† 怖いから疑って、怖いから強くなろうとするんだ †










チャン、捕まえたっ!」


「ひゃっ」


「もう、一人でどっか行っちゃダメでしょー?」


「一人じゃないし」


「僕がつけた護衛をまいて逃げちゃうし」




チャンのこと護衛してた人間、かなり顔面蒼白な状態だったんだよー。

可哀想可哀想。

・・・まぁ僕の所為なんだけど。




「だってー・・・なんか後つけられるのってムカつく」


「まぁ、いいんだけどね。それは」


「え?」


「ねぇ、チャン。どうしてディーノくんと一緒にいるわけ?」


「えっとねー・・・カフェのつもりが気づいたら遊園地にいた」


「・・・質問変更」


「うん」


「どうしてディーノくんの車に乗ったの?」


「だって、車楽だし・・・一人でいるの飽きたし」


「僕、買い物一緒に行くって言ったよね?」


「うん。それを断って一人で出てきた」


「どうして、ディーノくんとなら一緒にいるの?」


「ドン・ジェッソ。ストップ」


「邪魔しないでくれる?」




煩いなぁーもう。

僕はチャンと喋ってるの。




「いや、今回は邪魔させてもらう」


「・・・・・・」


「俺が勝手にここまで連れてきたんだもんな、


「・・・・・・」


「だから、は悪くないだろ?元々コイツ断れない性格してるし」


「・・・でも、私は自分で車乗ること選んだ」







あー・・・涙目。

大きい瞳にいっぱい涙溜めて、必死でこらえてる。




「・・・ごめんね、チャン。ちょっと怖がらせたね」


「・・・白蘭?」


「怒ってないんだよーホントに」


「ヤダ、怒ってる・・・」


「怒ってないよー」


「・・・・・・」


「・・・・・・うん、ごめんね」




・・・ホント、僕ってダメだなぁー。

チャンのことになると、余裕とか全然なくなって、チャンにまでイライラぶつける始末。

あははー・・・ホント、僕どうしちゃったんだろー。







「・・・・・・ん」


「俺、帰るわ」


「え、ヤダ」


「ヤダ、じゃなくてな?」


「・・・・・・ヤダ」


「あー・・・また、愚痴は聞いてやっから、な?」


「・・・・・・」


「ドン・ジェッソ。ひとつ借しな」




チャンの頭を撫でながらディーノくんはそんなことを言う。

・・・ムカつく。

素直に頭撫でられてるチャンにも、頭撫でてるディーノくんにも。

・・・・・・なんか僕、子どもみたい。










† 怖いから疑って、怖いから強くなろうとするんだ †

(・・・・・・これが人間らしいってことなのかな。)



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