† 失って失って、それでも求め続けている †










「なんだよそれ!!」


「・・・俺、そいつ等ぶっ潰してくるっす!」




一番初めに声をあげたのは丸井先輩。

次が俺。




「同感じゃ」


「許せませんね」


「何では何も言わなかったんだよ!!」


「だって・・・私が悪いから、私が人殺しだからっ!」




どうして先輩は自分を責めるんだろう?

俺にはそれが、わからない。




「柳は知ってたんじゃろ?」


「あぁ」


「さすがはウチの参謀じゃのぉー」


「知って・・・たの?」


「・・・すまない」


「どうして!どうして知ってたのに・・・あんなに優しい言葉をかけてくれたの?!」


「お前は悪くない」


「悪いのよ!悪いのは私なのよ・・・!」




先輩の目からは涙が溢れている。

俺は涙を止めてあげることなんて出来ない。

ただ、出来るのは抱きしめてあげることだけ。




「なっ!」


先輩は、悪くないよ」


「どうして・・・そんなこと言えるの?」


「だって、先輩は悪くないじゃん」


「悪いの、私は悪いの!」


「悪くない」


「赤也の言うとおり、は悪くないぜぃ!」


「・・・・・・優しくしないで」


「嫌だ」


「切原くん・・・」


「切原くんじゃなくて、赤也!赤也って呼んでって言ったじゃん」


「優しくしないで、赤也・・・」


「嫌だ」


「どうしてよ・・・!」


「俺が先輩のことが好きだから」


「なっ?!」


「俺は先輩が好き、一目惚れっすよ!」


「赤也ずりぃ!俺だってのこと好きだからな!!」


「私なんて好きになっちゃだめだよ・・・」


「ダメじゃない!」


「そうだぜぃ!」


「ダメだよ・・・私は人殺しなんだから・・・」


「だから!は人殺しじゃないんだって!」


先輩・・・自分をそんなに責めないでくださいよ」


「ダメなのよ・・・ねぇ、私はどうすればいいのよぉ・・・」


先輩、笑って?」


「え?」


「笑ってよ、ほらよく言うじゃないっすか。笑う門には福来るって」


「私みたいな罪人のところに福は来ないよ」


「じゃあ俺が福を呼んであげるっすよ」


「え?」


「俺と一緒にいれば絶対に毎日楽しいっすよ!」


「こら赤也、ひとりで話を進めなさんな」


「えぇー!」


、大丈夫じゃ。仁王くんが笑わせちゃる」


「仁王先輩もっすかー!?」


「ここにおる全員がそう思っちょるよ」




ねぇ、だから笑って?

俺はあなたの笑顔が見てみたいから。










† 失って失って、それでも求め続けている †

(先輩の笑顔が見たい。)



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