† ようこそ、この狂った世界へ そしておめでとう、今日から君も狂った住人の仲間入りだ †
「で、白蘭サマは私をマフィアにしてくださるとでも言うんですか」
「うん。僕のファミリーに勧誘しちゃう。てか、そろそろ退いてくれない?」
「え、あ、うん。ごめんなさい」
すっかり忘れてました!
そうだよ、私ってば・・・あの白蘭サマの上に落ちたんだった。
でもってそのまま会話継続。
「んーん。君、軽いから全然乗っててくれてもよかったんだけどねー」
「いや、うん、なんかホントごめんなさい。いきなり落ちてくるとかもうどうしようもないよね」
普通だったら死ぬ。
衝撃が絶対強すぎて死ぬ。
私だったら間違いなく死ぬ。
さすが白蘭サマ。
白蘭クオリティだね!
「あははっなんか面白いや」
「は?」
「とりあえず、強制連行決定ー!ホントに連れて帰っちゃおーっと」
「はぁ?!」
「あ、君の名前は?」
「なんで名乗んなきゃいけないのよ」
「だって名前知らないと色々困るでしょ?」
「困んないし。てか、私まだマフィアになるなんて言ってないんだけど!!」
可愛くないなぁー私。
名前だってすぐに名乗っちゃえばいいのに。
でも、そんなことできなくて。
つい、可愛くない言葉を口走る。
「んーまぁ、名前は無理やり言わせればいいし。強制連行は決定済みだし」
「うわっ?!ちょ、ちょっと?!」
「ホント軽いよねー」
「ちょ、いきなり担ぐな!!!」
「君、ちゃんとご飯食べてる?」
「え、食べてるけど」
「もうちょっとカロリーとか高いもの食べたほうがいいよー」
「えっと、って、ちょっと降ろして!降ろせ!降ろしなさーい!!!」
「いーや。だって降ろしたら逃げるでしょ」
「当然!てか、今すぐ大声出してやればいいんじゃ・・・!!」
「あーそんなことしたら・・・君のこと殺しちゃうよ」
白蘭はにっこり笑顔でそんなことを言いやがった。
1トーン下げた声で。
その声と笑顔だけで私は殺されてしまいそう。
「君なんてきっと一瞬で殺しちゃうだろうねぇー」
「なっ」
そう言って、悪魔はまた笑った。
それこそ、もしここで身動き一つ取れば一瞬で殺されそうな笑顔。
やっぱりこの男、怖い。
何考えてるかわかんないし。
「あ、おとなしくなった」
「・・・・・・」
「うん、偉い偉い。ちゃんと自分の置かれてる状況がわかってる子は好きだよ」
「わ、私これからどうなるの?」
「んーさっきから言ってる通り、僕のファミリーの一員になるんだよー」
「私、一般人だから!!」
「うん、明らかに一般人って顔してるよねー」
そうですよ。
一般人ですよ!
マフィアとは全く無縁な世界の人間ですよ。
・・・うん、多分。
何が起こるかわかんない世の中だけど。
でも、私自身は恐らくマフィアと関わる可能性は交通事故に遭うよりも低い可能性のような気がするよ!!
「だったら!」
「でも、なんとなく君のこと気に入っちゃったし」
「なっ?!」
「あ、赤くなったー」
「う、うるさい!」
「それに、君は僕のこと知ってるみたいだしね」
「そ、それは・・・!」
知らないと言えば嘘になる。
それに、今までもずっと知ってるような言動を繰り返してきちゃったし。
今更なかったことにもできない。
「あー別に君がなんで僕のこと知ってるかとか聞くつもりないから」
「え?」
「君も答える気、ないでしょ?」
「・・・・・・うん、それはそーだけど」
「んー?もしかして無理やり吐かせて欲しい?」
「遠慮させてくださーい」
† ようこそ、この狂った世界へ そしておめでとう、今日から君も狂った住人の仲間入りだ †
(やっぱり、この男何考えてるかわかんない!白い悪魔め・・・!)
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