† 残念ながら私は、敵も味方もバッドエンドよりハッピーエンド派だから †
「待っていてあげましたのよ、お嬢さん」
「あ、どーもありがとうございます」
政子サン帰ってきてた!!
ってことは、平泉のほうもちょっとはマシになってるかな?
うん、大丈夫。
泰衡も御館も頑張ってくれてるから・・・!!
私たちはこっちで、やることがあるから!
「じゃあ、お言葉に甘えてお邪魔しまーす!」
「「・・・・・・」」
政子さんと頼朝が唖然としているような気がしてなりません。
ふ、雰囲気を和ませようと必死なんですってば!!!
だって、鎌倉城に入った途端、みんな緊張感たっぷりなんだもん。
そこ!将臣!笑わない!!
ヒノエも弁慶も景時も笑いを堪えない!!!
銀はもう綺麗な微笑を向けてくれちゃってるし・・・!!
望美ちゃんと朔ちゃんと譲と敦盛は苦笑いだし!!
リズ先生と知盛は無表情!
九郎は・・・九郎は・・・
「馬鹿者!!」
・・・はい、怒られました。
「!お前はいったい何を考えて・・・!!」
「幸せになる道に決まってるじゃない!」
「・・・・・・!」
「みんなで幸せを掴みに着たんじゃない!・・・忘れたの?」
「いや・・・その、すまない・・・」
「よし!とりあえず・・・鎌倉殿、政子さん・・・和議、結びませんか?」
「ふふ、本当に面白いお嬢さんね」
「どーも」
「景時」
「は、はっ!」
「あなたもこのお嬢さんの味方なのかしら?」
「・・・・・・はい、俺は彼女たちと共にあります」
「景時・・・」
「景時」
「鎌倉殿、景時を苛めないでもらえます?彼は私たちの大切な仲間なんです」
「ちゃん・・・」
「九郎、あなたも鎌倉殿に歯向かう気なのかしら?」
「俺は・・・・・・・・・俺も、自分の進むべき道を見つけました」
「ほう・・・」
「あらあら、困りましたわね。あなた」
「あ、先に言っておきますけど。銀・・・言っちゃっていいよね?」
「はい、様」
「あなたたちが平重衡に施した呪詛はもう浄化されていますから」
「ふふ、本当に・・・面白いお嬢さんだこと」
「お褒めに預かり光栄です」
「でも・・・惜しいお嬢さんですけど・・・邪魔ですわね」
「ちなみに、和議は?」
「鎌倉殿、いかがなさいますか?」
「和議は・・・結ばぬ」
「・・・だそうですわ、お嬢さん。残念でしたね」
「そーですか。まぁ・・・そんなに甘くないと思ってましたけど」
だって、鎌倉殿が簡単に和議を受け入れることなんてきっとないと思っていた。
正直な話、鎌倉殿は今の状況は不利ではない。
荼吉尼天。
彼には彼を愛する神が存在するから・・・
「でも、どうして、和議はいけませんか?」
「我はこの世を統一する」
「あなたには統一はさせない」
「ならば・・・殺すまでだ」
「はぁ・・・そうですか。でも・・・殺されてなんてあげない」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「では、お前を殺す。・・・景時殺れ」
「出来ません」
「・・・・・・」
「梶原景時は万物の姫を守ると決めました」
「・・・・・・ならば、お前も殺すまでだ」
「あなた、私にお任せくださいませ」
「・・・・・・わかった、お前に任せるとしよう」
「・・・お嬢さん、私がお相手いたしますわ」
「ですよね、やっぱり。で、こっちは誰がお相手すればいいのかしら?」
「ふふ、皆さんご一緒にいらっしゃって結構ですわよ」
「ん、じゃーお言葉に甘えたいと思います」
「、しかし・・・」
「九郎。言っておくけど・・・みんなで行かないと私たちは勝てないよ」
「・・・・・・」
「折角政子さんもこう言ってくれてるんだし、お言葉に甘えよう。ね?」
「・・・・・・わかった、お前に従う」
「従う、じゃないでしょ?」
「・・・あぁ、そうだな。俺はお前と共に戦う」
「うん」
「お嬢さん、もうよろしいかしら?」
「あ、はい。どーぞ。望美ちゃん、大丈夫だよ」
「え?」
「私たちは一人じゃない。忘れないで、みんな一緒だからね」
「・・・うん、大丈夫」
みんながいる。
一人で戦うわけじゃない。
みんなで戦うんだ。
今までだって、ずっとみんなで戦ってきた。
そして、みんなでここまで来た。
私は、運命を変えるために・・・ここにいる。
◇◇◇
「ふふふ・・・本当に恐ろしい子」
「政子さんに言われたくないです」
「このようなことになるのなら最初から始末しておくべきでしたわね」
後一撃。
後一撃で全てが終わる。
それでも、余裕の表情の荼吉尼天。
「政子さん、私、あなたのこと嫌いじゃなかったです」
「私もあなたのことは嫌いではありませんでしたよ、恐ろしいお嬢さん」
ただ、一途に頼朝を想う気持ちとか・・・
本当に素敵だと思います。
でも、負けるわけにはいかない。
「望美ちゃん、朔ちゃん。荼吉尼天を封印を!」
「もちろん!」
「えぇ」
「「めぐれ、天の声。響け、地の声。かのものを封印せよ!」」
「ふふっ・・・効きませんわ」
「え?!」
「どうして・・・?」
「それだけ・・・荼吉尼天の力が強くなっているってこと?」
「お嬢さんたちが来る前にたくさん魂を食らっておきましたのよ」
「「「・・・・・・」」」
万物の力。
万物の姫として選ばれた私だけが使える、力。
荼吉尼天を封印するために・・・万物の力を貸して・・・!
「な、何を・・・?!」
「私は万物の姫」
「そう、万物の姫・・・そうでしたのね」
「万物の力を持って私はあなたを封印する」
「!俺たちのことも忘れるなよ」
「え?」
「殿、我々の力を合わせよう」
「そうですよ、さん。一人で頑張りすぎないで下さいね」
「お前には仲間がいる。そのことを忘れるな」
「・・・はい」
そうだね。
私一人で荼吉尼天を封印しても意味がない。
みんなで、みんなの力で幸せを掴まなきゃ。
「みんな、望美ちゃんと朔ちゃんに五行の力を集めて」
みんなの力で荼吉尼天を封印する。
八葉たちの五行の力と万物の力を持ってして・・・
「望美ちゃん、朔ちゃん。封印するよ」
「はい!」
「えぇ」
「「「めぐれ、天の声。響け、地の声。かのものを封印せよ!」」」
お願い、万物の力。
私たちに・・・荼吉尼天を封印させて・・・!
<我が姫。その願い叶えよう>
「力が・・・・・・本当に恐ろしいお嬢さんたちね」
「・・・・・・」
「あなた」
「あぁ」
「ずっと、あなた様を愛しておりました」
「・・・・・・あぁ」
荼吉尼天は封印された。
残ったのは私たちと頼朝と、荼吉尼天の力を失った政子さん。
† 残念ながら私は、敵も味方もバッドエンドよりハッピーエンド派だから †
(政子さんたちの愛、私正直嫌いじゃないんだよ。)
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