† 無邪気に笑い、泣き怒る、その表情に微笑んだ †










「んーじゃあ、早速行きますか!」




望美ちゃんたちとも合流叶ったし。

あとは、鎌倉殿に対峙するだけ。




「あ、さん。その前に・・・」


「え?」


「しっかり、お説教受けてくださいね?」




弁慶の顔が怖いです。

本当に怖いです。

仏様みたいに穏やかな微笑なのに・・・怖いです。




「・・・ほら、進まなきゃ」


「大丈夫です」


「こ、根拠は?」


「大丈夫なんですよ」




・・・根拠無しだ・・・!!!

でも、言葉に威圧感とか・・・うん、頷かないと殺される、みたいなオーラが・・・




「・・・はい」


「景時」


「な、何かな?」




景時も怯えてます。

怖いもんね、弁慶!!!




「あなたは朔殿のお説教をしっかり受けてくださいね」


「・・・御意ー」




あ、景時と目が合った。

苦笑い、お互いに。




「頑張りますか」


「だねー」




だって、このお説教は嬉しいものだから。

私たちが大切に思われてるってことだから・・・

素直にお説教受けなくちゃだね。




















◇◇◇





















「さ、どーんとこい!」


「じゃあまず、僕から」


「いきなり弁慶?!」




こ、怖い・・・!

もうちょっと、ほら・・・優しそうな人から・・・

いや、弁慶も優しいけど、わかってるけど!!




さん、お疲れ様です」


「え?」


「よく、景時のことを説得できましたね」


「あー・・・それは景時の心が、ね?」




景時の本当の気持ち。

景時がしようとしてたこと。

ゲームの流れのみしか知らなかった私だけど、今はそれだけじゃない。

この世界に来たから知ってる景時の気持ちだってある。




「全く・・・あなたは相当の軍師ですね」


「弁慶ほどじゃありません」


「反省が足りませんね」


「十分反省してますー!」


「そうですか・・・じゃあ僕よりもある意味怖いだろう人に代わりましょうか」


「・・・誰?」




弁慶よりも怖い人・・・

誰?

私の中で一応、一番怖いのは弁慶・・・あ、朔ちゃんと望美ちゃんを除いての男性群だけ見てだけど。




「彼です」


「彼・・・あー・・・なるほど」




確かに怖いわ。




!」


「はーい」


「お前はいつも勝手に・・・!!」


「うん、ごめんね、九郎」


「・・・・・・あまり心配をかけさせるな」


「大丈夫、もうしない。・・・・・・多分」


「多分とはなんだ多分とは!!」


「だって、ほら・・・ねぇ?」




体が勝手に動いちゃったらどうしようもないんです。




















◇◇◇




















「もう、兄上は何でも一人で決めて、抱え込んで・・・!!」


「ごめん!ごめんね、朔!!」




俺、ホント駄目なお兄ちゃんだねー。

可愛い妹を泣かせて。




「朔・・・ホントにごめんね?」


「兄上・・・っ」


「よかったね、朔」


「望美・・・」


「あ、さんが項垂れてる」


「ホントだねー」


さんもしっかりお説教されたみたいね」


「景時さん、朔!行こう!」




ちゃん・・・お疲れ様。

全部が終わったら、とりあえず甘いものでも買ってあげよう。

うん、そうしよう。




















◇◇◇





















さんー!」


「望美ちゃんー聞いてよ!九郎ったらひどいんだよ!!」


「俺は悪くない!」


「ほっぺたのびたーーー!!!」


「頬をのばしたのは俺ではないだろ!」


「うん。のばしたのは銀髪兄弟」




銀と知盛です。

変なところで気があったみたいで、嫌になっちゃいます。

まぁ・・・兄弟が仲良しなのはいいことだけどね。




、報告したいことがあるんだけど」


「ん?」


「平泉の攻防もうまくいってるみたいだよ」


「ホント?」


「あぁ、熊野の烏の報告だからね」


「そっか。平泉のみんなも頑張ってるんだもん、私たちも頑張らなくちゃね」


「やっぱりお前は戦女神だね」


「ヒノエーその台詞は全部が終わってから言ってくださいー」


「俺はお前を信じるよ。・・・お前が負け戦などするはずがないからね」


「しませーん!負け戦なんて絶対に嫌!」


「おいおい、話し合いじゃなかったのかー?」


「え?あー・・・もちろん話し合いで」


「お前なぁ・・・今の台詞だと間違いなく宣戦布告ととられるぜ」


「んーまぁ頑張ります」




正直なところ、話し合いで終わるはずなんてない。

だって、あっちには切り札の荼吉尼天。

こっちの切り札は・・・

まぁ、あっちに負けない切り札がある。

絶対に負けることなんてない切り札が。




「・・・私も殿を信じている」


「もちろん私たちもです」


「えぇ、さんなら・・・大丈夫よ」




力強い言葉。

みんな強い、弱くて、でも強い。

私もみんなのこと、信じてる。




「ん、じゃーホントに行きますか!」




目指すは鎌倉城。

そこで全部を終わらせる。

さぁ、みんなで幸せを掴みに行こう・・・!!










† 無邪気に笑い、泣き怒る、その表情に微笑んだ †

(ねぇねぇ景時。みんなからのお説教はすごく嬉しいね。)



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