† 現実も夢も、辛ければ涙を流す †










「あ、とりあえず紅茶でも飲む?」


「飲むー。ロイヤルミルクティーで。あ、気分的に蜂蜜入りの甘めでよろしく」


「え、僕が淹れるの?」


「え、違うの?」



「「・・・・・・」」



「ほら、私、お客さんだし?」


「僕、ここのボスなんだけど」


「いーじゃん。紅茶淹れてよー。私、ティーパックしか淹れたことないんだから」




りぷとんサンとかのティーパックしか使ったことないです。

お湯を注げばすぐ紅茶が出来上がります。

でも、ここに恐らくそんな便利な紅茶は置いてないとみた。

よって、私は動きませーん。




「・・・やっぱりチャンってすごいや」


「えぇー?」


「まさか僕に紅茶淹れさせる人間が現れるとは思ってもいなかったよー」


「だってほら、ジェッソファミリーだし。マフィアだし」


「何それ」


「・・・・・・ほら、お高いティーカップとか置いてあったりして割ったら嫌じゃん」


「別に割っても怒ったりしないよーカップの一つや二つ」


「私が嫌なの!罪悪感にさいなまれる!!!」




しかも、無駄に高すぎて新しいの買い換えて返すとか無理だろうし。

できないことはないけど・・・ほら、私財布にお金入ってる分しか持ってませんよ。

たいして持ってません。

てか、日本紙幣使えるの?!

まず、この世界と私がいた世界で同じ紙幣とも限らないじゃん!!

つまり・・・・・・私ってば一文無しってやつ?




チャンー百面相してるよー」


「ちょっと待って、今考え事してるから」




一文無しってことは・・・とりあえず生活できない。

てか、ジェッソファミリーって給料制なのかな?

っていうか、私に給料って払われんの?!

口座とか持ってないとだめ?現金そのまま手渡しとかそんな優しさあるの?!

・・・その前に、私、服とかその他諸々どうすればいいわけ?




チャンーそろそろ考えまとまったー?」


「・・・白蘭サマ」


「んー?」


「私、どうすればいい?」


「いや、僕に聞かれても困るんだけど」


「ねぇ、どうしたらいいんだろ?!私一文無しじゃない?!どうしようもなくない?!」




・・・とりあえず、住むところはここにしよう。

うん、決定。

だって、私は今からジェッソファミリー。

あぁーでも一ヶ月お試し期間だった!!!

白蘭が飽きたら私、外に投げ出される?

一ヶ月だと給料払ってもらえるかも微妙じゃん?!

手切り金とかくれるのかな?!

てか、そもそも給料制なのかな?

だって、宗教チックだよね?ジェッソもミルフィも!

ってことはむしろ、私がお支払いしなきゃいけないとか?!




「あはっチャンそんなこと考えてたのー?」


「そんなことって・・・!私には重要なことなの!」


「大丈夫大丈夫。チャンは僕が養ってあげちゃうから」


「は?」


「服も買ってあげるし、もちろんご飯も一緒に食べようね。後は・・・あ、もちろんここに住めるよ」


「いや、ちょっと待て白蘭サマ」


「それに・・・他にも欲しいものとかあったら買ってあげる。女の子だし色々ものは要りようだもんねー」


「・・・・・・いいの?」


「うん。その代わり・・・チャン、僕から逃げられなくなっちゃうけどねー」


「あ、それは困る」


「えぇー普通そこは可愛くお願いしてくれるんじゃないのー?」


「そういうタイプじゃないんで、残念ながら」


「大丈夫。チャンなら可愛くおねだりしてくれるって僕は信じてる」


「ム・リ」


「えぇー」


「てかさぁー白蘭サマ。紅茶はどーなったの?私にロイヤルミルクティー」


「んー廊下に誰かちょうど都合よく歩いてないかなぁー・・・あ、いた」




白蘭サマは誰かを発見したようです。

よかったよかった。

これで無事紅茶が飲める感じ。




「正チャンーちょっと着てー。すっごい急用があるんだけどー」




おぉ?!

正チャンってあの正チャン?!

色々可哀想な正チャン?!

結局、白蘭にばれないようにこそこそ動いてたのにばれちゃってた正チャン?!

ボンゴレに入っちゃうことになる正チャン?!




「・・・なんですか、急用って」




あ、ホントに正チャンだ。

メガネな正チャンだ。

メガネ男子だね!




「えっとねー。この子、チャンって言うんだけどさぁー我侭で我侭で」


「ちょっと待て!!!私がいつ我侭言った?!」


「えぇーさっきからずっと我侭言ってるじゃーん」


「言ってない!断じて言ってないつもりでいるんだけど!」


「・・・・・・誰ですか?」


「あ、どーも。初めまして、と申しますー」


「あ、ご丁寧にどうも。入江正一です」


「よろしくねー正チャン」


「はぁ・・・こちらこそ。っていうか、誰ですか?」


「いや、だからって・・・」


「いや、名前じゃなくて」


「あー・・・えっとね、強制連行拉致られてうわぁーびっくり、みたいな?」


「はぁ?!」


「いや、だって・・・なんか、いきなり強制連行決定で、自家用ジェットでイタリア来ました」


「すみません、意味がわかりません」


「私だってわかんないし。このボス様に聞きやがってください、私は拉致られて強制ファミリー入り、一ヶ月限定」




なんとなく、ずっといそうな予感がして仕方ないけど。

だって、周りはみんな知らない人ばっかりだし。

っていうか、一方的に知ってるだけだからなかなか自分から逢いに行くなんてことできないし!

だからおとなしくジェッソにいる予定なんですー。

・・・白蘭に飽きられたらしっかり終わるけど。

ジ・エンド・オブ・ワタシ。




「なんですか、一ヶ月って」


「いやぁーそこの白蘭サマがお試し期間ってことで一ヶ月間くれまして」


「だってチャンなかなかうちのファミリーに入ってくれないんだもーん」


「で、ジェッソが気に入らなかったら一ヵ月後に逃がしてくれるそうでーす」


「でも、逃げても捕まえるまで追いかけること決定してるんだけどねぇー絶対に逃がしてあげない」


「あはっマジ怖いよねー」


「・・・なんか、もう勝手にしてください・・・」


「いや、正チャン。突っ込みは必要だよ、ものすごっく。てか、紅茶も是非、ロイヤルミルクティーが飲みたいんです」


「自分で淹れてくださいよそれくらい・・・」


「無理だって。ここのティーカップとか高級そうなんばっかじゃん」


「大丈夫ですって白蘭サンが勝手に買ったものですし」


「うわぁー正チャンさり気にヒドイこと言うなぁー」


「白蘭サンの部屋の備品が潰れようが僕にはなんの関係もありませんから」




正チャン、なんか強いぞ!

頑張れ!

今だけちょっと応援してる!










† 現実も夢も、辛ければ涙を流す †

(でも、なんていうか・・・ちょっと結末知ってるっていうのは辛いなぁ・・・)



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