† こんがらがった糸を解こうとしたら絡まってしまった †










「・・・意味わかんないんだけど!!」




いきなり金髪男、しかも長身にぶつかられて・・・

で、いつの間にか、お寿司屋さんに。

ホント意味わかんないんだけど!!




「よっ山本」


「あ、どーも。ディーノさん」


「おすすめ頼むわ」


「ひとつはワサビ抜きにしましょうか?」


「私、子どもじゃないんで。・・・でも、ワサビ抜きにしてください」




なんか、こういうお寿司屋さんのワサビってめちゃくちゃ辛いイメージ。

ワサビの辛さは大量には無理!




「お前、名前は?」


「・・・


「俺はディーノな」


「・・・外国人?」


「まぁここジャッポーネだし、外国人になるな」


「どこの人?」


「イタリア」


「ふーん・・・ピザ美味しい?」


「ピザじゃなくてピッツァ」


「・・・パスタは?」


「無視かよ!」


「そっちだって無視したじゃん」


「あー悪い。ピッツァもパスタもめちゃくちゃ美味いぜ!」


「一回本場のピッツァとかパスタって食べてみたい」




ちょっと夢。

まぁ海外なんて行く勇気ないけど。

言葉も通じないし。




「ははっイタリア着たら美味いとこ連れて行ってやるぜー」


「社交辞令どうも」


「・・・お前さぁーもうちょい笑えねぇ?」


「・・・こういう顔なんで」




笑えるわけない。

ここ、知らないとこだし。

なんか高そうだし。

・・・隣に座ってるのは失礼なこと言いやがったけどカッコいい人だし。

めちゃくちゃ緊張してる、自分。




「まぁいっか。とりあえず、食べようぜ」


「・・・いただきます」




目の前に並んでるのは美味しそうなお寿司。




「嬢ちゃんのほうはワサビ抜きにしてあるからな」


「ありがとうございます」




嬢ちゃん呼びはきっと子ども扱いされてるわけじゃないよね!!

板前さんからしたら私は子どもだろうし!!




「・・・美味しい」


「そりゃよかった」




・・・・・・めちゃくちゃ美味しい。

ネタもいいし、シャリもちょうどいい大きさで美味しい。

うん、また来よう。

次は一人で。




「なぁーお前、マジで22歳なのか?」


「22歳だって。保険証見せる?」


「じゃあ見とく」




マジで見てるし。

・・・てか、やっぱりこの男失礼。




「・・・うわぁーマジかよ」


「だからマジって言ってんでしょ」


「同じ歳には見えねぇー」


「は?」


「俺も22歳なんだけど」


「・・・同じ歳」


「そう」


「なんでそんな無駄にでかいわけ?!」


「いや、それは俺が逆にお前に聞きたいんだけど」


「そんなの知らない。遺伝子に聞きやがってください」


「ホントちっせぇーよな」


「ムカつく」




小さい小さい言いやがって!!!

私だって好きで小さいわけじゃないのに!!




「・・・なんか可愛くていいな」


「なっ?!」


「小動物みてぇ」


「動物扱いすんな!・・・あ、でも、人間も動物だった」




そうだよ、人間も動物。




「・・・なんか面白いな、お前」


「はぁ?」


「今までにいなかったタイプだわ」


「周りにもいなかったですよー。アンタみたいなタイプ」




てか、そもそも外国の人とこんな風に横に並んでお寿司食べたことないし!

・・・それに、こんな綺麗な人初めて見たし。

キラキラ王子様。

めちゃくちゃ失礼な奴だけど。




「てかさーアンタってやめねぇ?」


「なんで?」


「いや、だって・・・なんか嫌だ。ディーノでいいからさ」


「じゃあ、お前って言うのもやめてよね。お前って言われるの時と場合によっては嫌い」


でいいか?」


「あ、うん。でいいよ」


「じゃあ・・・改めてよろしくな、


「こ、こちらこそ・・・ディーノ」


「なんだ、笑えんじぇねぇーか」


「え?」


「ははっなるほどな。さっきまでは緊張してたってことか」




・・・・・・コイツ、やっぱムカつく。

笑顔が綺麗過ぎる。

一瞬、ドキッとした。




「別に・・・緊張なんてしてないし・・・っ!頭、撫でんな!!」


「別にいいだろー」


「・・・よくない!」




ドキドキする。

こんなの、初めて。




「帰る!ご馳走様でした!とっても美味しかったです!」


「あっちょっと待てって!」











† こんがらがった糸を解こうとしたら絡まってしまった †

(これって恋?えぇ?恋・・・こんな失礼な男に恋とかありえない!!!)



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