† この国ではなく、貴女に忠誠を誓います †
「姫」
「ん?」
「何があっても、僕はあなたの味方でいて差し上げますよ」
「・・・まぁ私のものだからね、骸は」
「えぇ、姫」
「なぁに?」
「僕の前では強がらなくてもいいですよ」
「何それ」
「そのままの言葉の意味です」
「・・・・・・」
「姫は強がりですからね」
でも、僕の目は騙せませんけどね。
その強がりな姿も、隠しているようで隠し切れていない。
まぁ・・・普通は騙されますけどね。
「あーもう、なんでそんな見透かすような目で言うかな」
「元々こういう目なんですよ」
「・・・骸」
「はい」
「あんまり私の心、見透かさないでよ」
「嫌です」
「うわっまたなんでそんな爽やかな顔して言うかな」
「見透かしてあげないと、素直にならないでしょう?あなたは」
「まぁねー。そういう生き物ですから」
「まぁ、素直すぎる姫はある意味怖いんですけどね」
まぁ、まず姫が簡単に素直になることなんてありえないですし。
姫の中にどんどん侵入していって、それでやっと姫が素直になる。
土足でガツガツ無理矢理進入。
そうすればやっと姫が心を開き始めますからね。
「うわぁーなんかムカつく」
「どうぞ、ムカついてください」
「あーなんかムカつき損な感じがする」
「はい」
「骸ってさーなんか、優しいよね、私に」
「そりゃ・・・大切にしてますからね」
何よりも、誰よりも。
・・・なんて言えば、この子は否定するでしょうけど。
「うわっなんかさらっとドキッとさせるようなこと言うなー」
「顔が赤いですよ?姫」
「煩い煩いっ黙らせるぞー」
「どうぞご自由に」
「あぁーーーームカつく!」
「姫って・・・変なところで可愛いですよね」
「何?!なんかのプレイなわけ?!私、遊ばれてんの?!」
「まさか。寧ろ僕が姫に遊ばれてるような気もしますけどね」
「私だって別に骸のこと遊んでないし」
「まぁ男遊びが出来るほど姫が器用でないことも知ってますけど」
「男遊びって・・・!!私、そんなことしない!!」
「知ってますよ」
まぁ・・・天然に男を玩んでいる感はありますけど。
それはそれで、性質が悪いといえば性質が悪いですけど。
というか・・・姫の存在は可愛らしくもあり、性質も悪いですけどね。
† この国ではなく、貴女に忠誠を誓います †
(そんなあなただから僕は忠誠を誓う。)
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