† あの暗く深い檻から救ってくれたのは君だと言うことを、君は知らない †










「復讐者、悪いけど六道骸は返してもらうわよ」


「それは出来ない」


「相変わらず頭が固いこと」


。なぜ六道骸の返還を望む」


「必要だから、この世界に」




この世界に必要。

でも、本当は・・・

私の我侭な願い。




「だから、返してもらう。・・・これは薔薇姫の審判よ」




私は死なない。

だって、この審判は間違っていないから。




「薔薇姫の審判は真実のみを決断する」


「そうらしいね」


「ならばわれらに拒否権は存在しない。六道骸の返還を許可する」


「あ、意外にあっさりだ」


「薔薇姫の審判は真実」


「あぁ、なるほど」


「六道骸は薔薇姫に返還する。生かすも殺すも薔薇姫の意志で行うがいい」





















◇◇◇




















「あなたは馬鹿ですか!!」


「ん?」


「全く・・・」


「骸、お帰りなさい」


「・・・・・・ただいま戻りました、我が姫」


「何それ」


「昔から姫と呼んでいたでしょう?無邪気に姫と呼ぶように強制したじゃないですか」


「う、アレは、ほら!」


「ほら、なんです?」


「だ、だってお姫様になりたかったんだもん!!!」




それは幼い願い。

あの牢獄のような世界での願い。

それを、彼らに押し付けたのは紛れもない私。

犬も千種もいまだに私のこと姫呼びだし。




「では・・・改めて我が姫。僕はあなたに永遠の忠誠を誓いましょう」




欲しい。

でも、いらない。




「い、いらない!」


「嘘ばかり」


「え?」


「ホントは欲しいのでしょう?僕が」


「う、自惚れんな!!」


「おやおや、困ったお姫様ですね」




欲しい。

いらない。

でも、やっぱり欲しい。

これは黒い欲望。

この黒い感情を他の誰かに知られるのが嫌でここに一人で来た。

ホントはクロームとか犬や千種も連れて来てあげるべきだったのにね。

私の我侭のせい。




「姫。姫に僕は不要ですか?」




ズルイ。

この男はズルイ。

いつでも、そう。

私の答えなんてわかってるくせに。




「・・・いる」


「はい、姫。僕の命も忠誠も全てあなたのものです」


「マフィア嫌いなくせに」


「僕はあなたやボンゴレに関するものは結構気に入ってるので別ですよ」


「うわっ開き直り?」


「姫と綱吉クンのお願いなら叶えてあげてもいいかなって思いますから」


「ホント、イイ性格してるよね」


「あなたに言われたくありませんよ」


「まぁそれもごもっともで。復帰祝いにチョコレートでも買ってあげようか?」


「あぁ、いいですね」


「じゃあコンビニ寄って行こ」


「は?」


「イタリアのコンビニもなかなかだよー。チロルチョコ売ってるし」


「ちょっと待ってください!復帰祝いがチロルチョコとか安くありません?!」


「えぇー」


「せめて板チョコにしてください」


「あはっそれはそれで安いと思うけどねー」




むしろ、数を買えばチロルチョコのほうが割高になる可能性も高い。




「まぁいいですよ、姫が買ってくれるのであれば」


「あ、ツナくんとお祝いするためにケーキでも買っていこ」


「は?」


「どこのケーキにしよっかなぁー。フラゴーラかなぁーやっぱり」


「ちょっと待ってください!!」


「ん?」


「なんで綱吉クンがケーキで僕がチロルチョコとか板チョコなんですか?!」


「えーまず、板チョコ提案したのは骸だよー」


「揚げ足取らない!」


「むぅ・・・あ、骸も一緒にケーキ食べたい?」


「食べたいですよ!」




うわぁー即答。

よっぽど食べたかったのかな、ケーキ。




「いいよ、買ってあげる。もちろん出世払いの三倍返しね」


「望むところですよ」


「あっ今日いいお天気だから溶けないでよ」


「は?」


「ほら、ずっと水牢の中だったから太陽の光浴びるの久しぶりでしょ?」


「あぁ、そういうことですか」


「折角脱獄したのにいきなり溶けられちゃ私も返還要求した意味がなくなっちゃうし」





















◇◇◇






















サン!やっと出てきた!」


「ツナくんにリボくん。どうしてここに?」


「もちろん、サンのお迎えです」


「この場合、骸のお迎えになると思うんだけどー」


「まさか。骸迎えに来て俺に何の得があるんですか」


「綱吉クン!それはひどいんじゃないですか?!」


「黙れ、骸」




あぁ、眩しい光。

何度も焦がれた光。

眩しい世界。

・・・・・・まさしく、溶けてしまいそうですね。




「まぁ、脱獄した以上お前にも俺の守護者として手伝ってもらうからな」


「勝手ですね、あなたは」


「だけどお前に拒否権はないから」




力強い瞳。

それは姫と同じ。




「わかりました。その代わり、チョコレートケーキを買ってください」


「は?」


「チョコレートが食べたくて仕方ないんですよ、僕は」


「まぁいいけど。てか、先にクロームたちに逢いに行ってやれよ、ずっとお前のこと待ってるんだからさ」


「・・・わかってますよ」




そんなこと、あなたに言われなくともわかっている。

あの子ども達はずっと、ずっと・・・僕のことを待っていてくれている。




「あぁ、姫。一ついいですか?」


「なぁに?」


「僕は姫のものです」


「なっそれここで言う?!ツナくんとリボくんの前で言う?!」


「あなたが望んだことじゃないですか」




これは宣戦布告。

僕にはちょっとばかりのブランクがありますからね。

これくらいのこと、許されるでしょう?




「そ、それはそーだけど!だけどね、TPOとか考えようよ」


「あー本当にいい天気ですね」


「人の話をきけぇぇぇーーー!!!」











† あの暗く深い檻から救ってくれたのは君だと言うことを、君は知らない †

(僕のすべてはあなたのものです、僕のオヒメサマ。)



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