† この気持ちを言葉にするのは難しいだろう †
「こんばんはー」
「いらっしゃい」
「一昨日食べたお寿司、めちゃくちゃ美味しかったからまた来ちゃいました」
一昨日に食べたばっかりなのにね!
だって、美味しかったんだもん。
てか、道に迷わずつけた私すごい!
この前の帰りは散々迷ったのにね!
「そりゃ嬉しいねぇ」
「おすすめお願いします」
「あ、どーも」
「こんばんは」
「今日はディーノさんと一緒じゃないんですね」
「あーあの金髪ね。連絡先も知らないや」
「え、そうなんですか?」
「うん」
知らない知らない。
・・・・・・私の家はバレちゃってるけど。
まぁ、バレたって困ることもないし。
てか、逢ったら逢ったでちょっと気まずいような気もするし。
「まだ大丈夫か?」
ガラガラ、と扉が開かれたと思えば・・・
後ろから聞こえるのは耳をくすぐるような声。
振り返ってみれば金色。
「!来てたんだな」
「・・・美味しかったから」
「そっか。あ、隣いいか?」
「・・・どーぞ」
「サンキュ」
「・・・唇」
「え?」
「口紅、ついてる」
「げっ」
あー袖口で拭いた。
口紅って取りにくいのに。
シャツ、白いし。
だから、余計に赤のルージュが目立つ。
「馬鹿」
「なっ」
「口紅って取りにくいのに」
「マジ?」
「まぁメイク落しとかで頑張れ」
衣服についた化粧品ってメイク落しで結構取れるらしいし。
うん、やったことないから確証はないけど。
テレビで見た。
「クリーニング出せば大丈夫だよな」
「あー大丈夫じゃない?てか、恋人いたんだ」
唇に赤いルージュ。
それは・・・恋人とキスしたからなんじゃないかっていう・・・詮索。
「まぁなー。俺もマフィアのボスとしての見栄もあるし」
「はぁ?!見栄で付き合ってんの?!」
「相手もそんな感じだろ。マフィアのボスと付き合ってるっていうステータス」
「・・・勝手に決め付けんな」
「なんでお前が怒るんだよ」
「女から見て、アンタめちゃくちゃムカつく」
「お前には関係ねぇーだろ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・ごめん」
「いや・・・俺もついムキになっちまった。ごめんな」
「・・・気になったこと聞いていい?」
「あ、あぁ・・・」
「マフィアのボスってどんな冗談ですか」
冗談ならもっと面白い冗談言ってください。
マフィアのボスとかいう人間初めて逢ったよ・・・!!
「いや、冗談じゃないんだけど」
「マフィアって何よマフィアって」
「マフィアはマフィアだって。お前だって22年も生きてりゃ聞いたことあるだろ」
「そりゃ、マフィアって単語は聞いたことあるけどさー」
「俺はイタリアのキャバッローネファミリーのボスなんだって」
「イタリアンマフィアなんて知らないし」
まぁその他の国のマフィアも知らないけど。
日本のヤクザ屋サンの大きいところの名前は知ってるけどね!
「お前、信じてねぇーだろ」
「うん」
「・・・明日、ここに来い」
「マフィアってこと証明してやっから」
「いや、別にいいし」
「なっ」
「マフィアって信じればいいんでしょー。信じましたー」
「絶対来いよ!」
「いや、だから・・・」
「山本ー明日、帰りにツナ連れてきてくれよなー。俺、明日また来るからさ」
「ツナだけでいーんですか?」
「まぁ獄寺は言わなくても付いてくるだろうし」
「ははっ確かにそうですね」
「ねぇちょっと、人の話聞こうよ、ねぇ!!」
† この気持ちを言葉にするのは難しいだろう †
(てか、恋人いたんだ。・・・まぁ、いないほうが不思議か、綺麗な顔してるし)
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