† 手に入らないものほど欲しくなるだろ †











「・・・ねぇ、今日は見逃してくれるんだよね?」


「うん、髪切っちゃったし」


「じゃあ帰るわ」


「うん。バイバイ、チャン」


「バイバイって・・・っていうか、私、帰り道わかんないんですけどー」


「あ、そっかー。うん、じゃー出口まで送ってあげるー」




なんて言いながら、白蘭は私を担いだ。




「ちょ、ちょっと白蘭?!」


「黙ってないとここから捨てるよー」




タワーの何階かもわかんないけど・・・

とりあえず、高いってことだけはわかる。

ここから落とされたら・・・うわぁー考えたくもない。




「・・・・・・白蘭」


「ん?」


「あなたは何を考えてるわけ?」


「秘密。チャンこそ何を考えてるんだろうねぇー?」


「さぁ?あ、もう降ろして」


「ヤダ」


「いや、ヤダって言われても困るんだけど」


「うん、困らせてるの」


「・・・・・・」


「まぁいいや」




なんて言って、担がれてた私は降ろされる。

地上に足がつく感覚。




「そういえば、もう血、止めたの?」


「あーうん。荒業は得意」


「へぇ・・・やっぱり面白いね。パッと見じゃ傷だらけなのもわかんないや」


「コートは脱いでたからね」




コートの下はもう、見るも無残なくらい服は破れてるし、血はついてるし最悪。

ロングコート選んでよかったね!

ルッス!助言ホントにありがと!




チャンって色んな意味で怖いねー」


「私には白蘭のほうが怖いですよー」


「あはっよく怖いって言われるー。あ、はい。これお土産」


「はぃ?」




なんで、マシュマロ渡されてるんだろ・・・

しかも、紙袋にいっぱい。




「マシマロ好き?」


「ごめん、嫌い」


「えぇーそうなのー?美味しいのに」


「あの触感がいや」


「あのふにふに感がいいと思うんだけどなぁー」


「・・・・・・」


「あ、安心していいよ。追跡なんてしないしっていうか無理だってわかってるし」


「うん、まぁね」




言霊で追跡なんて不可能にするし。

これが私がボンゴレだって知られない理由。

通り名も名前もいくらでも偽ることは出来る。

でも、姿を見られたら終わり・・・それが私の考え方だし。

・・・・・・あ、でもこのドン・ジェッソには本名ばれてるんだったー・・・これはちょっとまずいかも?




「あ、」


「え?」




なんか、白蘭が大声あげたから振り返ってみたら・・・

頬に感じるマシュマロみたいな感触。




チャンの頬ってマシマロみたいだねぇー」


「はぁ・・・それはどうも・・・」


「じゃあバイバイ、チャン」


「・・・さよなら、白蘭」




















◇◇◇





















「・・・何やったんですか、白蘭サン」


「んーちょっとお客さんが来ててねー」




面白かったなぁートロイの木馬のチャン。

しかも、この部屋の効果無視して攻撃してくるし。

結構強かったし。

チーズケーキも美味しかったし。




「お客さん、ですか?」


「うん。正チャンは知らないんじゃないかなぁー」




トロイの木馬って有名だけど有名じゃない。

何処のファミリーに所属してるかもわからないし・・・

もしかすると何処のファミリーにも所属してないのかもしれない。

まぁ、多分あのファミリーにいるんだろうなぁーっていう想像はできてるけど。




「なんていうか・・・流石ですね、白蘭サン」


「んー?」


「部屋はこんな状態なのにあなたには傷一つついてないじゃないですか」


「傷ならついてるよー」


「え?だったら治療班に・・・」


「んーん。治療班でも治せない傷だから」


「え、それってどういう・・・」


「今までここにいた女の子のこと欲しくなっちゃった」


「・・・心を奪われたってやつですか・・・」


「そうそう!今の正チャンの言葉がぴったりー!」


「はぁ・・・白蘭サンが珍しいですね」


「うん」


「まぁ人の色恋にとやかく言うつもりはありませんから」


「正チャンのお許しも出たし、探しに行っちゃおっかなぁー」




何処にいるかなんて全く見当もつかないけど。

もしかすると、歩いててばったりーなんてこともあるかもしれないしー。




「勝手にしてください。あ、僕は忙しいんで探すとか嫌ですから」


「あははーわかってるよー。あ、そうだ正チャン」


「なんですか?」


「正チャンはチーズケーキに何を合わせる?あ、飲み物ねー」


「ケーキにはブラックコーヒーです」


「ブラックコーヒーかぁー。紅茶はー?」


「紅茶でもいいですけど、砂糖もミルクもいりませんよ」




あ、チャンと同じ答えだ。

成る程ー、やっぱりケーキには砂糖なしの飲み物なのかなぁー。

まぁ美味しかったけど。

あ、そーだ。

チャンが持ってきてくれたチーズケーキ美味しかったし、正チャンにも買って来てあげよっかな。




「正チャンに美味しいチーズケーキ買ってきてあげる」


「いや、別にいいですよ」


「えぇーすごく美味しかったのに」


「今日はケーキ食べる気分じゃないんです」


「そっかー。じゃあ、とりあえず飯食いに行ってくるねぇー」


「はい。あ、この部屋どうしますか?」


「んー片付けるように言っておいてー」


「わかりました」


「じゃー正チャン、よろしくねぇー」










† 手に入らないものほど欲しくなるだろ †

(あーでも、ホントに面白かったなぁー。トロイの木馬、死神姫・・・チャン。)



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