† 食べるだけなら平気よ(食べるだけならね) †










「あぁーやっぱり・・・」


「んー?」


「メニュー読めない」


「うん。チャンには絶対無理だと思う」


「絶対とか言うな。もしかしたらイタリア語読めるかもしれないじゃんーーー!!!」


「無理無理」




チャンって不器用そうだし。

てか、不器用だし。

一日見てただけでもかなり不器用だなぁーって思ったし。




「・・・・・・むぅ」


「あ、チャンワイン飲む?」


「飲む!!」


「じゃあワインはこれねー」


「かしこまりました」


「ねぇ、それって白?赤?」


「白ワイン。飲みやすいし、チャンでも大丈夫」


「いや、私お酒は飲めるから」


「えぇー意外意外」


「意外とか言うなぁー」


「だって意外なんだもん。チャン、お酒とか飲めなさそうなのにー」


「飲めますー」




そう、飲めることは飲めるんです。

むしろ、お酒は大好き。

注がれたら注がれただけ飲みます・・・ものすごい弱いけど。




「ふーん・・・あ、あとはこのランチのコースで。チャンのご希望通りパスタもピッツアも食べれるよー」


「やったぁー」


「それでは、少々お待ちください」


「はーい」





















◇◇◇




















あぁーなんか、やっぱり場違いな雰囲気雰囲気。

そりゃ、格好はちゃんとしてると思うよ!

昨日、白蘭サマが買ってくださったワンピース着てるし。

全然周りと格好は変わんない。

でも、ねぇ?




チャンーまた考え事ー?」


「うん、考え事」


「今度はいったい何考えてるのかなぁー?」


「やっぱり場違いだなぁーって思って」


「そんなことないでしょ」


「あるあるありますー」




そうだ、私、一般人だった。

だから、私場違いなんだ。




チャン、全然場違いじゃないよ。ワンピースもよく似合ってるし」


「場違いですよー。だってね、私ってば一般人だもん」


「まだそんなこと言ってるー」


「え?」


チャンはもう一般人じゃありませーん」


「は?」


「だって、うちのファミリーに入ったってことはマフィアでしょ?」


「いや、そうかもしれないけどー・・・・・・ほら、二十何年間一般人だったんですよ、私は」




一日二日で一般人から抜け出せるはずがない!!!

そうだよ、まだマフィア感覚にびっくりできてるんだから!!




「大丈夫大丈夫。誰も・・・チャンのこと一般人なんて言わないよ。僕以外ね」


「あ、白蘭はやっぱり言うんだ。一般人って」


「だって・・・一般人だもん、チャン」


「もう、なんか色々矛盾してると思うんですけど」


「うん、チャンはそのままでいてね。そのほうが可愛いから」




















◇◇◇





















「んっっ美味しいーーーーー!!!」


チャン、声が大きい」


「あ、ごめっ」




ほら、周りの人もびっくりしてるよー。

チャンが大声出すから。

ただでさえ、ここ静かな雰囲気なのにー。




「でも、いいよ。ちょっとくらい大声出しても許しちゃう」


「いや、ホントごめんなさい。美味しかったからつい・・・」


「うん、わかってるよー」


「でも、さすが白蘭のお勧め。美味しい、すごく」


「まだ前菜とスープだよー」


「だって、美味しいものは美味しい」


「まぁそうだね。チャンが美味しいって言ってくれて僕も嬉しい」


「パスタとピッツア楽しみだねー。期待期待」


チャンまた大声出しちゃうかもねー」


「え、マジ?」


「うん。だって、パスタもピッツアも美味しいし」




ホント、美味しいし。

僕が毎週来ちゃうくらいだし。




「お待たせしました」


「うわぁーうわぁー・・・美味しそうー」


「さぁ、どうぞ。いっぱい食べてね、チャン」


「いただきまーす・・・っ美味しい!」


「でしょでしょー。チャンの口にあったようで何より何より」


「ホント美味しいねーパスタもピッツアも」




あ、ホントに美味しそうな顔してる。

久しぶりに見たなぁーこんな風に美味しそうにご飯食べる子。

最近見てたのってご飯よりも僕のこと見てる子が多かったし。

チャンなんてその逆でご飯しか見てない。




「あ、白蘭のほうも一口一口ー」


「え?」


「だって違うやつでしょ?食べたい食べたい」


「あはは・・・ホント面白いなぁー」


「は?」


「そんなこと言われたの初めて」


「はい?」


「あ、いいよ。食べて、好きなだけ」


「あ、ありがと」


「じゃあチャンのほうも一口ちょーだい?」


「あ、うん。どうぞどうぞ」


「食べさせてくれないの?」


「はぁ?」


「食べさせて」


「嫌」


「うわっ即答」


「だってそんなこと、それこそ場違いです」


「あ、なんかチャン正論で反論してきた」


「当たり前でしょ。ただでさえ、なんか注目されてるんだから」


「それはチャンが大声出したからでしょ」


「うるさい」


「あ、そーだ。明日一緒にパーティー行こっか」


「え?パーティー?」


「うん。招待されてたんだけど、迷ってたんだよねー行くの。チャンが行きたいなら連れて行ってあげるよー」


「行きたい!行ってみたい!」


「じゃー決まりね。昨日買ったドレスいきなり着れてよかったねぇー」










† 食べるだけなら平気よ(食べるだけならね) †

(僕が、チャンをパーティーに連れて行きたいなんて思うなんてね。)



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送