†　無理だと分かっていても、なお繰り返す　†










｢なぁ、ー｣


｢ん？｣


｢何で昨日はメール返してくれなかったんだよー｣


｢あー・・・ん、ゴメン｣




昨日は確か・・・

そうだ、面倒だったんだよねぇ・・・




｢俺、待ってたんだぜぃー｣


｢メール返ってくるの？｣


｢そ｣


｢そっか、ゴメン｣


｢や、そんな謝んなよなぁ｣


｢だって、返さなかったし｣


｢ってメール嫌いだったりする？｣


｢んーどうだろ。タイミング勝負｣


｢はぁ？｣


｢メールってね、タイミングが大事なの｣




タイミングが良かったら、全然ＯＫ。

顔文字とか絵文字とか使って返すし。

でも、タイミングが悪かったら素っ気ないか・・・

あるいは、無視。




｢タイミングが悪かったら無視しちゃう｣


｢・・・・・・｣


｢昨日もそう、タイミング悪かったの。素っ気なく返すよりマシかなぁーって｣




素っ気なく返して、嫌な思いさせるのも嫌だし。

相手が嫌な思いするのが嫌・・・なんてキレイ事。

ただ、自分が傷つきたくないだけ。




｢素っ気なくてもいい｣


｢え？｣


｢ホント、一言でもいいからー・・・メール返してくれぃ？｣


｢何で？｣


｢・・・が生きてる証だろぃ？｣




生きてる証・・・か。




















◇◇◇




















逢えない時間が不安。

メールが途切れた瞬間が不安。

不安なんだよ、俺は・・・




｢俺、いつでも待ってるからさ｣


｢私、気紛れなんだよー｣


｢知ってる｣




そんなこと、知ってる。

俺を甘く見るなよ。




｢だったら・・・｣


｢それでもいい｣


｢・・・・・・｣


｢気紛れでもいい。ただ、ちょっと気分が変わったときにでも返してくれればいいんだって｣




お前が気紛れだってこと知ってる。

別にいいんだって、それで。

俺は、嫌じゃないから。




｢ホントに気紛れだよ｣


｢おう｣


｢多分、メール返さない時もあるよ｣


｢覚悟してる｣


｢でも・・・なるべく返す｣


｢おう☆｣




メールが嫌いだって前に言ってた。

でも・・・何となく、違うんじゃないかって思ったんだ。

メールが嫌い、じゃなくて・・・

タイミングが悪いのが嫌いなんじゃないかって。




｢俺の天才的なタイミングの妙技を楽しみにしてろぃ☆｣


｢妙技って関係あるのー？｣


｢・・・・・・｣


｢まぁ・・・楽しみにしてる｣









†　無理だと分かっていても、なお繰り返す　†

(一言でもいい、俺に応えて欲しい。)

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