† 泣かない泣けない †










、ダメじゃ」


「や」




雅治にカッターを奪われそうになって、思わず強く手首を切ってしまう。

別に、強く切ってしまっても構わない。

こんな私なのに、血は、赤い。




!!」


「何?雅治」


「おま・・・っ」


「別に、大丈夫だよ」




痛みがないわけではない。

でも、麻痺してる。




「カッター渡しんしゃい」


「・・・ん」




素直にカッターを渡せば、哀しそうな雅治の顔。

また、させちゃった。




「ま、雅治?!なにやってんの?!」


と同じこと」




私の血のついた刃物が雅治を傷つける。

流れる、赤い血。




「馬鹿!!」


「お前もな」


「とにかく、止血、止血!!」


「別にいらん」


「何言ってんの。止血しないと、血が流れてるんだから」


の止血が先じゃ」


「私はいいの」


「じゃあ、俺もいい」


「・・・・・・」


「なぁ、


「・・・何、よ」


「笑って?」


「はぁ?」


「笑って」


「・・・・・・ばーか」




血に濡れた手首が重なった。

その瞬間。

私はきっと、笑ってた。

雅治も、笑ってたから。




















◇◇◇




















自分を傷つけるのは、泣かない為。

涙を流す。

その代わりに・・・

血を流す。




「もー止まんないじゃん」


「・・・・・・」




器用に俺の手首に包帯を巻き始める

自分の手首のことは放っておいて。

っていうか・・・持ち歩いちょるんじゃね、包帯。




「ん?包帯持ち歩いててびっくり?」


「エスパーか?」


「まさか、雅治の顔にそう書いてあっただけ」




顔に書いてある、・・・か。

・・・詐欺師が聞いて呆れるのぉ。




「心配性の精市に持たされてるだけ」


「あーなるほど。納得じゃ」


「自分じゃ使わないけどねー」




そういや、俺も前に渡されたのぉ・・・幸村に。

包帯、というか・・・救急箱もどき。

全てはのために。




「なぁ・・・」


「ん?」


「泣いてもいいんじゃよ」


「・・・泣かないよ」




何故、なんて聞かせない瞳。




「泣かない、泣けない。決めたから」


「・・・・・・そーか」




が自分で決めたことじゃ。

俺が揺るがすことも出来ない。

最も・・・揺るがす気もない。




「でも・・・ちょっとの泣いた顔、見たい」


「ははっ顔ぐちゃぐちゃだよ、絶対」


「泣きたくなったら、俺のトコ来て?」


「んー・・・考えとく」









† 泣かない泣けない †

(の血って真っ赤で俺は結構好きだったりする。)



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送