† 月明りを受けて光る華 †
「どーも、サン」
「あ、山本サン。どーも」
「これ、いらないっすか?」
「何それ」
山本サンの手にはカチューシャ。
しかも、ストーンとかいっぱいでキラキラしてるやつ。
「俺に聞きますか?」
「あ、うん。ごめん。どーしたの?そのカチューシャ」
「露店で売ってたから買ってみたんすよ」
買ったって・・・山本サンが?!
うわぁーそんな趣味あったんだ・・・いや、ないよね。
あったらあったでびっくりだわ。
まぁ、それはそれでいいんだけどねー。
「一応聞いとくけど。山本サン、そういう趣味はないよね?」
「ない」
あ、即答。
そりゃそうか。
「じゃあなんで買うわけ?」
「いやーなんか呼ばれたそうな気がして」
「何それ」
「ほら、サンに似合いそうだし」
「は?」
「まぁ俺は使いようがないし、嫌いじゃなかったらもらってやってください」
「え、あ・・・ありがと。キラキラしてて綺麗だね」
とりあえず、もらっておこう。
うん、くれるっていうものは無碍に断れないしね!
山本サンから髪飾りっていうのがなんか珍しいし!!
お菓子とかはなんかよくもらってたけど。
「だろ?」
「カチューシャってあんまり買う機会がないから助かる」
「そうなんですか?ディーノさんとかがプレゼントしてそーなイメージなんだけど」
「ディノはねーリボンとか好きだから。こういう系は滅多にないし」
「なるほど。確かにサンの服ってヒラヒラしてんのが多いもんなー」
「そうそう。でも、動きやすくて機能的。・・・あ、ごきゅクン」
「ごきゅじゃねぇ!!」
「まぁいいや。獄寺クン、ストップ」
「は?」
「よし、止まった。ちょーっとじっとしててねー」
「なっ」
「止血、痛み緩和・・・痛くないよ」
「お前、いったい・・・」
「首のとこ、怪我してたから気になって。あとでちゃんと治療室行きなよー」
「よく気づいたなーサン」
「あ、うん。血には敏感だから」
「ははっ吸血鬼みたいだな」
「・・・ちゃんと治療できるんじゃねぇーか」
「え?」
「お前の言霊の話だよ!!」
「あー言霊ってホント脆いんだよ」
「は?」
「他人にだったら多少は強化されるんだけどね。自分に対しては無理無理」
「・・・他人」
「ん?」
「他人とか言うなよ・・・ッ!!なんでもねぇ!!」
「あはっ・・・ありがとね。獄寺クン」
「他人とか言ったら10代目が悲しむだろーが!!」
「そーだね。ツナくんを悲しませるようなことはしちゃだめだよねー」
「あったりめぇーだ!!」
「ははっ素直じゃねぇーな、獄寺」
◇◇◇
「でねぇーこの前、山本サンがこれくれたんだー」
「え?山本がですか・・・?」
「うん、山本サンが。露店で見つけたんだってーなんか山本サン曰く呼んでたらしい」
「呼んでた、ってところが山本らしいですね・・・」
「確かにーでも、キラキラしてて可愛いから早速つけてるんだー」
「サンによく似合ってると思います」
「ありがと」
「ーツナー」
「あ、ディーノさん」
「ディノだー」
「どうしたんですか?ディーノさん」
「ちょっとに用があって」
「んー?」
「なぁ、ー」
「ん?」
「今からどっか行かねぇ?」
「例えばー?」
「近場だったらスイスあたりとか?あーでも、オーストリアでクラシック聴くのもいいよなー」
「あーじゃあ、オーストリアで。久しぶりにゆっくりクラシック鑑賞したいー」
「サン!ディーノさん!俺、突っ込みいれたほうがいいんですか?」
「えぇーどの辺が突っ込みどころだったー?」
「近場がスイスとかオーストリアとか言ってる時点で俺には超展開です」
「あー確かにそうだね、うん、慣れって怖い怖い」
ディノとの会話だとこれくらい普通のことだもん。
スイスもオーストリアもなんだかんだで近い。
さすがキャバッローネクオリティ。
「あ、ツナ。、オーストリアまで連れて行っていい?さすがに今の時間だと日帰りは無理だけど」
「もーなんか突っ込む気力もないんで、どーぞ」
「やったーオーストリアでクラシックー」
「あ、でも・・・早いうちに帰ってきて下さいね、明日には骸も雲雀サンも帰ってくるだろうし・・・!」
「はーいっ」
「ツナーとりあえず、アイツ等が屋敷壊す前には帰ってくるな」
「壊れたらディーノさんに請求させてもらいますからね!!」
「ははっ了解」
「サン、気をつけて行って来てくださいねー」
「うん。なんか急な仕事入ったら遠慮なく呼んでねー」
さすがにクラシック聴いてるときは電源オフにするけど。
鳴ったりしたら嫌だし。
マナーは守るんです!
「あ、はい。楽しんできてくださいね」
「うん。ホント楽しみー・・・あ、お土産何がいい?」
「いや、気にしないでください」
「えぇーでも、折角だし」
「あ、じゃあ・・・サンの感想楽しみにしてます」
「え?」
「クラシック聴いてきた感想を聞かせてください」
「・・・そんなのでいいの?」
「はい。俺、楽しみにしてますから」
「わかった。じゃあ、しっかり聴いてくるね」
「はい。本当に・・・ゆっくり楽しんできてくださいね」
「ありがと」
† 月明りを受けて光る華 †
(てか、山本がカチューシャサンにプレゼントとか意外すぎるんだけど!!!)
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