† 私は逃げない †










「はぁー何この坂道・・・!!!」




目の前には険しい坂道。

しかも、微妙に長い。




「うわぁー結構険しいね」




景時が余裕です。

さすが武将。




「なんかムカつくから精一杯登りきってやる」


「うん。頑張って、ちゃん」




ほら、やっぱり余裕。

だから、絶対負けない。




















◇◇◇





















「登りきったーーーー!!!」


「お疲れ様、ちゃん」


「ホントにお疲れ様だよ」


「ほら、見て?」


「え?」


「白龍の神子様ご一行」


「え?ホントに?!」


「うん、あの姿は間違いないでしょ?」


「・・・うん。行こう、景時!」


「御意ー」




















◇◇◇





















「望美ちゃんー!朔ちゃんー!みんなー!」


さん!!!」


さん・・・無事だったのね。良かったわ」


「もちろん。景時もいるよー!って、景時?」




私のだいぶ後ろのほうで木に隠れてる景時。

うん、景時の気持ち、わからないでもないよ。

でもね、隠れてたら駄目なんです。

私たちはみんなで幸せにならなきゃいけないんだから。

私たちは仲間なんだから。




「景時!」


「あははー・・・」


「・・・・・・意地でも引っ張って行ってやる」


「え?うわぁ?!ちゃん?!」




木の陰に隠れてる景時をとりあえず引っ張る。

幸運なことに望美ちゃんたちがいる位置よりも抜け道から出てきた私たちは上にいる。

坂道だったら私でも思いっきりやれば景時を引っ張って歩かせることが可能。




「みんなで幸せになるんでしょ」


「・・・・・・そうだったね」


「だったら、隠れてちゃ駄目だよ」


「・・・そうだね。自分で歩くよ」


「うん」


「ありがとう、ちゃん」


「いーえ、どういたしまして」




私たちは坂道を下る。

仲間たちの元に行くために。




















◇◇◇





















「えっとー・・・」


「お帰りなさい、兄上」


「お帰りなさい、景時さん!」


「・・・ただいま、朔。望美ちゃん」


「ったく、景時も無茶をするよなー」


「はは、将臣くんに言われたくないなー」


「ま、それもそうか」


「将臣も頼朝に一騎討ちしかけたもんねー」


「・・・景時」


「・・・九郎」


「戻ってきたんだな」


「うん。ちゃんと一緒にね」




よし、悪い雰囲気は一切なし。

これなら大丈夫。

みんなできっと作れるよ、幸せな世界。










† 私は逃げない †

(あぁーーー!!でも、なんか遠くで笑ってる弁慶が妙に怖いよ!)



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