†　柔らかなその肌に、僕の印をつけて　†










｢チャン、ホントに行くのー？｣


｢いや、だって招待されたし・・・｣


｢別に行かなくてもいいじゃんーディーノくんからの招待だし｣


｢でも、ほらドレスまで用意してくれちゃったし｣




しかも、なんだか高そうなやつ！！

あぁーマフィア感覚わかんねぇ・・・！！！

前に白蘭が買ってくれたドレスも結局一回しか着てないし・・・

白蘭は白蘭でなんか着る予定ないのに新しいの買ってくれちゃうし。




｢とりあえず、行ってくる｣


｢ヤダ｣


｢ヤダ言うな｣


｢だってーチャンは招待されたのに、僕が招待されないなんておかしいー｣


｢ディーノ言ってたよ、今回のパーティーは同盟ファミリーの集まりだって｣




だから、同盟ファミリーじゃない白蘭が招待されないのは当然でーす。

それに、白蘭ってば危険分子だし！！




｢じゃあ、何でチャンは招待されるわけ？｣


｢・・・行ってみたいって言ったから。ディーノに｣




見てみたかったんだもん。

ボンゴレ10代目。

純粋に好奇心。

あとは・・・ちょっぴり我侭なお願いを伝えてみたくて。




｢ね、白蘭。行ってきちゃダメかな？｣


｢チャンってずるいよねぇー｣


｢え？｣


｢いつもビクビクお願いするくせに・・・今はそんなことないもん｣


｢意味わかんないんだけど｣


｢わかるでしょー。僕に嫌われるのが怖いチャン｣


｢・・・そうだね、うん。でも、これは譲れないのー｣


｢うん、わかった。行っておいでーあは、僕ってば大人だねー｣


｢ありがと、白蘭｣


｢その代わり、ちゃんと気をつけるんだよー｣


｢んー呑み過ぎないように努力する｣


｢グラス一杯だけだからね、お酒は｣


｢わかってるー｣


｢あと、早く帰って来るんだよ｣


｢ディーノがね、パーティー終わったら送ってくれるって｣


｢最後に、｣


｢なっ？！｣


｢えへへー僕の印｣


｢なっなっ何つけやがるんですか！！！｣


｢キスマーク｣


｢あぁー言うなー言うなーーー！！！｣


｢はい、鏡｣


｢ご丁寧にどーも。・・・うわぁーーー！！しっかりついてるし！！｣


｢そりゃ薄かったら僕が下手みたいでしょー｣


｢てか、なんでこんなことするわけ？！｣


｢ほら、お守り？てか、むしろ・・・悪除け？｣


｢悪魔がつけた悪除けって全く利かない気がするんだけど！！！｣


｢チャン言うねぇー・・・もっとつけてあげよっかー？それこそ身体中に｣


｢い、いらない！！あぁーディーノが用意してくれたチョーカーで隠れるかな・・・｣


｢無理じゃないー？｣


｢アンタねぇ・・・！！｣


｢それに無理に隠すほうがいやらしいよー｣


｢い、いやらしいとか言うな！！隠させろー！！｣


｢堂々としてたらいいのに｣


｢無理！無理だから！恥ずかしがり屋さんな日本人だから！！｣


｢ほら、早く準備しなくていいのー？チャン、まだ何も用意できてないじゃん｣


｢もとはといえばアンタのせいで・・・！！｣


｢ほら、早く用意しなよーディーノくん迎えに来るんでしょー？｣


｢あぁ！！時間が・・・！｣


｢様、そろそろよろしいでしょうか？｣


｢え、あっいつものお姉さん！｣


｢はい。白蘭様にお願いされまして・・・｣


｢なによぉ・・・お礼なんて言わないんだからね！！｣


｢うん、いーよ。てか、僕の自己満足だし｣


｢え？｣


｢やっぱり可愛いほうがいいし｣


｢・・・ありがと｣


｢あれー？お礼言わないんじゃなかったっけー？｣


｢じゃ、じゃあ今のなし！なしなんだから！！！｣




















◇◇◇





















｢・・・・・・なんだよ、その首もとのヤツ｣




俺の横に座る。

一番に目がいったのは、首もと。




｢白い悪魔が施しやがった悪除け｣


｢悪除けって・・・キスマークだろ｣


｢だって、なんかつけやがったんだもん｣


｢ふーん・・・｣


｢チョーカーでぎりぎり隠れたんだけど、気になってしょーがないったらない｣


｢隠れきってないし｣


｢え？｣


｢どーせ前からしか見てねぇーんだろ？鏡｣


｢あ、うん｣


｢横からだとめちゃくちゃ見えてるし・・・なんかいやらしい｣




無理に隠そうとしてるところが特に。

あとは、不自然に触ってるし。




｢なっ｣


｢｣


｢何？｣


｢ちょっとこっち向いて｣


｢ん？こっち？｣


｢・・・あ、反対か。顔あっち向けて｣


｢うー？なんでー？｣


｢は・や・く｣


｢わかったわよぉー・・・うにゃっ？！あ、ちょっと！ディーノ？！｣


｢・・・よし、ついた｣


｢な、何しやがった？！｣


｢悪除けは多いほうがいいかと思って｣


｢何すんのよぉーーー！！｣


｢鏡見とくか？｣


｢あぁーしかも、チョーカーで隠れないところに・・・！！｣


｢てか、堂々としてればいいんじゃねぇ？_｣


｢よくない！！｣


｢ちゃんと綺麗についたんだからいいだろー｣




我ながらなかなかいい出来。

チョーカーでぎりぎり隠れないところについたし。




｢よくないわ！｣


｢大丈夫だって。赤くくっきりついてるし、形もなかなか｣


｢そういう問題じゃなくてねぇ！！！｣


｢ははっなんか・・・さっきまでヤってましたーって感じだよな｣


｢なっ・・・なっ・・・っ！！！｣


｢の顔、茹でダコみたいになってるし｣


｢馬鹿馬・・・！｣


｢へぇー・・・そんなこと言うのか？｣


｢や、やだっ｣




耳元に顔を埋めれば、一瞬ビクッと震える。

絶対泣きそうな顔。




｢どうせなら足腰たたねぇーようにしてやってもいいんだぜ？｣


｢な、何言ってんですか！！！｣


｢俺は別に車の中っていうシチュエーションでも全然いいし｣


｢やだっ絶対やだかんね！！｣


｢ははっ冗談だって｣


｢馬鹿馬・・・！｣


｢ほら、このリボンやるから｣


｢な、なんでいきなりリボン？！｣


｢いや、なんかっぽいから買ったんだけどさー。いまいち何に使うかわかんなくて｣




まぁ、まず俺はリボンなんてつけないし。

もで頭にリボンなんてつけてるイメージねぇーし。




｢でもさ、ほら・・・こうやって首に巻けばほら、お前が気になってる部分が隠れるだろ？｣


｢ほ、ホントだぁー・・・隠れた｣


｢はい、お礼は？｣


｢ありがと・・・って！ディーノが悪いんじゃない！！！｣


｢いや、俺だけじゃないだろー｣




ドン・ジェッソも悪いし。

・・・何より・・・




｢お前が一番悪い｣


｢な、なんで？！｣


｢苛めて欲しそうな可愛い顔してるから｣


｢そんな顔してない！してないんだから・・・！｣










†　柔らかなその肌に、僕の印をつけて　†

(コイツってなんていうか・・・ずるいタイプだよな。おまけに鈍感。)

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