† 好きなのは、私だけなんでしょうか? †
「あ、チャン帰ってきたんだー」
「・・・いけませんか?」
「んーん。僕は嬉しいよー」
「・・・・・・」
「あ、敬語使ったよね」
「気のせいです」
「ほら、また敬語使った。お仕置きー」
「ンンッ・・・ンッ?!!」
舌を絡めて翻弄すれば苦しそうなチャンの顔。
うん、この顔好きだなぁー。
・・・って、僕こんなこと言ってたらSぽいなぁー。
「あははっ・・・チャン可愛いー」
唇を離してそう言えば、チャンは顔を歪めた。
からかい調なのが気に食わなかったかな?
「・・・・・・」
「んー?チャンどうしたのー?」
「ど、どうもしてない!」
「顔赤いよー」
「赤くない!この部屋暑いだけだもん!」
「まぁそういうことにしておいてもいいけどねぇー」
この部屋の空調は完璧。
だって、僕ボスだし。
「しょ、正チャンのとこ行ってくる!!!」
「今まで行ってたでしょ」
「で、でも!」
「今日はもう駄目。正チャンにあんまり迷惑かけちゃ駄目だよー」
正チャンはチャンにとって逃げ道。
正チャン優しいからねぇー。
でも、チャンも馬鹿じゃないから正チャンに迷惑をかけないようには極力しようとしてるのも知ってるし。
「・・・・・・はい」
「うん、よく出来ました」
なんて言いながら、チャンの頭を撫でれば今度はチャンに睨みつけられる。
「子ども扱いしないでよ!!」
「だってチャン僕より子供だしー」
「やっぱり正チャンのとこ行ってくる!!」
「だーめ」
「じゃあグロサマのとこ・・・!!」
「それも駄目。他の隊の人に迷惑かけちゃ駄目でしょ?」
「・・・・・・」
「それにチャンは今から僕とデートって決まってるんだよー」
「は?何それ!聞いてないし!」
「だって、僕が今決めたんだもん」
「いーや!行かないー!」
「決定事項っていうか上司命令だからチャンは拒否できませーん」
「拒否します!全力で拒否します!!」
「はい、チャン敬語使ったからお仕置きー」
「や、やだ!」
「駄目」
「・・・ンッッ・・・!」
やっぱりチャンってMなのかなぁー?
よく敬語使うし。
まぁチャンの性格からしてわざとってことはないんだろうけど。
「さーて、チャン何処行きたいー?」
「何処も行きたくない!!」
「何処がいいかなぁーあ、チャンラーメン好き?」
「え、あ・・・嫌いじゃないけど」
「じゃあラーメン食べに行こっかー」
「え、?!」
「よし、決定ー。僕お勧めのラーメン屋さんに行くよー」
僕、お気に入りの子しか連れて行きたくないんだよねぇーあのラーメン屋さん。
てか、誰か連れて行こうって気になったの初めてかも。
・・・・・・チャン、だからかなぁー・・・
「あぁー!もういいもん!行ってやろうじゃない!!」
「あははっホント面白いよねぇーチャンって」
でも、本当のチャンじゃないよね?
だって、本当のチャンは・・・もっと、可愛い女の子。
素直になかなかなれない女の子。
だからこそ、本当のチャンが僕は見たいんだよね。
それで、言って欲しいなぁー・・・チャンの本当の気持ち。
「わかってあげることは簡単だけど、それじゃ僕は満足できないんだよ」
「え?なんか言った?」
「なんでもないよー」
好きだよ、チャン。
本当に、好きだよ。
だから、君の気持ちも教えて?
チャンが僕に教えて?
† 好きなのは、私だけなんでしょうか? †
(君の笑った顔が嫌い。だってその笑顔は本当の笑顔じゃないから。)
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