† 愛しいって気持ちと憎いって気持ちは結構似てるんだよ? †
君が好きだよ、好きだよ・・・好きだよ。
だから、仕方がないんだよ。
◇◇◇
「ボス!お逃げください!!」
「え?」
「侵入者です!ボス、早く・・・!!」
ノックもなしにファミリーの一人が入ってきたと思えば・・・そう言った。
侵入者・・・
「ボス!こちらに!!」
「ちょ、ちょっと待って!一体何が?!!」
「侵入者です!今あなたを喪うわけにはいきません!急いで!!」
痛いぐらいに掴まれた腕。
急かすように部屋を飛び出す。
ドアの向こうには・・・
「白、蘭?」
「あ、チャン。やっと見つけたよー」
あの時と同じように笑顔を見せた白蘭は、その笑顔のまま私の腕を掴んでいたファミリーを撃った。
◇◇◇
「どう、して・・・?」
声を震わせて言葉を紡ぐチャン。
チャンの周りには屍の山、山、山。
屍は全部、チャンのファミリーの人間。
「様!!!」
「あ、君ってこと前のパーティーでチャンと一緒にいた人だよねー?」
「・・・ジェッソファミリーのボス、白蘭、様・・・ですか?」
「うん、正解」
「白蘭、どうしてこんなことを・・・!!!」
「だって、チャンのこと欲しくなっちゃったからー」
「え?」
「僕、君が欲しいんだよー」
だから、チャンの周りの人間をみんな殺しちゃうんだよ。
もちろん、僕からチャンを庇うようにして立っている彼も、ね。
「様、ここは自分が・・・!!」
「駄目!」
「駄目ではありません!!」
「だめっやだやだっ!あなたまで死んでしまったら・・・!!」
「我がボス。自分はあなたに忠誠を誓った身です」
「しかし・・・!!!」
あれー・・・?
なんか僕、無視されてない?
そんなことされちゃったら傷ついちゃうなぁー・・・
パーンッッッ
部屋中に響き渡る銃声。
撃ったのは僕。
撃たれたのはチャンを最期まで守ろうとした彼。
うん、彼にとっては一番幸せな死に方だよねー。
「い、いやぁぁぁぁぁぁーーーー!!!」
チャンの悲痛な叫び声。
「どうして・・・?!どうしてこんなことに・・・?!」
どうして?
そんなの決まってるよ。
僕は君を愛してるから。
君から全てを奪ってしまうほど、君を愛してるよ。
† 愛しいって気持ちと憎いって気持ちは結構似てるんだよ? †
(君の全てを奪えは君は僕のもの。)
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