† 「これは夢だよね?」あまりにも現実離れした光景に、そう問うことしか出来なかった †










「白蘭サーン。結局、正チャンに逃げられたんですけど」




うまく逃げられたような気がするよ!

よし、今度奇襲かけに行かなきゃね。

嫌がらせ万歳。

だって、私ちょっぴり正チャンのこと嫌いなんです。

・・・・・・白蘭と近い存在だし。

そりゃ、お互いの思惑交錯してるのも知ってるんだけど!!

でも、近いことに変わりはない。

それってずるい、ずるすぎる。




「だねー。外にお茶しに行こっか」


「一応言っておくけど・・・奢ってくれなきゃ無理です」




何でも言うけど一文無しです。

お茶一杯飲むことも不可能です。




「もちろん。僕、女の子に奢ってもらう趣味ないから」


「あ、そーですか。確かに、綺麗なお姉さんには奢ってもらってそうだもんねー」


「うん」


「うわっ否定しやがらないよ、コイツ」


「だってチャンに嘘つきたくないし。って言うか、嘘ついても仕方ないし」


「まぁいいや。白蘭サンの女性遍歴なんて聞いても聞いても尽きないだろうし」




両手でも足りないだろうし。

一日語りつくしてもらっても足りないだろうし。

・・・っていうのが、私の勝手なイメージ。




「えぇーそんなことないよー」


「そんなことありますー。なかったらおかしいですー。白蘭だもん」




毎日毎日とっかえひっかえ違う女でもいけちゃうような顔してるし。

おまけに、マフィアのボス様だし。

ジェッソの規模はいまいちわかんないけど。

でも、この顔があればきっと毎日とっかえひっかえでもいけちゃうよね。




チャン僕を買いかぶりすぎだよー」


「そんなことないない。白蘭のこと買いかぶってなんかないんだから」


「そこ、可愛く言うのなんか変だから」


「いーじゃん、たまにはツンデレ風でも」




一時流行ったじゃん、ツンデレ。

イタリアで流行ったかは知らないけど。

うん、でも白蘭なら知ってるって信じてる。




「ホント、チャンって面白いよねー」


「えぇー?」


「あ、そうだ。お茶のついでにチャンの服でも見にいこっか」


「あ、いーの?必然的に買ってもらうことになること絶対なんだけど」


「うん、いーよ。いっぱい買ってあげる」


「なんか援助交際みたい」


「へぇーじゃあチャンは何をお返ししてくれるのかなぁー?」


「んー・・・じゃあ、私の愛情あげちゃう」


「は?」


「純愛も歪んだ愛も、憎しみも全部まとめて白蘭にあげちゃう」




全部、ぜーんぶあげちゃおう。

きっと、歪んだ愛もいっぱいだし。

愛憎もいっぱい。

純愛なんてほんのちょっぴりかもしれないけど。

むしろないかもしれないけど。




「あははっなんか面白いからもらっちゃう」


「返品不可だからね」


「うん、わかったー。返して、って言われても返さないから」


「え、やっぱりやめておいてもいい?」


「ダーメ」


「んーまぁいっか。白蘭が欲しいならあげちゃう」


「・・・やっと笑ったね」


「・・・・・・え?」


「やっぱり、チャンは笑ってるほうがいいよ」


「なっ」


「ねぇ、チャン。あんまり無視しないようにね?」


「白蘭?」


「ん?どーしたのー?」


「・・・なんでもない」




・・・変なの。

正直、びっくりしてる。

こんなに、優しくされて・・・あの白蘭に。

白蘭の手がこんなにあたたかいなんて。




「じゃあ、そろそろ行こっか?」


「う、うん!」


「まずどこ行く?服でも見に行く?」


「い、行く!行く!」










† 「これは夢だよね?」あまりにも現実離れした光景に、そう問うことしか出来なかった †

(頭撫でられるのって子ども扱いされてるみたいでイヤだったけど・・・白蘭にされるの嫌じゃなかった。)



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