑しそうなんですけど」
「あはっしてあげちゃって。・・・じゃあ、そろそろ行ってくるわ」
「あ、はい」
「またねー」
「この間、ディーノさんが買ってきてくれた紅茶まだあるんで近いうちにきてくださいね」
「はぁーい」
◇◇◇
「お邪魔しまーす」
「あらーチャン。早速きたのねー」
「うん。嫌な予感がしたからマジやめようかと思ったんだけどね」
「綱吉通した王子天才ー」
「ベル。で、何があったのー?」
「新しくウチの幹部に上がってきた奴があまりにも厄介だから紹介ー」
「は?」
「フランって言うんだけどさーもう、めちゃくちゃ厄介で」
「厄介なのはベル先輩のほうだと思いますー」
「・・・うわぁー確かに厄介だ」
「あー先輩ですねーはじめましてー」
「おっ名前知られてた!はじめましてー」
「噂どおり可愛いですねー」
「どんな噂ですか」
「先輩たちが言ってましたー嘘だと思ってたのにホントだったんでびっくりですー」
「・・・新しいタイプだわ」
「だろー?王子から見たら厄介なだけだけど」
「黙れ堕王子」
「なんか面白いなぁーフランって」
さすがヴァリアーの幹部にあがってきただけのことはあるわ、うん。
色々破天荒すぎる集団ヴァリアーにはこれくらいの性格してなきゃ無理だよね。
うんうん、この子なら長続きしそうだよ!
「とりあえず、ザンザスのとこ行って来るわ」
「は?なんで?王子がのこと呼んだのにー」
「ツナくんから書類頼まれてね」
「あー・・・綱吉からだったら仕方ないか」
「ボンゴレ10代目ってそんなに偉いんですかー?」
「偉いっていうかー大空。あとは、大物」
「そうそう、大物だよねー。フランって逢ったことない?」
「ないでーす。別に逢いたくないけど」
「逢って損はないよ、うん」
「ミーは先輩に逢えただけで満足ですー」
† 子供みたいな我儘が、通じないと気付いていても †
(私よりも絶対にツナくんに逢っとくほうがお得だって!)
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