† 悔しいんですよ、何も出来ない自分が †










「何でよ」


「落ち着け、


「落ち着けない」


「落ち着けって」


「無理、絶対無理」




何よ、意味わかんない。

私の気持ちなんて、誰も知らないはずなのに。

誰も、わかってないのに。

なんで、関係ない人間に其処まで言われなきゃいけないのよ。

わけわかんない。




「落ち着け」


「・・・・・・や、触んないで」


「や、じゃない」




その言葉と同時に、雅治に抱きしめられる。

でも、嫌。

今の私は醜くて、汚れてる。




「やだってば・・・」


「本当に嫌なら突き飛ばせばいいじゃろ?」


「・・・・・・」




雅治は、ずるい。

ずるい、ずるい、ずるい。

私に出来ないことを知ってるくせに・・・そんなことを言う。




「ホントに嫌?」


「・・・・・・」


「嫌?」


「・・・、じゃない」


「もう一回、ちゃんと言いんしゃい」


「や、じゃない・・・」


「ん、宜しい。それが・・・俺的に嬉しい正解じゃ」


「ばか、ばか、ばーか」




















◇◇◇




















は決して、強くない。

強がってるだけ。

弱い自分を見せないように。




「しかし・・・誰じゃ、こんなことする暇人」




俺の手にはのノート。

しかも、ボロボロになって、落書きって言うか色んな言葉が殴り書かれている。

死ねとか、ブスとか、・・・そういう罵声の言葉。

っていうか、は可愛ぇのに・・・

僻みか?




「さぁ?恨みなら死ぬほど買ってる自信あり」


「そんなこと、自信持って言うな」


「だってー・・・」




やっと、笑った。

が笑った。

俺は、嬉しい。




「売られた喧嘩は買うものだし」


「ん、そりゃそーじゃ」




、結構喧嘩っ早いし。

まぁそんなトコも好きじゃけど。




「ノート新しいの買わなきゃ」


「俺のやろか?」


「ん、いらないー詐欺師のノートは色んな意味で怖い」


「それは残念。じゃあ、今日一緒に部活帰りに買いに行こ?」


「んー・・・そうする。ないと困るし」


「ついでに今日までの分、コピーする?」


「する」


「じゃあ、部活帰りにな?」


「んー・・・了解」









† 悔しいんですよ、何も出来ない自分が †

(はいつでも可愛ぇよ。)



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