† 机に刻まれた言葉 †
「何してんの?雅治」
「落書き」
「人の机に?」
「そ」
「って言うか、彫ってるじゃん」
「怒られるとよ、」
「うわ、ヒド」
雅治が座ってるのは私の席。
カッターナイフ持参で何か彫っているもよう。
しかも、私の机だから自然に先生に怒られるのは私。
詐欺師、降臨。
「ねぇーなんて彫ってるの?」
「後から見てのお楽しみじゃ」
「えぇーヤダ、今見る」
無理やり雅治を退かせてみれば、見事に刻まれてる文字列。
うわぁーこれは先生に怒られる。
っていうか、メッチャ恥ずかしい。
ラブ。なんて。
「雅治サーン、これどうしろと?」
「ん?受け取って」
「意味不明ー」
「、好とぉよ」
「ん」
詐欺師の言葉なんて信じない・・・なんて嘘。
雅治のこの言葉、嘘じゃないって知ってるから。
今は隠れてる手首の傷。
コレが増えるたびに、雅治は好きの言葉を紡ぐ。
「手、痛とぉない?」
「大丈夫」
「ちゃんと毎日消毒しちょる?」
「ん、景吾がしてる」
「そーか」
「雅治・・・過保護」
「知っちょる」
「ばーか」
「ん」
「・・・ありがと」
◇◇◇
少しでも笑ってくれたらいい。
だから、俺はを構い続ける。
どんな些細なことでも。
どんな大変なことでも。
俺は厭わない。
「でも、どーしてくれるのよ、雅治」
「さーどうしようかねぇ?」
「そうだ、雅治の机と交換してよねー」
「イヤじゃ」
「えーなんで?」
「俺がラブだってことがバレる」
「いいじゃん、バレたって」
「だーめ。恥ずかしいから」
「うぅーそう言ったって本当は先生に怒られるのが嫌なんでしょー!!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・帰りにドーナッツ奢って?」
「ミスド?」
「そう、帰りにね。それで許してあげる」
「りょーかい」
また笑った。
が笑う。
今の俺にはそれだけで十分。
「さーて、じゃあ行きますか」
「どっか行くん?」
「ん、ちょっと仕返しに」
「仕返し?」
「そうー・・・雅治、覚悟しなさい!!」
「ダーメーじゃ」
俺の机の方に行こうとしたを捕まえる。
仕返しとか、覚悟とか言われたらだいたいしようとしていることは想像できる。
は詐欺師に向いちょらんね。
「離せー!!」
「ダメじゃ、俺の机は彫らせんよ」
「えー・・・仕返しさせてよねー!!」
「ミスドで我慢しんしゃい」
「詐欺師・・・!!」
† 机に刻まれた言葉 †
(まぁ、が俺の机に雅治ラブって書いてくれんならそれはそれでいいんじゃけどね。)
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