† 馬鹿に付ける薬は無いというが本当のことらしいな †
「・・・・・・あぁー・・・恥ずかしかった・・・」
路地裏から大通りへ出て、ポツリとつぶやいたチャンはなんか可愛かった。
てか、普通に出ればいいのに。
一人でずかずか歩いてるほうがよっぽど目立つのに、ねぇ?
「ー何食いたい?」
「んーっと・・・和食?あ、お寿司がいいなぁー」
「了解。意外に美味い店あるぜ」
「ホントー?」
「あぁ、ホント」
「じゃあ楽しみにしてる」
んー・・・やっぱり、チャン、ディーノくんにはちょっと素直だよねぇー。
僕に対してと違う。
「白蘭ー?」
「んー?」
「お寿司、好き?」
「うん、好き」
「そっか、じゃあお寿司屋さん行けるね」
あれ?
なんか、おかしい。
チャンがものすごく可愛くなってる。
「チャン?どーしたの?」
「え?」
「なんか変だよー」
「変って何が?」
あ、ちょっと戻った。
「チャンが」
「し、失礼な・・・!!!折角、ちょっと頑張ってみたのに!!!」
「あ、頑張ってたんだ」
「あぁーーー!!もう知らない、いい子なんてしない!白蘭のバカヤロウーーー!!!」
「うん。やっぱり暴言吐いて叫んでるチャンのほうが可愛いや」
あはは・・・なんか、最初考えてたことと矛盾してる気もするけど。
まぁいいや。
チャンが可愛いならそれで。
「ー俺、置いてけぼりは寂しいんだけど」
「ひゃっ耳元で言うな!普通に言えーーー!!」
「えぇーだって、こっちの反応のほうが可愛いし。苛めたい」
「さらっとさわやかに苛めたいとか言うなーーー!!!」
「嫌だ」
「ひゃぁっな、舐めた!!耳、な、舐めた・・・!!!」
「耳って結構性感帯らしーぜー」
「ディーノくん。チャンに触らないで、チャンは僕の」
「お前のものじゃないだろー」
「僕のなの」
「なぁ?ー」
「え、な、何?」
チャンは耳押さえて真っ赤な顔。
あーもう、なんだろう・・・ムカつく。
ディーノくん、ムカつく。
チャンにこんな顔させていいのは僕だけなのに!!
「お前ってドン・ジェッソのものなわけ?」
「いや、それはありえないから・・・ひゃぁっ!!びゃ、白蘭?!」
「お仕置き」
「な、なんで?!なんでアンタまで人の耳舐めやがるわけ?!」
「だから、お仕置きだよー。あとは、チャンの耳の味見でーす」
「味見って何よ味見って!!私は食べ物じゃないんだけどーーー!!!」
「てか、チャン。大声で叫ぶから注目されてるよー」
「なっ・・・あぁ!!ここ大通り、人、いっぱい!!あぁーーーマフィア感覚のバカヤロウーーー!!!」
† 馬鹿に付ける薬は無いというが本当のことらしいな †
(・・・てか、ディーノくん・・・チャンのこと本気で好きっぽいよねー。本当に。)
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