† 痛いかどうかは転んで見ないとわからない †










「てか、やっぱりチャンが紅茶淹れればいいんだと思うよー」


「その言葉、そっくりそのままお返ししまーす」




白蘭サンに呼び止められて部屋に入れば・・・

知らない女性っていうか女の子。

さも当たり前のようにソファーに座ってる。

なんていうか・・・ものすごい度胸の持ち主だと思う。

だって、目の前には白蘭サン。

このジェッソファミリーのボスである人間。




「あの、ひとついいですか」


「正チャン紅茶淹れてくれる気になった?!」


「いえ、そうじゃなくて」


「むぅー紅茶淹れて欲しいのにー。ロイヤルミルクティーが飲みたいー」


「ほら、やっぱりチャンってば我侭だー」


「なっ・・・そんなことないもん!」


「そんなことあるよーさっきからロイヤルミルクティー強請ってるし」




しかも、このサンという人は・・・

妙に白蘭サンと親しげ。

なんていうか・・・すごい、状態だと思う。

しかも、この人を連れて着たのも白蘭サンで、サン曰く拉致されたらしい。

・・・まぁ、白蘭サンなら拉致とか普通にしそうだけど。




「いーじゃんー。私、お客さんだよー」


「だから、僕はボスだよー」


「知ってるしー。ボス様自ら客人に紅茶淹れるといいんだよ、きっとそうだよ!」


「普通はー自分より地位が低い人が紅茶淹れるもんじゃないのー?」


「私、多分白蘭より地位、低い?正チャン、私の地位低い?」


「低いと思います」




いや、絶対低いです。

だって、仮にも白蘭サンはジェッソファミリーのボスです。

それに引き換えサンは・・・正直意味がわかりません。




「とにかく!私、触るの怖いから無理!紅茶の茶葉から淹れる方法なんて知らない!」


「てか、サンって・・・何者なんですか?」


「ただの一般人です」


「はぁ?」


「いや、一般人だなって。ホント一般人。いたって普通の女の子って言っていい年齢ではないだろうけど」


「じゃあなんで一般人のあなたが、マフィアのファミリーなんかに入ってるんですか?!」


「だから、白蘭サマに強制連行されてー。マフィアとか関わる予定なかったんだけどねー」


「まぁ普通はないと思います」


「でしょ。まぁ行くあてもなかったから助かったといえば助かったんだけどねー」


「そうそう。僕がチャンのこと拾ってあげなかったらチャンのたれ死んでたもんねー」


「うわぁーそれは否定できない」


「なんですか、それ」


「だってチャン一文無しだもんねー。一人じゃ絶対生きていけないもんねー」


「その通りですよーコノヤロウ」


「・・・・・・すみません。なんか会話するの疲れてきたんで続きはまた後日でお願いします」




もう、疲れた。

なんか、正直意味わからないし。

白蘭サンにしろ、サンにしろフリーダムな雰囲気だし。

とりあえず、こういうタイプは疲れる・・・

出来る限り関わりたくない、関わらないでおこう。




「あっちょっと正チャン!」


「続きはまた今度聞くんで」


「紅茶は?紅茶!」


「・・・・・・白蘭サンに淹れて貰って下さい。僕は缶コーヒー派なんで」


「だから、白蘭も動こうとしないんだってばー」


「じゃあサンが淹れればいいじゃないですか」


「正チャン、私の話し聞いてた?!私、怖くて触れないんだってば」




あぁ、めんどくさい。

白蘭サンもめんどくさい人だけど・・・

サンも相当めんどくさい人。




「聞いてました。でも正直めんどくさいんで、今すぐ部屋に帰らせてください」










† 痛いかどうかは転んで見ないとわからない †

(あーやっぱり白蘭サンが連れて着た人は厄介な人すぎる。)



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