† 別れても、死んでも、憎んでも、君のことを忘れられない †
「「あ、」」
「・・・じゃ、」
「ちょっと、待てって!」
「・・・・・・何?」
「あーそんな睨むなって、な?」
「だって、」
「暇だったらさ、お茶でもしないか?」
「暇じゃ・・・」
「な?」
「・・・・・・うん」
・・・なんで頷いちゃったんだろ、自分。
私はもう、ディーノとは逢わないって決めたのに。
逢っちゃ、ダメなのに。
白蘭を選んだのに・・・
◇◇◇
「何にする?」
「・・・・・・ロイヤルミルクティー」
「ケーキは?」
「・・・・・・食べる」
「イチゴのタルトか?」
「・・・・・・うん」
「ロイヤルミルクティーとイチゴのタルトと・・・カプチーノ」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
カフェには大人しくついてきた。
だけど、ずっと下を向いたまま。
「」
「・・・・・・何?」
「ごめんな?無理につれてきて」
「ディーノが悪いわけじゃない。ついてきたのは私だし」
「・・・そっか」
「・・・・・・肩、治った?」
「あぁ、大丈夫だ」
「・・・そっか」
「俺としては一生消えなくてもいいんだけどな」
「え?」
「俺が、のこと愛してる証になるから」
なんていえば、驚いた顔して顔をあげた。
瞳を丸く見開く姿は、やっぱり可愛いって思っちまった。
「俺はお前のことが好きだから」
「でも、私は・・・っ」
「わかってる。ドン・ミルフィオーレを選んだんだよな」
「・・・・・・っ」
「でも、この気持ちは抑えられない。それこそ今からでも攫って俺のものにしたい」
「・・・・・・」
「だけど、お前の気持ちを大切にしたいからそんなことはしない。安心してくれよな?」
「ディーノ・・・」
「どうだ?ミルフィオーレは」
「わからないけど、徐々に慌しくなってきてるのはわかる」
「・・・そっか」
「でも、私は戦えないから。多分、一番安全なところにいるんだと思う」
「俺としてはお前には安全なところにいて欲しいけどな」
それが、たとえ・・・ドン・ミルフィオーレの傍だとしても。
には怪我なんてして欲しくないし。
笑っていて欲しい。
「一個だけ、本音いっていい?」
「・・・あぁ」
「ディーノに逢えてちょっと嬉しかった」
なんていって、はちょっと笑った。
あぁ・・・本当にコイツはズルイ。
ズル過ぎる。
今すぐ、抱きしめたくて仕方がない。
「お待たせいたしました。ロイヤルミルクティーとイチゴのタルトとカプチーノでございます」
「・・・あぁ、ロイヤルミルクティーとイチゴのタルトは彼女に」
・・・全く、タイミングがいい、よすぎる。
一言、零しそうになった瞬間の店員の声。
もしも、店員の声がなかったら俺は・・・のこと抱きしめてた。
「ディーノ、食べていい?」
「あぁ」
「いただきます。・・・ん、美味しい」
「そっか」
「ディーノも食べる?一口・・・あ、ごめん」
「食べる」
「え?」
「あーんってしてくれるんだろ?」
「い、今のは言葉のあやっていうか・・・!」
「ほら、あーん」
「・・・・・・今日だけ、だからね」
「・・・あぁ」
今日だけ、か。
そうだよな・・・今日だけ、今日だけ。
「はい、あーん」
「・・・サンキュ」
「どういたしまして」
† 別れても、死んでも、憎んでも、君のことを忘れられない †
(・・・やっぱ、好きなんだよな。のことが。)
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