† 馬鹿やなあ…ホンマ… †
「姫さーん!」
「どぉーしたの、侑士?」
「今日帰り寄り道して行かへん?」
「うん、いーよ!」
「よっしゃ!」
「勝手に決めてんじゃねぇーよ」
「全く、忍足の分際でを誘ってんじゃないわよ」
「姫さーん・・・」
「ん?どぉーしたの?」
「跡部とが苛めてくるねんー!!」
「「忍足キモイ」」
「ふたりとも酷いわ!姫さーん」
「もう!ふたりとも・・・じゃなくて3人とも!私を仲間外れにしないでよー!淋しいじゃんっ!!!」
「「「・・・・・・」」」
「そういや姫さんって鈍感やったな・・・」
「そこがの可愛いところじゃない♪」
「・・・・・・」
「ねぇーそろそろ帰ろうよー?」
「そうだな、行こーぜ、」
「ちょっとアホベ!何勝手にを連れて行こうとしてんのよ!」
「・・・チッ」
「ずるいでー跡部!」
「テメェに言われたくねぇーよ!」
「あははっ3人とも仲良しさんだねー」
◇◇◇
何で俺たちは日常はあんな簡単に壊れてしもたんやろな・・・・・・
◇◇◇
「仁王先輩ー開けてくださいよー」
「はやく開けろぃ☆」
「なんじゃ、丸井に赤也・・・」
「遊びに来たんっすよ☆」
「仁王じゃなくてにだぜー」
「はいはい、それはわかっちょる。本人に開けてもらいんしゃい」
「それが出てくれないんっすよー」
「はぁ?」
「まだ寝てるのかもな、アイツ結構寝ぼすけだから」
「とりあえず開けてください!」
「わかった」
なんじゃ、嫌な予感がする。
とりあえず入口のオートロックを開けてやり俺は隣へと急ぐ。
ピンポーン。
「!開けんしゃい!」
「仁王!」
「先輩まだ起きてこないんっすかー」
ピンポーン。
「おーい、ー!」
「先輩ー」
時刻はまだ8時。
今日は休みじゃから起きてないのも頷ける。
「本当に寝ぼすけだなー」
「げっそろそろ行かないと副部長に怒られるっすよ!」
「もうそんな時間なのかよー」
「また帰りに来たらいいじゃろ」
「そうだな、部活終わって幸村くんのところ行ってからならも起きてるだろぃ☆」
「それで起きてなかったらヤバイッスよー」
に逢わないまま俺たちは部活へ向かった。
◇◇◇
「・・・何処行くん?」
「病院に決まってるだろーが」
応急処置はした。
と言っても血を止める程度。
ちゃんと手当てをしなければいけない。
「・・・・・・立海の幸村が入院してる病院がいいんちゃう?」
「・・・そうだな」
アイツ等はこの状態のと俺たちを見てどう思うんだろうな・・・
立海の奴等は俺たちとの間に何があったのかを知っていると千石は言っていた。
そうであるならばアイツ等は必ず俺たちのことを憎んでいるだろう。
のことを大切に思っているのなら尚更。
俺たちは憎まれるような行為をしたのだから・・・・・・
もし、アイツが氷帝ではなく立海の傍にいて幸せならば・・・
俺たちはその幸せを奪うような行為をしてはならない。
もうアイツの幸せを俺たちが奪うことだけはしたくない。
◇◇◇
「先輩起きたかなー?」
「さすがにもう夕方だぜぃ、起きてないと本当にやばいって」
「全く、あなた達は朝からさんのところへ押し掛けたんですか?」
「丸井と赤也が押し掛けた確立99%・・・仁王も含むか?」
「お隣さんじゃからな」
「朝から女子の家に押し掛けるとは・・・たるんどる!!」
「別にいいじゃないっすかー夜這いじゃあるまいし」
いつもと変わらない会話。
最近の俺たちの会話には先輩がよく出てくる。
それはきっと・・・先輩が俺たちにとって大切な人だから。
◇◇◇
「跡部、あれ立海とちゃう?」
俺たちの前を歩いている集団。
立海・・・・・・
「真田」
「跡部に忍足・・・・・・?!」
「先輩!!!」
俺の呼びかけに気付いた立海の奴等は駆け寄ってきた。
の許へ。
こいつらは・・・昔の俺たちと同じだ・・・
「怪我してんじゃん!」
「早く手当てをしていただかなくては・・・」
「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」
「言いたいことがあるって顔してんのはわかんねんけど・・・姫さんが起きたら困るから今はやめてな」
◇◇◇
先輩・・・・・・
本当に少ししか話をしたこともないのに・・・どうしてこんなにこの人が大切なんだろう。
氷帝の忍足さんの腕の中で眠っていた。
ただ眠っているだけならよかった。
でも・・・先輩は怪我をしていた。
しかも血が流れていたのは手首。
手首。
手首。
手首。
真っ白のハンカチが真っ赤に染まっていた。
その原因を作ったのは誰?
氷帝?
死んださん?
俺にはわからない。
どうしてこんなにもこの人が傷つかなくちゃいかない?
† 馬鹿やなあ…ホンマ… †
(わからない、わからない、わからない。)
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