† 私に口説き文句なんて時間の無駄 †










「Ciao principessa」


「ごめん、私イタリア語無理」




てか、イタリア語かどうかもわかりません。

まぁ・・・多分あってるはず。

Ciaoってリボくんがよく使ってるし。




「えぇーそうなのー?」


「うん、無理」




仕事帰りに一人で優雅にティータイムなんてしてたら・・・

ドン・ジェッソに声かけられました。

・・・まっすぐ帰ればよかったなぁーなんていう後悔。

まぁもう遅いけど。




「すごいねぇーもう怪我治ってるんだー」


「治ってるわけないでしょ」




傷が消えたわけでもないし、完治したわけでもない。

むしろ、無理したら血が吹き出てくる可能性が非常に高いです。

っていうか、そんな短時間で完治するわけない。

あーあー・・・今日は恭弥の言うこと聞けばよかった。

仕事が終わったらすぐ帰って来いって散々言われたのに守らなかった私が悪いですよ、コノヤロウ。




「まぁ塞がってはいるけどねー」


「へぇー面白いなぁー。あ、これと同じの」


「かしこまりました」




指差して白蘭が注文したのは私と同じアフタヌーンティーセット。

てか、相席は暗黙の了解ですか?!

明らかに可笑しいよ?

だって私以外客がいなかったんだからね!!!




「白蘭サン」


「んー?」


「相席は暗黙の了解ですか?」


「うん」


「はぁ・・・」




私も注文したばかりでアフタヌーンティーセットも今来たばかり。

つまり。

全然食べてないし、紅茶も飲んでない状態・・・

仕方ないかな。

てか、つい昨日後にズタボロにしてきた相手と暢気にティータイムなんて笑える。




「ため息ついてると幸せが逃げちゃうらしいよー」


「いや、このため息はあなたの所為ですから。コノヤロウ」


「でさー相談なんだけど」


「うわぁーなんか色々無視しやがった」


「うちに来ない?」


「はぁ?」




うち・・・?

白欄の家?

うわぁー非常に行ってみたいけど・・・!!!




チャンをジェッソファミリーにスカウト」


「あー白蘭の家じゃなくて、ジェッソね。・・・って何言ってるんですか」


「だってーチャン面白いし」




ジェッソの入隊基準ってわかんないわ・・・

まぁそう考えればボンゴレもボンゴレだよね。




「今ならマシマロ食べ放題だよー」


「いや、私マシュマロ嫌いだし」


「うん、知ってる」


「だから、ジェッソには行かないよ」


「お待たせしました、アフタヌーンティーセットです」


「ありがとー」


「あ、紅茶お代わり。この人の支払いで」


「かしこまりました」


「やっぱり面白いや、チャン」


「紅茶は相席料ってことでよろしく」


「うん、いーよ」


「あ、いいんだ」


「アフタヌーンティセットも僕持ちでいいし」


「いや、それは駄目でしょ」




てか、紅茶も言ってみただけなんだけど!!

軽く受け入れられちゃったし!

ジェッソってお金持ちですか?!




「あーマシマロ入ってないんだー」


「普通は入ってないと思われますー」




白蘭が今食べたのスコーンだし。

スコーンにマシュマロ入れるのは大変だと思われます。




「でさージェッソファミリーに入らない?」


「だからさっきから言ってるでしょー。入らないよ、私は」


「そっかー残念」


「全然残念そうには見えないけどなー」


「んーん。今どうやって無理矢理入らせようか考えてるんだよー」


「ここって逃げたほうがいいかな?」


「うん。逃げたほうがいいかもねぇー」


「ふーん・・・まぁいいや、まだ食べ終わってないし、紅茶来てないし」


「お待たせしました、紅茶になります」


「あ、ありがと」


「やっぱり面白いなぁーチャン」


「どーいう意味ですか、それ」


「そのままの意味。僕こんなに女の子に興味持ったのは初めて」


「はぁ・・・女の子選り取り見取りの癖に」


「うん」


「うわぁー否定しやがらない」


「だってホントのことだし」




この男・・・

色んな意味で敵作りやすいタイプだよね!!!




「じゃあもっと面白い女の子はいっぱいいると思われますー」




っていうか、私も20代にしっかり突入してると思われるのですが・・・

女の子でいいんですかねぇ?

まぁ、そろそろ永遠の17歳とか言いたくなってきたし、女の子っていうのは喜んでおこう。




「んーん。駄目、僕はチャンがいいの」


「全く何が面白かったのか皆目見当もつきません」


「んー一番面白かったのはその性格」


「はい?」


「僕より弱いのに一人で突っ込んでくる姿勢とか、媚びない感じとか、屈しないところとか」


「うわぁー確かに弱いけど弱いって言われたのが非常にムカつく。そして、色気ないって言われた気がしてムカつく」


「ほら、やっぱり面白い」




















◇◇◇





















「お会計は・・・」


「別々で」


「一緒で」



「「「・・・・・・」」」



「アフタヌーンティーセットは治療費ってことでどう?」


「あーそれなら」


「じゃあそういうことで」


「ご馳走様、白蘭」


「どーいたしまして」










† 私に口説き文句なんて時間の無駄 †

(ホントに意味わかんないわ、ドン・ジェッソ。)



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