† ガキっぽくていいじゃんか、ガキなんだからさ †










「ねぇーカフェじゃなかったのー?」


「なんかものすごい行きたくなって」


「はぁ?」


「たまにはイイだろー」


「でも、なんで遊園地なわけ?」


「だってほら、お子様は好きだろ?遊園地」


「わ、私、お子様じゃない!!」


「ふーん・・・」




お子様じゃないって言い切るからつい、スイッチオン。

絶対俺、今めちゃくちゃ楽しそうな顔してる。




「や、やだっ耳元で喋るのはダメだからね!!」


「お子様じゃないんだろ?」


「う、ぅ・・・お子様でいいです・・・!あぁー遊園地楽しいなぁー」


「ははっごめんごめん。今日はもう意地悪しないって」


「・・・ホント?」


「ホントだって。・・・今日だけだけどな」


「・・・それは心の声に留めておいて欲しかった」


「でも、ほら、なぁ?」


「意味わかんないから!!」


「とりあえず、あんま時間もないし遊ぼうぜ」


「あ・・・うん。遊園地なんてものすごい久しぶり」


「そうなのか?」


「だって、連れて行ってくれる人なんていなかったし」


「ジャッポーネのデートの定番じゃなかったっけ?」


「そうだけどー・・・彼氏いなかったし」


「へぇー・・・」


「な、何よ!!どうせ、彼氏いませんよーっだ!」


って結構もてそうだけどなぁー」


「そんなこと、」


「でも、余程の男じゃねぇーと無理そう」


「え?」


「だってお前、我侭だし」


「なっ」


「なんかわかりにくいし」


「・・・・・・」


「基本攻撃的だからそれを受け止めながら軽く交わせるような奴じゃないとすぐにダメになっちまいそう」


「・・・・・・」


?」


「・・・・・・」


「あー・・・ごめんな?ちょっと言いすぎだ」




屈んで頭を撫でてやっても俯いたまま。

チラッと見えた顔、大きな瞳にいっぱい涙を溜めてる。

あー・・・失敗した。

ってそうなんだよな。

ただ、強がってるだけで、本当はものすごく脆い。

・・・わかってんだけどな。




「・・・・・・」


。俺は大丈夫だから」


「・・・・・・何、が?」


「お前のことある程度はちゃんとわかってるし、強がりなのも知ってる」


「・・・・・・」


「お前の我侭も可愛いと思うし、攻撃も軽く交わしてやるから」


「・・・・・・」


「だから、今のままのでいいんだからな」


「・・・・・・ホント?」


「あぁ。ツンツンしてるのも見てて楽しいし・・・苛めたくなるけど」


「なっ・・・」




あ、顔あげた。

涙が止まってることにちょっと安心してる自分が笑えた。




















◇◇◇





















「白蘭様、申し訳ございません!!」


「んー?」




あ、僕がチャンの後をつける命令した人間。

なんか、めちゃくちゃ焦ってる感じ。




様を、見失いました・・・」


「あーうん、いいよー。チャンなら逃げかねないって思ってたし」




あの子、変なところで負けず嫌いだし。

逃げるの大好きだし。

あからさまに逃げようとするから、つい追いかけないであげよっかなぁーって思ったら逆切れするし。

ホント天邪鬼。

好き?って聞いたら絶対、大嫌いって返ってきそうだよねぇーうん。




「で、今の状況は?」


「それが・・・」


「早く言ってくれないかなぁー?」


「は、はい!追いかけたところ・・・その、どちらのものかは存じませんが車に・・・」


「乗ったの?チャン」


「は、はい・・・」


「ちなみに誘拐?それともチャンが自分から?」


「運転席から男が出てきまして、扉を開けていましたので恐らく、様が自ら・・・」


「ふーん・・・」




あぁ、なんか嫌な予感。

っていうか、ムカつく予感。

チャンが自分から車に乗るなんてそんなの決まってる。




「ねぇ、チャン、抵抗なんてしてなかったんでしょ」


「は、はい。そのような様子は見られませんでした・・・」


「運転席から出てきた男って金髪だった?」


「は、はい!遠目でしたが・・・」


「うん、わかった。もういいよ、帰ってきて」




チャンを車に乗せたのはディーノくん。

絶対、間違いない。

だって、チャン僕が乗ってる車かディーノくんが乗ってる車しか乗ってるところ見たことないもん。

もし、誘拐とかだったら無力ながらも抵抗するだろうし。

ホント、無力だから意味ないだろうけどねー。




「あーあ。ホント面倒な子だよねー」




なんて言いながら僕は出かける準備。

もちろん、チャンのお迎え。

放っておいてもいいんだけど、やっぱりムカつくから却下。




「失礼します」


「あ、正チャンー。どーしたのー?」


「書類を渡しに来ただけです。白蘭サン、出かけるんですか?」


「うん。ちょっとチャンが誘拐されたから迎えにいこっかなぁーって」


「は?!」


「まぁ誘拐っていっても、ドン・キャバッローネ相手だし」


「な、なるほど・・・」


「ホント、面倒な子だよねーチャンって。正チャンもそう思わない?」


「・・・白蘭サンといい勝負だと思います」


「えぇー」


「じゃあ僕の用は済んだんで。失礼します」


「あ、ちょっと正チャン!!」


「巻き込まれるのはごめんですから」


「・・・・・・つれないなぁー正チャン」










† ガキっぽくていいじゃんか、ガキなんだからさ †

(とりあえず、ディーノくんがムカつく。)



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