†　離さないから、絶対　†










｢チャン、オカエリー｣


｢・・・ただいま｣


｢ディーノくん、元気だったー？｣


｢なっなんで・・・？！｣


｢チャンがディーノくんと逢ってたことなんて知ってるよー｣


｢・・・・・・ごめんなさい｣


｢んー？なんで謝るのー？｣


｢だって、私は・・・っ｣


｢いーよ、チャン。チャンが謝ることなんて何もないから｣




そう言って、白蘭は私の頭を撫でた。

なんで、こんなに、優しくされてるんだろ・・・私。

ディーノと逢ってたのに。




｢白蘭｣


｢んー？｣


｢私、ここにいていい？｣


｢どうしたの？急に｣


｢だって・・・私戦えないし、邪魔になってるし、ミルフィオーレの敵とお茶なんてしちゃったし｣


｢いーんだよ、チャンはそのままで｣


｢え？｣


｢僕はそのまんまのチャンが愛しいみたいだから｣




なんて言いながら、白蘭は私を抱きしめる。

だから、錯覚しそうになる。

私は、白蘭に大切にされてるんじゃないかって。

そんなはず、ないのに・・・




｢・・・チャン？｣


｢・・・優しくしないで｣


｢え？｣


｢優しくしないで！わ、私、もう寝るから！！｣


｢あ、ちょっと、チャン！｣


｢おやすみ・・・っ｣




何も、聴きたくない。

だって、否定の言葉なんて聞いたら泣きそうになる・・・

っていうか、絶対に泣く。




















◇◇◇





















｢今日も帰ってきたなぁーチャン｣




その事実にちょっと喜んでる自分。

あははっチャンのこととなると僕、本当に人間っぽいなぁー。

独占欲の塊みたいだし。




｢でも、好きなんて言ってあげない｣




そんな言葉で、チャンのこと縛ってあげる気はないよ。

そんな言葉で、チャンのこと縛っても仕方がない。

なんて、矛盾ばっかりな心なんだろうね。

本当は縛ってしまって、一生ここから出られないようにしたいのに。

でも、そんなことしたらチャン死んじゃうから、しない。





コンコン。





｢白蘭様、失礼します｣


｢あっレオくん、いらっしゃーい。でも静かにね｣


｢は？｣


｢チャン寝ちゃったみたいだから｣


｢まだ７時ですよ｣


｢うん｣


｢・・・・・・お腹空かせてないといいのですが｣


｢あーそれは確かに。夕食食べてきたようには思えないし｣


｢後で何かお持ちしましょうか｣


｢うん、そうしてあげて。なんか、カロリーとか気にしてるみたいだから低カロリーな物で｣


｢わかりました。スープとか用意しますね｣


｢気がきくねーレオくんって｣


｢そ、そんな！勿体無いお言葉です・・・！！｣




ホント、レオくんのままずっといてくれたらいいのに。

最近、チャンとも仲良いみたいだし。

レオくんに何かあったらまた、チャンは泣くんだろうなぁー・・・










†　離さないから、絶対　†

(それでも、僕は止まらない。ごめんね、チャン。)

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