† 手に入ったものをまだ欲しがるのなら、それは手に入ってないのと同じだ †
「びゃくらーん。私、超絶に暇なんだけど」
「んーでもチャン戦えるメンバーじゃないしなぁー」
「そりゃそーだけどー。私も日本とか行きたい行きたい」
ミーハー心たっぷりで。
そう!
こっそり、遠くから見てたいの!
10年前の面々を!!!
「それはダメ、無理考えられない。チャンはイタリアにいるのイタリアに」
「なんでよー」
「僕はチャンを手放したくないの、絶対に」
「だーかーらー手放されてあげないって言ってるでしょー」
「ダメなの、絶対・・・ここから出してあげない」
なんていって、白蘭は笑った。
それこそ、有無も言わせないような笑顔で。
・・・・・・捨てるときは一瞬のクセに。
「でも、暇を持て余してるチャンに遊び相手を用意してあげたよー」
「え?」
「じゃーん。今日から伝達係になったレオくんでーす」
「れ、レオナルド・リッピと申します!」
「あー」
レオくんだ、レオくん。
うわぁー本物だ。
・・・・・・でも、骸は憑依してるんだよねーレオくんって。
「どーも、です。」
「よろしくお願いします、様」
「別に様なんて呼ばなくていいよー。チャンとかそんな感じで」
ほら、白蘭様もチャンって呼んでるし?
んー・・・でも、レオくんにチャンとか呼ばれても違和感しか感じない気もするけどね!
てか、なんか慣れって怖いー。
ちょっと前の私だったらレオくん見てキャーキャー言えたのにね!
普通に受け入れちゃってる自分にちょっと笑える。
「無理です」
「あ、即答された」
「も、申し訳ありません・・・!!」
「んーん。面白いからいいや」
なんか、レオくんに骸が憑依してて骸が「申し訳ありません」とか言ってるって想像したら笑えるし。
てか、「無理です」って言ったときのレオくんの顔が真顔で面白かったよ!
「白蘭、いい遊び相手をありがと」
「どーいたしまして」
「自分が遊び相手ですか?!」
「そ。レオくんが私の遊び相手らしいでーす」
連絡係なのにね!
いきなり、私の遊び相手とか言われたら可哀想だよねー。
白蘭の連絡係のほうがお仕事的にレベル高そうだし!
マシュマロも用意しなきゃいけないだろうし!
うわぁーレオくってば大変なお仕事だ。
ただでさえ、やることいっぱいあるのにね!
「そ、そんな自分には恐れ多いことであります!!!」
「いや、レオくん。そんな思いっきり拒絶しないでよねー」
「うわぁーチャン嫌われちゃたねー。かーわーいーそーう」
「失礼な!レオくんはそんなに簡単に私のこと嫌ったりしないって信じてる!!」
「え、えっと・・・自分は様のこと嫌いではありませんよ」
「・・・ちょっとキュンってしたよ!キュンって!」
「うわぁーチャンにそんなこと言わせるなんてレオくんのこと殺しちゃいたいなぁー」
「白蘭。笑えないから、それ」
だって、結局のところ・・・
一瞬で殺されちゃうんだし。
憑依してる骸はともかくレオくんは殺されちゃう。
「ほーんと怖いよねー白蘭って」
「そんなことないでしょー。チャンには僕いつでも優しくしてあげてるし」
「まぁ優しくないとは言わないけど」
「あ、レオくん。遊び相手じゃなくていいから話し相手にでもなってあげてよ、チャンの」
「あんまり変わんない気もするけど、暇だったら話し相手になってね、レオくん」
「・・・はぁ」
† 手に入ったものをまだ欲しがるのなら、それは手に入ってないのと同じだ †
(でもぜーったいいつでも暇じゃないですって逃げられそうだよね!)
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