† 本当に困った時にしか、その選択をしてはいけない †










「あー・・・どうしよっかな、これ」




迷う。

実に迷う。

いや、迷わなくてもいいんだけどね!

でもなぁー・・・あの三人に任せたら早いけど色々厄介。

っていうか、被害が凄まじい。




「10代目?いかがなさいましたか?」


「あ、うん。大丈夫・・・今、被害を最小限にする方法考えてるとこ」




頑張れ、俺。

とりあえず、被害を最小限にする方法を考えろ・・・!!




「ダメツナ」


「うわっリボーン?!」


「今日、ディーノがこっち着るぞ」


「え、それマジ?」


「あぁ、家庭教師様からの助言だ、しかと受け取れよ」


「サンキュ!リボーン!これで被害が最小限になる・・・はず!」




ディーノさんがいれば安心安心。

よし、これであの三人に頼める。

どうか、被害が最小限にすみますよーに!

・・・でも、ひとつ間違えたら被害が倍増になるんだけどね・・・




「獄寺クン。雲雀サンと骸とサン呼んで」


「え、あの三人ですか・・・?」


「うん、ディーノさんもいるから大丈夫。この仕事急ぎなんだよねぇー今日合わせて二日以内」




まぁ、多分一日で片付けて帰って来るんだろうけど。

フランスだし、余った一日も報酬の一部ということで手をうってもらおう。




「わ、わかりました!すぐ連絡してきます!」


「よろしくねー」




さーって、うまく説明できるかが俺の腕の見せ所。

まぁ、もうとっくにあの二人相手にするのも慣れてるし。

俺って結構ボスらしいんじゃないかなぁーって思う。

そんなこと俺の有能家庭教師様に言ったらまだまだだって言われるんだろーけど。




「あ、リボーン。ディーノさんと連絡ついてる?」


「今電話かけた。もうすぐこっちに着くらしいぞ」


「サンキュ。流石は俺の家庭教師様」


「ダメツナが調子のんな」


「あははっごめんごめん」


「10代目!」


「あ、獄寺クン。どーだった?」


「はい、今三人ともこちらに向かっているとのことです」


「そっか・・・じゃあ」


「ツナくんっ!来たよー!お仕事お仕事ー!」


サン相変わらず速いですね」


「うん、連絡受けた時こっち向かってたし。じゃーん!フラーゴラの新作タルト!」


「甘い匂いの原因はそれだったんですね・・・」


「ツナくん、一緒に食べよー!」


「後で是非。もうすぐ雲雀サンと骸も来ますから」


「あ、うん。今回の恭弥と骸と一緒だってー?」


「後ディーノさんと」


「ディノ?あ、そーいえば、メール着てた気がする」


サン、メール見て返事する前に携帯閉じる癖直してください・・・」




俺に色々言ってくるから、ディーノさんが!

てか、俺からのメールはちゃんとすぐ返事してくるのに・・・




「だってー・・・ほら、ねぇ?」


「いや、それじゃわかんないですから」


「ツナくんからのメールはちゃんと返事するでしょー」


「いや、そーなんですけどね」




ホント、返事来ないって泣きついてくるんです。

兄弟子が。




「あ、そうだ。今回の制圧するファミリーってアボミネーヴォレファミリー?」


「え、あ、はい。獄寺クンが説明しましたか?」


「んーん。アボミネーヴォレって最近ボンゴレの縄張り荒らしすぎだったから気になってたの」


「・・・流石ですね」




なんていうか・・・サンってすごい。

見かけによらず・・・って言ったら怒られるんだろうけど。

多分、こんな可愛い人がマフィアで他のファミリーをフルボッコにしてるなんて誰も思わない。

うちのファミリーじゃなかったら俺だって思わないし、考えたくない。




「綱吉」


「綱吉クン」


「あ、きょーや!むくろー!」


「雲雀サン、骸。また窓壊しましたね?」




恭弥が俺から見て右の窓、骸が左の窓。

っていうか、恭弥も骸もせめてドアから入って来いよな!

あぁー・・・まだ修理代が・・・

まぁ、この二人に出させるけど。

次は簡単に割れないやつにしよう・・・

この二人ならどんな窓でも簡単に割って入ってくるんだろうけど。




「スミマセン、綱吉クン。早く行かねばと思いつい・・・」


「骸、もう一回言ってみろ?」


「・・・スミマセン、ゴメンナサイ。僕が悪かったです」


「良し。次雲雀サン。何か弁解は?」


「別にないよ。てか、いつも言ってるけど恭弥って呼びなよ」


「うわっ開き直りやがった。はいはい、恭弥、恭弥な」


「うん」




あー・・・なんか骸のほうが可愛いような気がしてきた。

色々厄介だけど、恭弥より骸のほうが謝る分だけ可愛い。




「ツナー!悪ぃ!ちょっと遅れた!」


「あ、ディーノさん。イエイエ、丁度よかったです」


「そっか!あ!ー!!またメ−ル返事してくれなかっただろー!」


「あ。うん・・・ほら、いつもの癖で」


「まぁの癖って言うのもわかってるんだけどさ・・・心配するだろ?」


「ゴメンナサイ、ディノ」




兄弟子が非常にカッコよく見えます。

・・・さっき俺に泣きつきのメール(約2000文字)送ってきた人と同一人物とは思えない!




「一言でもいいから返事してくれよな?」


「努力はするっ」


「あ、サン。食べなくていいんですか?タルト」


「忘れてたーごきゅクン切って切ってー」


「よろしく、獄寺クン」


「はい!10代目の右腕として・・・」


「いや、俺の右腕とか関係ないから」


「そう・・・ですね・・・」


「あぁ!ごめんごめん!獄寺クンは立派な俺の右腕だよ!」


「10代目・・・そんな風に言っていただけるなんて俺、感動しました!」


「うん、じゃあしっかりタルト切って来て」


「はい!」




・・・・・・やっぱりうちのファミリーって厄介すぎる。

俺、数年でカナリ腕上げたんじゃないかな、ホントに・・・




「ワォ、見事だね。綱吉」


「お見事です、綱吉クン」




あーあ、中学時代の俺が懐かしい・・・

演技とはいえ、マフィアとは無縁な感じだったもんな、ホントに!

今じゃ開き直ってこんな感じ。

ボンゴレのボスって肩書きを・・・本当に受け継ぐとはな。

まぁこれも運命ってやつだし仕方がない。

それに、案外嫌いじゃないって言うのが本音。




















◇◇◇





















「10代目!タルト、切れました!」


「早ッ!サンータルト出来ましたよー」


「ありがとー!おぉ!見事に切られてる!」


「当たり前だろ!俺は10代目の右腕だ!」


「・・・獄寺クン・・・」




それ、関係ないって。

うん、でも言わないでおこう。

獄寺クン本気で落ち込むから。

カナリ落ち込むから。

また、ジ・エンド・オブ・俺・・・ってなるよ!

あぁーなんか想像できた!

・・・気をつけよう。




「はい、10代目!どうしましたか?」


「ううん、なんでもない」


「ツナくんっ!タルト美味しいよー。早く食べたほうがいいよー」


「あ、サン食べるの早・・・!俺もイタダキマス・・・」




あ、確かに美味しい。

そーいえば、サンってフラーゴラ好きだったよな・・・

よく骸が用意してたような気がする。




「姫。これ、フラーゴラの新作ですか?」


「うん。こっちまで来る途中でフラーゴラで新作発見だったの」


「あ、じゃあメリンガートの新作チーズケーキはお食べになられましたか?」


「メリンガートのチーズケーキまだ食べてないー」


「じゃあこの仕事が終わったら食べに行きましょうか」


「行く行くー」




おっ今日は骸が一番乗りか。

さーってここから言い合い競り合いが勃発・・って!!!

あぁぁぁぁ!!また、俺の部屋が・・・

誰に請求しようかな、修理費。




「ねぇ、。君、何言ってるの?」


「え?」




って!恭弥!!

いきなりサンにぶつけるわけ?!

いや、恭弥なら普通にやるけど、俺に対してもやるくらいだし。




「ケーキなら僕が食べさせてあげるっていつも言ってるでしょ」




あぁ、そこ。

なんていうか・・・やっぱり厄介だ、こいつ。

てか、絶対天然だよな!

骸は計算だろうけど。

あぁー厄介すぎる・・・




「あっずるいぞ恭弥!ー俺はフランスでもイギリスでも連れて行ってやるからな!」




・・・・・・さすがキャバッローネのボス・・・

ディーノさん、サンをドルチェの旅と称して何処にでも連れて行ってるもんなぁー・・・

ホント、いつもボンゴレ崩壊の危機に直面しないかハラハラドキドキしてるんです。

あーもう、この仕事ヴァリアーあたりにお願いしよっかな・・・

その方が色々俺が疲れない気がしてきた・・・!

いや、でもあっちはあっちで疲れるか・・・




「・・・・・・サーン、仕事の話していいですか?」


「え、私聞いたよ?もうしっかりしっかり」


「はい。でもいいんです」




俺も色々逃避したいんです。

ディーノさんと恭弥と骸の言い合いから目を逸らしたいんです。

今回の修理費はディーノさんに請求すること勝手に決定したし。

てか、ディーノさんがいれば被害は最小限になるって信じてた俺が馬鹿だった・・・!




「んーじゃあ聞きましょう」


「とりあえず、このどうしようもない三人とアボミネーヴォレファミリーの制圧をお願いします」


「了解ですー。このどうしようもない三人と頑張って制圧してきまーす」


「ちょっと、綱吉。僕をこの二人と一緒にしないでくれる?」


「綱吉クン、失礼ですよ!!」


「ツナー。俺、この二人よりはマシだと思ってんだけど」


「いや、みんな同レベルです」




この人たちみんな俺より年上だけど、そんなことは気にしないでおこう。

気にしたら負け。

てか、気にしてたらボンゴレのボスなんてやってられない。




「とりあえず、アボミネーヴォレファミリーの制圧よろしくお願いします。二日以内で」




よし、言うだけ言った。

とりあえず、これで大丈夫。

一応、どうしようもない三人だけどしっかり仕事は出来るんです。

その辺は信用してるんです。

ホントどうしようもないけど。




「あ、あと。被害は最小限でよろしくお願いします」




色々と後々面倒なんで。

周辺の一般人とか、一般人の住まいとか滅茶苦茶にしないようにお願いします・・・!

あと、公共物の破損とかマジ止めてください!

なんか、ボンゴレ所属ってバレて俺のとこに修理費請求とか色々来るんで!!!

まぁ、もちろん当事者に払わせるけど!




「10代目。ヴァリアーのザンザスが10代目に用があるとのことで・・・」


「あ、忘れてた。ありがと、獄寺クン」




さすが俺の右腕。

ナイスタイミング。

これで逃げれる。




「あ、あと・・・ディーノさん」


「ん?」


「この部屋の修理費よろしくお願いします。よし、言うだけ言ったし獄寺クン、ザンザスのとこ行こうか」


「はい!10代目!」


「あ、ツナ!ちょっと待てよー!」


「ついでに恭弥と骸が壊した窓の修理もよろしくお願いします。一番頑丈なやつで」


「あーもう、わかったよ!一番頑丈なやつな」


「じゃあ、サン。よろしくお願いします」


「はーいっ!」




よし、コレで大丈夫。

無事にアボミネーヴォレファミリーが制圧されてくれますよーに!

てか、なるべく被害は最小限になるといいんだけど・・・

てか、ホント最小限でお願いします・・・!!!










† 本当に困った時にしか、その選択をしてはいけない †

(あーやっぱり選択ミスだったような気がする。)



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