† 「死を」降り下ろされる刀、避ける事など出来なくて †










「ボンゴレ10代目とキャバッローネ10代目だな」


「ツーくん、ディー下がってていーよ」


「いや、俺たちも・・・!!」


「ははっまぁツナ。下がってようぜーもストレス解消したいだろうし」


「そうそう。さっきのディーの一件でストレスが溜まっててー」


「あはは・・・はい、わかりました」


「すぐ終わらせるからー」




なんて言ったサンの手には鎌。

死神の鎌。




「・・・お願いします」


「はぁーい。では、」




顔つきが変わる。

さっきまでの可愛い雰囲気から一転。

どこまでも冷たく美しい死神。

鎌を一振るいすれば黒服の男たちが倒れる。

あの一瞬の動きで、まるで死神に魂を持っていかれたかのように・・・




「なんか、呆気なかったー」


「人数だけは立派だったんだけどな」


「ホント数だけ。もうちょっと手応えないとつまんないー」


「でも、サンに怪我もないようでよかったです」


も簡単に怪我なんてしませーん」


「怪我したら大変なことになるもんな」


「・・・ディーが一番ひどいでしょ」


「あー確かに大変なことになってましたよね」




前にさんが入院したときには・・・

もう、ボンゴレ内でも心配なあまりに任務に支障をきたす人間が続出。

俺もその中の一人になっててリボーンに殺されかけたし!!

だって、サンとはもう結構長い付き合いだけど、入院なんて今までなかったし!




「あの時はもう、お見舞いでもらった籠フルーツをどうするか大変だったんだよ」


「あはは・・・うちからも籠フルーツ贈りましたね」


「そうそう。ツーくんがくれたのは可愛かったからよかったよ」


「え、結構豪華なの選んだつもりだったんですけど」




自己主張の激しいパイナップルを筆頭に!!!

あのパイナップルは無駄に房が立派だった!!

どこかの誰かさんよりも何倍も立派な房だった!!!




「あ、そっか。ツーくんが来てくれたときは病室移ってたんだった」


「え?」


がいられないくらいの物で埋め尽くされてたから、の元病室」


「・・・ディーノさんが何を贈ってきたんですか?」




とりあえず、ディーノさんが一番ひどかったらしいから名指しで質問。

なんか、俺の想像を超えるような物な気がするんだけど・・・!!!




「えー別にたいしたことなかっただろー」


「たいしたことあるわ。この馬鹿馬め!!」


「ホント、何を持って行ったんですか?」


「巨大サイズのくまのぬいぐるみと・・・」


「ちなみにサイズはの倍はあったね・・・」


「・・・サンってぬいぐるみ好きとかいう設定ありましたっけ?」


「ない、全く」


「ですよね」




さんがぬいぐるみ好きってイメージはあんまりないもんね。

まぁぬいぐるみ持ってたら持ってたで似合うけど!!




「てか、むしろ邪魔だと思うし。ぬいぐるみ」


「ははっまぁあの巨大サイズのくまのぬいぐるみは嫌がらせだから」


「入院してる人間に嫌がらせすんな」


「・・・でも、くまのぬいぐるみだけじゃないんですよね?」




部屋移るくらいだし。

てか、くまのぬいぐるみくらいだったらたいしてすごくないと思う。

俺だって用意しようと思ったらできるし!!




「プリンとか、ゼリーとか、紅茶とか・・・はよかったよ」


「あ、なんかまともですね」


「あと何があったかな・・・あんまり思い出したくないなぁー」


「色々持って行ってやっただろー」


「あー無駄に色々とね。ボードゲームとか」


「ジェンガとか面白かったよなー」


「入院患者相手にブラックジェンガとか意味わかんないと思わない?」


「ブラックジェンガってよく飲み会とかでやるやつですよね?」


「そうそう。あの無駄に色々恥ずかしいヤツ」


「何やってるんですか、ディーノさん」


「だってさーが暇だったら可哀想だと思って」


「どうせならパソコン持ってきて欲しかったよ」


「あれ?パソコンはなかったんですか?」


「なかったんだよー。ヒドイよねぇーおまけに、携帯とか圏外だし」




あーわかった。

ディーノさんはディーノさんなりにサンに休ませようとしたんだ。

パソコンあったらサン、どんな状態でも状況でも仕事するだろうし。

サンの仕事って基本的にパソコンベースだし。




「おかげでデータの更新もできずで大変大変。あの一ヶ月は長かったわー」


「ちゃんと情報は退院してから流しただろー」


「自分で調べなきゃ納得できないタイプなの」


「まぁ退院してからデータ間違ってるって言われたしなぁー結構な量」


サンってなんていうか・・・すごいですよね」




情報能力とか、マジ半端ない。

キャバッローネの情報網も結構すごいと思うけど・・・

サンと比べたらやっぱり差はある。

さすが先視の瞳を持つ死神姫。




「人工だけどねー」


「あ・・・」


「でも、自分なりに努力して手に入れたものもあるから」




そっか・・・サンは、骸たちと同じでファミリーの人体実験で・・・

しかも、サンは骸曰く、一番初めに行われた人体実験の成功例。

研究者たちの期待の的にして、最高の実験対象。




「まぁ、この瞳が役に立ってるならいいんだけどね」


「正直・・・サン自身とその瞳のお陰で助かってる面は大きいです」


「ツーくんがそう言ってくれるならこの瞳にも救いはあるね」


サン・・・」


「あーそんなにしんみりしないでよー。それに、は今はこの瞳、嫌いじゃないから」


「昔は大嫌いだったよなー」


「うん。この瞳のことなんか言う奴は基本的に返り討ちにしてきたから」


「俺もその一人だし」


「第一声が・・・その瞳、本物?だったし」




うわぁー見事までのピンポイント。

なんか、なんとなくディーノさんらしいと思う。




「だってさー宝石みたいに綺麗だったからついな」




確かに綺麗だと思う。

サファイアのような瞳。

多分、俺も何も知らなかったら言っちゃうと思う・・・綺麗ですね、って。










† 「死を」降り下ろされる刀、避ける事など出来なくて †

(まるでサファイア、宝石のような瞳・・・正直すごく綺麗だと思う。)



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