† 悪戯に心をかき乱す貴方という存在 †










後ろから鳴り響くクラクションの音。

振り返ってみれば私の後ろに、なんだか高級車な感じの車が一台。




「お嬢さん、乗っていかねぇ?」




高級車が横に着いたかと思えば窓が開く。

うわっ爽やか!って感じの笑顔で顔を出すのはドン・キャバッローネ。




「ディーノ!」


「よっ




って!ディーノが運転してる!!

あ、助手席にロマーリオさん。

なるほど、それなら安心。

事故る心配もないね!




「で、乗っていかねぇーの?」


「乗るー!なんか迷っちゃって、歩き疲れちゃった」




イタリア滞在してまだ一週間くらいだけど・・・

なんだか慣れたような気がしたから一人で外出。

・・・なんて自信満々にしてみたのはいいけど・・・見事に迷子。

てか、白蘭の命令で私の後をついてきた奴らをまいたせいだもんね!




「ロマーリオ。運転頼む」


「あぁ、いいぜ」


、ちょっと下がって」


「え、あ、うん」




一歩下がれば扉が開いて・・・

キラキラ光る蜂蜜ブロンドが出てくる。

あーなんかキラキラしてるなぁーさすがディーノ。




「ほら、先乗れ」


「え、あ、・・・はい」


「ん?どーした?」


「いや、ドン・キャバッローネに扉開けてもらっちゃっていいのかなぁーって」


「女をエスコートするのが男の役目だろ?」




あーやっぱこの人カッコいいや。

言葉一つ一つでドキッとするし。

・・・ドキッとしてるなんて内緒、絶対内緒。




?」


「あ、うん。じゃあお邪魔しまーす」


「よぉ、嬢ちゃん」


「あ、どーも」


ー今暇なのか?」


「暇っちゃー暇。そろそろ三時のおやつの気分です」


「じゃあ、カフェでも行くか」


「行くー!」


「ロマーリオ、適当に頼む」


「了解」




カフェかなぁー楽しみだなぁー。

紅茶とか美味しいとこだったらいいなぁー。




「・・・なぁ」


「ひゃっ」




耳元とか反則!!!

ゾクッとした、ゾクッと!!!

ただでさえいい声なんだからずるい・・・!!!




?」


「な、なんでしょーかっ」




平常心、平常心。

って、息吹きかけんなーーー!!!

あー今、絶対ディーノの顔見たくない!!







「や、やめてよね!耳、弱いんだから!!」


「知ってる」


「ひゃぁっ」




耳、舐めやがった・・・!!!

何、この辱められてる感じ・・・!!!

嫌がらせ?!




「あ、やっ、ちょっとディーノ!!」


「ホント弱いよなぁー耳」


「弱いですよ・・・!だからやめてっ」


「ヤダ」


「ヤダじゃなくて・・・!」


「だってなんか可愛いし」


「可愛くないし!!」


、おねだりは?」


「は?」


「カフェ、行きたいんだろ?」


「いや、ちゃんとロマーリオさんが向かってくれてるし!!」




だから、おねだりする必要なんてない!!!

っていうか、なんでおねだり?!

なんか、ディーノよく使うよね、おねだりって単語!




「ひゃっ」




息吹きかけんなーーー!!!

もう、やだ・・・・・・!!




















◇◇◇





















「坊ちゃん、やりすぎだ」


「へ?」


「嬢ちゃんの顔見てみろよ」


「顔?う、うわっごめん!!調子乗りすぎた!!」




ロマーリオに言われての顔を見れば・・・

涙目。

おまけに顔は真っ赤。




「ば、馬鹿馬・・・っっ!」


ー。ごめん、ごめん、な?」




ふくれっ面なお姫様。

ホント、まだまだ子どもだよなー。

自分がコイツと同じ年のときってもうちょい大人ぶってたと思うんだけどなー。

まぁ、そのときにはもうすでにキャバッローネのボスやってたし。

とは住んでる世界が違うっちゃー違うけど。




「ボス、着いたぜ」


「あぁ。、カフェついたから機嫌直してくれよー」


「ヤダ」


「ヤダってなぁー」


「ははっ完全にへそ曲げたな。嬢ちゃん」


「ロマーリオ!笑い事じゃねぇーって!!」




あぁーちょっとやりすぎたか。

でも、だって悪い。

普段強気って言うか、ツンツンしてるからつい、苛めてやりたくなる。

苛めたら可愛い反応するし。

まぁその反応見てると余計にもっと苛めてやりたくなるんだけどな。

今回もついつい苛めすぎたっていうのが原因だし。




「ほら、。好きなもん買ってやっからさー」


「・・・私、別にいらないもん」


「あー・・・」




たいていの女は好きなもの買ってやるとか言えばすぐ機嫌直すんだけどなぁー。

でも、このお姫サマには効果なし。

てか、余計に不機嫌になってねぇ?




「・・・てか、何その手馴れた発言」


「う、」




めちゃくちゃ睨まれてる。

全然怖くはねぇーけど。

てか、むしろ・・・なんか可愛い。

小動物が牙向けてるけど、自分より相手のほうが強いって本能で認識してフルフル震えてるって感じ。

まぁ、そんなこと言ったらもっと不機嫌になりそうだから言わねぇーけど。




「私を、他の女の人と一緒にしないで」


「え?」


「一緒の扱いはやだ」




何、この可愛い物体。

今の発言は可愛すぎるだろ。

あぁ、あれか。

ツンツンがデレたってやつ。

なるほど、ツンデレって興味なかったんだけど・・・ならありだなー。




「ロマーリオ、目的変更」


「は?」


「この先に新しく遊園地できてたよな?」


「あぁ、確かな」


「そこに向かってくれ」


「了解」


「え、ちょっと。カフェは?!」


「カフェよりもっと楽しいところに連れて行ってやるから。大人しくしてろ、な?」










† 悪戯に心をかき乱す貴方という存在 †

(とりあえず、俺、ツンデレいけるっぽい。)



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