† 諦めたくないよ 好きなんだから †
「ぜーったいに俺!」
「諦めんしゃい」
「嫌ッス!仁王先輩ばっかズルイ!!」
行き道も・・・
先輩が買いものに行った時も・・・
肝試しの時も・・・
先輩の一番近くにいたのは、仁王先輩。
ムカつく。
「仕方ないじゃろ?」
家が近いから・・・そんな正当な理由ズル過ぎる。
「俺だって先輩送りたい!!」
「でも、赤也くんの場合遠回りになっちゃうよねー?」
「確かに赤也の家は遠回りになるな」
柳先輩!
俺の恋路を邪魔しないで下さいよー!
「全然大丈夫ッス!」
先輩と一緒にいれるならそんなこと苦にならないし。
先輩と一緒にいると癒されるし。
いいことばっかじゃん。
「うーん・・・じゃあ一緒に帰ろう?」
「いいんですか?!」
「うん、いいよー」
「俺は?」
「雅治くん?」
「俺も一緒でいいかのぉ?」
「うん、もちろんいいよー」
「じゃあ荷物とってきんしゃい」
「うん、精市くんとちゃんに挨拶もして来るー」
ガーン・・・ッッ
やっぱり仁王先輩も一緒なんッスね・・・
まぁこればかりは仕方ないか・・・
でも、やっぱり意外だなー仁王先輩がこんな行動だなんて。
「ねぇ仁王先輩」
「何じゃ?」
「・・・本気、なんッスか?」
「さぁな?」
「はぐらかさないで下さいよ!!」
「お前はどうなんじゃ?」
「俺は・・・」
正直わからない。
自分の気持ちがどうなってるかなんて・・・
でも、言えることがある。
一緒にいたい、幸せになって欲しい。
先輩には笑っていて欲しい。
「わかんないッス」
「そっか」
「でも・・・俺だって先輩と一緒にいたい」
「・・・それだけわかっていれば十分じゃろ」
「雅治くーん!赤也くーん!おまたせー!」
「先輩!」
「、荷物貸しんしゃい」
「・・・いいの?」
「重いじゃろ?」
「でも・・・雅治くん疲れてるだろうし・・・」
「大丈夫じゃ」
「・・・じゃあお願いします」
「先輩!俺も俺も!!」
「え・・・?」
「俺も荷物持ちします!仁王先輩、ひとつ貸して下さい!」
「おー」
「ありがとう、雅治くん、赤也くん」
この笑顔!!
やっぱり癒姫ッスねぇ・・・先輩は。
† 諦めたくないよ 好きなんだから †
(・・・好きなのは確か。でも、仁王先輩とはちょっと違う気もする。)
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