† 夢を見ませんか?一時の夢を †










「なぁー恭弥。今度はハロッズ置こうぜー」


「君好きだよね、ハロッズ」


「まぁ、美味しいし。恭弥も好きだろ?」


「まぁね。あぁ、そういえば君と紅茶の趣味が同じ人間がいたよ」


「え?」


「同じようにハロッズを置きたがる人間がね」




へぇーそれは珍しい。

しかも、ここに置きたがるってことはカナリの人間。

だって・・・俺が今いるのは応接室。

泣く子も黙る雲雀恭弥の城。




「恭弥、いるー?」


「うわっ」


「あ、沢田綱吉クンだ」


「せ、生徒会長様?!」




って、ヤバイ?!

俺、普通に恭弥と紅茶飲んでるし!!

しかも、恐縮した雰囲気もなく、ちょーリラックスしてるし!!

俺、一応ダメツナ設定で通ってるのに!!!

これじゃ、まずダメツナに見えない!!!




「えっと・・・」


「あぁ、大丈夫。私の情報網なめんなー。二人の関係が幼馴染なことくらい知ってるよー」




情報網・・・?

てか、俺と恭弥が幼馴染だって知ってるってことはカナリの人間だよな。

少なくとも一般人は絶対知らない。

・・・そういえば、この前の骸戦で俺の有能家庭教師様が言ってて気になったからハッキングしたな・・・

薔薇姫って。

多分、この人は薔薇姫。

俺の超直感がそう言ってるし。




「もしかして・・・薔薇姫ですか?」


「あ、知ってるんだ」


「や、やっぱり知りません!!知らなかったことにします!!」




そうだ、踏み入れちゃいけない。

踏み入れるな、俺。

踏み入れたが最後、またボンゴレ10代目への道が濃厚になる!!!




「面白いね、ボンゴレ10代目。それによくわかったね、私が薔薇姫だって」


「・・・オッドアイじゃないなぁーとは思ったんですけどね」




ハッキングした情報に流れてた薔薇姫の特徴。

ローズクオーツのようなピンクの髪にアメジストとルビーのような初代薔薇姫の瞳。

そう、まるで六道骸のようなオッドアイ・・・らしい。

確かに生徒会長様の髪の色はピンク。

でも、瞳の色はブラウン。




「あ、うん。一応ブラウンのコンタクト入れてるから」




なるほど、ブラウンのコンタクトか。

って!俺、カナリ普通に会話しちゃってるんだけど!

この人、並中でも噂に名高い生徒会長様だった!!




「はぁ・・・また厄介な人が現れた」


「厄介とは失礼ね」


「す、スミマセン!俺、思わず・・・」



本音が出てしまった。

でも、この人超絶厄介だと思う。



「君も相当だと思うけどねー。とりあえず、カナリ演技上手だね」


「?!」


「私も一瞬騙されかけた。本当はダメっこじゃない沢田綱吉クン?」


「なんで・・・」


「だって私のこと薔薇姫って言ったし。それに・・・骸とのことも聞いてるし、ね?」


「あー・・・」




なるほどね。

薔薇姫だったら知っててもおかしくないか。




「後は・・・身近に似たような人間がいるし」


「へ?」


「よく来るでしょ?ドン・キャバッローネ」


「・・・薔薇姫はキャバッローネ所属でしたね」




コレは絶対ディーノさんが溺愛してると見た!!

普通に好みっぽいし!!

ディーノさんってロリコンっぽいし・・・なんていったら殺されそうな気がするけど!!




「あ、よく知ってるねー」


「俺の情報網もなめないでください」


「あはっ言い返された」


「・・・群れるなら咬み殺す」


「無理だろ?」


「無理でしょ?」


「・・・・・・」


「生徒会長も恭弥と紅茶を飲む関係だとは思いませんでした」




さすがに俺のハッキング内容に生徒会長様の私生活はなかったし。

そもそも、今の今まで薔薇姫=生徒会長様っていう公式にはなってなかったしな。




「ほら、恭弥紅茶淹れるの上手だし」


「それは確かに」


「綱吉、さっきから素が出てるよ」


「あぁ、なんかこの人相手に演技は通用しないしいいかなぁーって」


「あ、いいんだ?」


「はい。てか、無駄だって俺だってわかってますから・・・あなたが薔薇姫の時点で」


「まぁそうだよねー」


「あ、でも一応他言無用でお願いします」


「なんで?素でいったほうが色々便利だと思うけどなー」


「俺はまだ平穏ライフをエンジョイしたいんですよ」


「まだ、ねぇ?まぁ十分平穏ライフとはかけ離れた生活してると思うけどね」


「まだ平穏なほうですって。なんかこれから厄介なこととか厄介な人間とかめちゃくちゃ現れそうな気がしますし」


「あ、ディノは厄介じゃないほうなんだ」


「はい、とりあえずは。隠してるものはいっぱいありそうですけど」


「似てるもんねー沢田クンとディノって」


「あ、綱吉とかツナでいいですよ」


「え?」


「コレも何かの縁ですし、これからお世話になる気がしますし」


「あははっじゃあ私も名前でどーぞ。長い付き合いになるなら生徒会長様じゃなくなるだろうし」


「それもそうですね。・・・じゃあ、サン」


「なぁに?ツナくん」


「俺的にディーノさんよりも骸のほうが厄介です」


「あー確かに。アイツ性格歪んじゃってるもんねー」


「骸のこと知ってるんですか?」


「うん。だって骸とは元同じファミリー」


「え?」


「私もエストラーネオファミリーの実験体だから」


「・・・マジですか」


「うん、マジ。この初代薔薇姫の瞳に埋め込まれた能力に侵入できないシステムはないから。あ、初代薔薇姫は知ってる?」


「はい。ボンゴレ1世の時の情報屋ですよね?」


「うん、その通り」




・・・なるほど。

だから、薔薇姫の情報網は膨大でいて正確だってことか。

でも、知らなかった!!!

薔薇姫がエストラーネオファミリーの実験体でしかも初代薔薇姫の瞳が埋め込まれてるなんて!!!

あぁ・・・不覚、っていうか悔しい。




「でも、なんで俺にそんなことを・・・」


「んーツナくんなら私のお願い叶えてくれそうな気がしたから」


「お願い、ですか?」


「そう。まだ言わないけど」


「じゃあ、気長に待ってますよ」


「うん、きっと付き合い長くなるね」


「ですねー・・・恭弥、睨むな」




あーわかったわかった。

恭弥はサンのことが好きと見た。

そうだよなー。

好きでもない相手に恭弥が紅茶とか淹れるわけないもんなぁー・・・俺は別だけど。

まぁ・・・俺も本気になっちゃいそうなんだけど。




「あ、そーだ。今日、ディノとご飯食べる予定なんだけど一緒にどう?」


「遠慮しときます」




今のところは。

まだキャバッローネって言うかディーノさんを敵に回したくはないし。

俺がボンゴレ10代目になるならなおさら、キャバッローネは敵に回さないほうがいい。

まぁ・・・俺がサンに本気になっちゃったら別問題なんだけど。




「そっかーじゃ、またね。よかったら生徒会室にも遊びに来てねー、ツナくんなら大歓迎しちゃうから」


「今のところは丁重にお断りさせて下さい」


「あはっやっぱり?じゃあ、君の家庭教師様にもよろしくねー」




















◇◇◇




















「・・・・・・うわっ?!俺寝てた?!」




あっちゃー・・・・

もう、6時とかありえねぇー。

てか、誰も来なかったよな?

・・・・・・よし、人が来た気配はなし・・・っと。




「しかし・・・懐かしい夢見たな」




サンとの出逢った時の夢。

あの人、生徒会長様だったもんなー。

そして、一つ・・・あの頃と違うことといえば・・・

俺がしっかりあの人に本気になっちゃったってこと。




「そういえば、サンのお願いってなんだったんだろ」




あの時言ってたお願い。

それはいまだに何かはわからない。

まぁ・・・今夢に見るまで忘れてたんだけどね!!!





コンコン。





「ツナくーん?起きた?入っていい?」


「あ、はいどーぞ」




ん?

起きた?

俺が?




「なんで寝てたこと知ってるんですか?!」


「え、あーごめん。見ちゃった、寝顔」


「・・・マジですか」




うわぁー気づかなかったし。

てか、全くサンの気配とか感じなかったんですけど!!!

俺、まだまだってことかな・・・

あー有能家庭教師様にばれたらまた馬鹿にされるっっ!!!




「大丈夫!相も変わらず素敵な寝顔だったよ!」











† 夢を見ませんか?一時の夢を †

(あぁ、もうこの人なんでこんなにマイペースなんだろうね!!)



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