† 幸せを手に入れるまでの苦労 †
「やって来ました鎌倉城!」
とうとう着ちゃったよ、鎌倉城。
源頼朝の住処。
北条政子の住処。
荼吉尼天の住処。
「さん、楽しそうですね」
「うん、だってみんな一緒だからね」
最初の目的どおり、みんなで一緒にここに来れた。
まぁ・・・ここに着たかったわけじゃないけど。
この道は避けて通れないって最初から、わかってた。
荼吉尼天がいる限り。
「私、思うんです。さんと一緒に来るって決めてよかったって」
「望美ちゃん・・・」
「私もそう思うわ、さん」
「朔ちゃんも・・・」
「あーあ、姫君たちに俺の台詞はとられてしまったね」
「そうですね、ヒノエ」
「ホント緊張感ゼロだよなぁー」
「ほら、緊張しすぎてて何も出来なかったら困るでしょ?だから、これくらいがいいんだよ」
そう、これくらいの緊張感がいい。
正と負の側面。
もっとも・・・一人だけ、想いが違う人がいるけど。
源九郎義経。
一人群れから外れ、九郎は空高く見上げている。
九郎が睨みつけているのは鎌倉城。
源頼朝、九郎のお兄さんがいる場所。
「・・・・・・」
「九郎?」
「・・・・・・」
「くーろーう」
「・・・・・・」
「はい、ちょっとは緊張を解く」
一応、多少はわかってるつもりなんだよ、九郎の気持ち。
伊達に恋愛イベントフルコンプしてない。
・・・ううん、違う。
ゲームと一緒にしたら、みんなに失礼になってしまうね。
「九郎が選んだ道、絶対に間違いじゃなかったって・・・私が保証して見せるから」
「・・・」
「大丈夫、みんな一緒なんだから」
誰一人欠けていない。
これだけでも十分。
みんな一緒に戦っている。
例え、この場にいなくても、みんなで一緒に戦ってるんだから!!
「あぁ、そうだな。弱気になって・・・その、すまない」
「いえいえ、これも九郎にとって大切なことだから」
悩んじゃ駄目なんて、そんなことない。
いっぱい悩んで、迷って・・・
そして、この場にいる。
今までの道のりが、意味のないものだなんてそんな風には思わない。
全部、全部、大切なもの。
「さーって・・・みんな、幸せを掴みに行こう!」
† 幸せを手に入れるまでの苦労 †
(みんなで幸せを掴みにいく。)
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