† 時計の針は、毎日毎日止まることなく歩んでる †










「うわっサン?!」


「あ、ツナくん、おはよー」


「おはようございます・・・じゃなくて、その怪我!!」


「あー大丈夫大丈夫。ちょっと血がいっぱい出てるだけだから」


「大丈夫じゃないですって!あぁ!もうなんでこんな怪我するんですか?!」


「ほら、私ってばそんな強くないから」


「てか、昨日の仕事って骸と一緒だったんじゃ・・・?!」




そうだよ。

骸の復帰第一弾の仕事だったし!

あの骸がサンにここまで怪我をさせるはずがない。




「あーうん、一緒だったよー。骸の復帰第一弾」


「綱吉クン、もっと姫を叱ってやってください」


「・・・お前、見事に無傷だな」


「姫のせいですよ、姫の」


「あはっついつい身体が勝手に動いちゃうわけですよ」


「どういうこと?」


「姫が僕の前に立つんですよ、僕が攻撃されそうになると」


「だってほら、骸に傷ついたら私が嫌だし」




・・・なるほど。

骸に傷がつくのが嫌だから、自分が盾になったということか。

サンらしくてもう、どうしようもない。




サン」


「なぁに?」


「痕でも残ったらどうするんですか!」


「んーディノあたりに愛人にしてもらうとか?」




いや、サンだったら間違いなく正妻になれます・・・!!

むしろ、俺だって・・・!

じゃなくって!




サンだって女の子なんですから!ちょっとは考えて行動してください」


「ツナくん」


「なんですか?」


「この世界で女の子って関係ない」


「それは・・・っそう、ですけど」




そうだ、関係ない。

女の子だからって敵が手加減してくれるなんてそんな甘い世界じゃない。

いつ殺されてもおかしくない世界。




「すみません、俺・・・」


「んーん、ツナくん。心配してくれてありがとうね」


「いえ、」


「綱吉クン。そろそろ姫を治療室に連れて行ってもいいですか?」


「えぇー骸ちょっと待ってよ。私はまだツナくんとお喋り中ーって、なんで抱き上げるかな?」


「自分で行こうとしないなら連れて行くほうが早いかと思いまして。本当は立っているのも辛いくせに」


「そんなことないってー。ほら、言霊で血も止めてるし、私はだいじょーぶ」


「骸、そのまま治療室直行な」


「はい」


「え、なんで?私ホントにだいじょーぶなんだけど」


サン今言いましたよね。言霊で血止めてるって」


「い、言ったけど?」


「言霊で止めないといけないくらいヤバイ状態ってことですよね?」


「そんなこと、ないよ?」


サン、無理に笑わないでください」


「え?」


「痛いときは痛いってちゃんと言ってください」


「そんなことしたら私は弱くなっちゃう」


「弱くたっていいんです・・・それがサンなんですから」


「なんかツナくん、ディノみたい」


「え?」


「ディノにも同じこと散々言われるから」




あー普通に想像できます。

サンってディーノさんにとっては可愛い可愛いお姫様なんですもんね!

もう、何十回何百回その台詞を聞いたことか!




「ねぇ、いつまで群れてるつもり?」


「うわっ恭弥?!」


「あ、恭弥だー」


「早く運びなよね、その猫」




猫=サン。

確かに猫っぽい。

動物に例えるなら間違いなく猫。

気まぐれででも、構って欲しがり屋サンな感じが特に!!




「あ、そーだツナくん」


「なんですか?」


「お仕事は問題なく完了してまーす」


「あ、はい。おつかれさまです」


「じゃあ、そろそろ疲れたんでおとなしく治療されてくるねー」


「これからは俺に報告よりも先に治療室行ってくださいよ!」


「え、それは無理でしょ。だって報告大事」


「それはそうですけど・・・!」


「なぁーんてね。わかってるよーツナくん」


「え?」


「心配してくれてありがと」


「あーもう・・・敵わないなぁ・・・これ以上怒れないじゃないですか」




サンには敵わない。

ついつい、何でも許してしまいたくなる。

これって俗にいう・・・惚れた弱みってやつかな。




「やった。怒られるの嫌いだから怒られないのは嬉しい」










† 時計の針は、毎日毎日止まることなく歩んでる †

(サンはずるいと思う、根本的に!)



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