† 夢物語だと笑ったことが、今現実として目の前にあった †
「チャーン。どう?よく眠れた?」
「んー・・・なんか落ち着かないんですけど、あの部屋」
「えぇー」
「まぁ多分慣れるけど」
「そっかそっか。じゃー大丈夫だねー」
「あ、あのね・・・買い物行きたい」
「ん、いーよ。何買いに行くのー?」
「化粧品とか・・・その他諸々。できれば一人で行きたいなぁーって」
「それはダメ」
「えぇー」
「一人では危ないよ。まだ、イタリア二日目だし」
「でも・・・ほら、男の人とじゃ買いにくいものだってあるし」
色々と女の子には事情があるんです。
てか、普通に買いにくいもん。
下着とか、下着とか、下着とか・・・!
「んーなんで?」
「は?」
「大丈夫。僕は気にしないし」
「私がするの!私が気にするの!!」
「ほら、じゃーコート着て。出かけるよー」
「人の話を聞けーーーー!!!!」
「はーい。ちゃんと聞いてるよー」
「うそだぁぁぁぁーーーー!!!」
◇◇◇
「チャン、ランチはどうする?」
「パスタとピッツア!本場の味!」
絶対食べたい、食べてみたい!
・・・って、なんか・・・普通に旅行に来てる気分。
ヤバイ、呑気すぎる・・・自分。
「じゃあ僕のお勧めのお店に連れて行ってあげる」
「・・・・・・高級イタリアンの店に連れて行かれそうな気がする・・・」
「うん。そーだよ」
「あぁーまた出た。マフィア感覚ーーーー!!!」
怖いよー。
しかも、絶対メニュー読めない気がする・・・!!
値段とかもわからないまま、白蘭が注文してくれた料理を食べることになるんだよ・・・!!
で、お会計のとき値段言われて唖然とするんだよ!!
あぁー・・・マフィア感覚についていけない・・・
「大丈夫大丈夫。チャンは食べて飲んでればいいだけだから」
「やっぱりそうですか!うぅー・・・今日は諦める」
人生諦めが肝心・・・な時もあるよね。
よし、諦めよう。
「あははーっチャン学習したねー。偉い偉い」
「あぁームカつくムカつく」
「まぁ大丈夫。今回連れて行こうと思ってるところは割りとリーズナブルだから」
「白蘭サマのリーズナブルは信用しませーん。っていうか、できませーん」
だって、昨日買ってくれた服を白蘭サマは安いって言いやがりましたからね!
だから、全くもって信用できません。
「えぇー。二人でも一万以内だよー」
「マジ?」
「うん、マジ。ワインとかデザートとか込み・・・というか、コースだけどそんなお値段」
「高いけど、高いけど・・・思ってたよりも高くない・・・!」
だって、二人で一万以内!
それくらいだったら、私でも頑張れば出せる!
・・・あぁ!でも、ここイタリアだった。
私、白蘭がいなかったらのたれ死ぬ運命だった・・・!
私だって出せるなんて言ってごめんなさい、無理でした。
「でしょでしょー。安いのに美味しいなんてお得お得」
でも、きっとマフィア感覚からしたら安いんだって。
安いんだって信じてる・・・!!
あぁ・・・もっと、庶民的なマフィアに逢いたいなぁー。
ボンゴレ10代目とか、ボンゴレ10代目とかボンゴレ10代目とか!
でも、もしかしたらボンゴレ10代目ももうマフィア生活に慣れて庶民感覚なんてないかもね!
ジェッソにもいたらいいのに、庶民感覚のマフィア!
「ほら、チャン。行くよー」
「行きますよ、行きます!もうどうにでもなれってやつですよーっだ!!」
† 夢物語だと笑ったことが、今現実として目の前にあった †
(そうだ、どうにでもなれ。人生楽しまなきゃ損!!)
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