† 君の声が聞きたい †










「ん・・・っ」


「あ。チャン、やっと起きたー」


「びゃ、白蘭?!え、なんで?!」


チャンの寝顔ずっと見てたら朝になっちゃったー」


「はぁ?!なんですか、それ」


「だって本当のことだもーん」


「・・・・・・」


チャン、ごめんね」


「え?」


「僕、大人げなかったよねぇー。正チャンだけじゃなくて、ディーノくんにまで怒られちゃった」


「・・・私も、ごめんなさい。言うこと聞かなくて」


「んーん。チャンは悪くないよ」


「・・・・・・」


「だから、まだここにいてね」


「私、まだここにいていーの?」


「うん、いて欲しい」




あは、なんか面白いこと言ってるなぁー僕。

一人の女の子にこんなに必死になってる。

だって、離したくないんだもん。

このチャンは、絶対に。




「・・・いる、ここにいる。一ヶ月経って、白蘭がいらないって言うまで、ここにいる」


「うん、残念だけどチャンのこといらないなんて言わない」




絶対に言わない、離してあげない。

ディーノくんになんて絶対にあげない。

チャンは僕のもの、誰にもあげない。




「ねぇ、チャン」


「ん?」


「もっと喋って」


「え?」


「僕、チャンの声、好きなんだー」


「喋ってって言われて喋るのって難しいと思うんですけどー」


「うん、知ってる」


「じゃあ無茶難題言うな」


「えぇーだって、チャンの声聞きたいんだもんー」


「白蘭」


「ん?」


「白蘭、白蘭、白蘭、白蘭、白蘭・・・あぁーなんか飽きてきたんだけど」


「いや、チャンがいきなり勝手に言い出したんだと思うんだけど」


「普通止めるでしょ」


「だって僕はチャンの声聞きたいし」


「いや、それでも普通は止めてくれるもんでしょ!!」


「えぇー」


「・・・そうだよねぇー白蘭サマに普通は求めちゃダメですよねー」


「うん、ダメ」


「えぇ?!そこ即答するの?!」


「うん」


「あぁーもう、意味わかんないー」


「ねぇ、チャン」


「何よぉー」


「この傷、僕以外に見せないで」


「は?」


「絶対に見せないでね、約束」


「まず、見せたくて見せたりしないし」


「でも、チャン隠すとかしないじゃん」


「だって面倒だし」


「じゃあずっとこのブレスレットしててよ。そうすれば見えないから」


「ジェッソにいる間だけでしょ」


「違うよ。僕の傍にいる間中ずっと、どこに行っても誰といてもね」




これは鎖。

チャンを繋ぐ鎖。

もっとも、君はこんな鎖で繋がれるような子じゃないけど。










† 君の声が聞きたい †

(それでも、僕は君のことを繋いでいたいと思う。・・・なんてね。)



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