† 美味しい物をおいしいと思えることが幸せ †
「遅い!!」
「ご、ゴメンね、ちゃん」
「あーは悪くないから」
「でも・・・」
「いいのいいの」
「はーい」
「、ほれ」
「ありがと」
仁王から渡されるのは缶の紅茶。
あたしがわざわざ頼んだもの。
っていうか、この二人って・・・ホント微妙だよね。
周りから見れば二人の気持なんて一目瞭然で・・・
でも、この二人はそれに気付いてない。
はともかく、仁王までねぇ・・・
「精市くん、はい」
「ありがとう、」
あっ幸村ズルイ。
に缶コーヒー渡してもらってるし。
って言うか、仁王!
女の子って言うか、に缶持たせちゃダメでしょ。
「はい、の」
「ありがとう、雅治くん」
「それと、これ。チーズケーキ」
「あっ!ありがとう!」
うわぁ・・・眩しい笑顔。
の笑顔は本当に自然な感じ。
嫌味とか、そんな感情が全然表れてない。
見てて・・・幸せになれちゃうような笑顔。
この笑顔に仁王もやられたんだろうねぇ・・・
「早速食べてもいい?」
「弁当は?」
「んー・・・お弁当よりもコッチが食べたい。ダメ?」
「ううん、嬉しい」
「じゃあいただきまーす」
なんていうか、仁王も嬉しそうだし。
と関わるようになってから・・・
仁王って結構素直に笑うようになったんだよね。
みんな言ってることだけど。
「んー美味しいー!!」
「そうか?」
「うん!すごく美味しい!雅治くんすごいすごい!!」
「、一口ちょーだい?」
「ん、ちゃん。どーぞ」
「ありがと」
・・・仁王。
そんな羨ましそうな顔しないでよ。
あたしが悪いことしてるみたいじゃん。
何?との間接キスが羨ましいわけ?
あの仁王が?!
「ねっ、ちゃん、美味しいよね?」
「・・・なかなかいけるじゃん」
「どうも」
「、甘いものもいいけど・・・ちゃんとお弁当も食べなきゃダメだよ?」
「・・・・・・はぁい」
「はい、。あーんして?」
「あーん」
幸村、色んな意味で嫌がらせに見えるよ。
っていうか、仁王が固まってる。
「ありがと、精市くん」
「どう致しまして」
「・・・・・・やっぱり幸村もも敵じゃ」
やっぱ、仁王変わりすぎ。
あたしと幸村を敵扱いなんてねぇ・・・
今までそんなことなかったし。
まぁ・・・いっか。
† 美味しい物をおいしいと思えることが幸せ †
(が笑ってるしね!・・・でも、まだ仁王には渡さないから!!)
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