† 彼女の話をまともに聞いていたら胃に穴が開く †
「・・・でさー結局、3人でクレープとか食べちゃったわけですよ」
「何やってるんですか、あなたは」
「そんなの私が聞きたいよ」
「てか、なんでそれを僕に話すんですか」
「いや、だって私とディーノの関係知ってるし」
「はぁ・・・」
「いやぁーホントにいい話し相手だよね!」
「・・・話し相手というより愚痴り相手だと思いますけどね」
「あははっ確かに!」
でも、貴重なんです。
愚痴り相手。
だって、私の貴重な愚痴り相手だった正チャンは日本に行っちゃったんです。
メローネ基地に行っちゃったんです、残念なことに。
「でもホント、白蘭の考えてることわかんないんだよねー」
「僕にだってわかりませんよ」
「だよねー。ディーノにも逢っていいって普通に言うんだよ」
敵なのに。
てか、こう着状態なのに。
それなのに、逢いたかったら逢いに行っていい・・・なんて。
私に死ねって言ってるのと同じような気がするんだけど、そうでもないらしいし。
私のこと考えてくれてるらしいし。
「・・・あなたとしては白蘭のことをどう思ってるんですか」
「私?私は・・・白蘭を選んだの」
わからない人、そんなのわかってる。
だけど、私は選んでしまった。
白蘭のことを。
「好きとか、愛してるとかそんな感情もいっぱいいっぱいあるけど・・・結局のところ、放っておけないから」
「は?」
「私ねー白蘭のこと放っておけないの」
わかったの、自分の気持ちが。
はっきりと。
ディーノのことは好き、大好き。
今でもずっと大好きだし・・・一緒にいたら本当に幸せになれる。
「ほら、結局のところ孤独な人だから」
白蘭は淋しい人なんだと思う。
色んな意味で。
でも、・・・白蘭は今、私のこと必要としてくれてるから。
だから、私は一緒にいたいって思う。
例え、すぐに捨てられたとしても。
「・・・いいんですか、あなたはそれで」
「え?」
「あの男の傍にいて幸せになれるとは思いませんけどね」
「あはっそれは私も思う」
「だったら、」
「でもね、私は全てをひっくるめて白蘭を選んだの」
「・・・・・・」
「今、この瞬間が幸せだからいいかなって」
白蘭が傍にいる。
私の傍にいる。
私のこと必要としてくれてる。
それだけで、私は幸せ。
「それに、ちょっと前まで私すっごい幸せいっぱいだったし」
白蘭がいて、ディーノがいて、すごい幸せ時間。
そんな時間、結構長くもてたんだよ。
それこそ、私が今まで生きてきた中で一番幸せだと思えた瞬間。
だから、これ以上願ったら罰が当たる。
「でも、ありがと。心配してくれて」
「心配なんかしてませんよ」
「んーじゃあ、助言ありがと?」
「・・・どういたしまして。じゃあ僕は今日の花を買いに行ってくるんで」
「行ってらっしゃーい。あ、ちなみに今日の花は何にするの?」
「ダチュラですよ」
「・・・そっか」
† 彼女の話をまともに聞いていたら胃に穴が開く †
(ダチュラが飾られるときが、レオくんの最期なんだよね。)
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