† 本当に、それが真実なの? †
「神子様方、どうか・・・お聞きください」
何も言葉を交わすことなく鎌倉への道を行く神子様方。
最後に聞いた言葉といえば・・・
神子様の、梶原様へのお言葉。
「銀・・・?」
「様からのお言葉です」
皆様にお伝えするのは、様の言葉。
あの方が私に残した言葉。
「様は生きております」
面々は信じられないといった表情で私を見る。
あの様の状態を見たら当然でしょう。
今でも脳裏に焼きついている、あの方の表情。
私に向けた、表情。
私に向けられた責務。
「さんが・・・生きてる?」
「はい」
「本当に?」
「はい」
「本当の、本当に?」
「はい、真実にございます」
あの方は私に仰った。
彼に銃で討たれたとしても・・・
「様は梶原様を信じていらっしゃいます」
「・・・銀」
「はい」
「その言葉は本当にさんの言葉、なんだね?」
「はい」
「わかった・・・私は信じるよ」
「神子様・・・」
◇◇◇
「銀・・・あっ重衡って呼ぶほうがいい?」
「いえ、どうぞ・・・銀とお呼びください」
出逢ったのは、重衡。
だが、様と共に過ごした年月が長いのは・・・銀。
どちらも、様の心の中に存在するのであれば構わない。
「そっか、じゃー銀」
「はい」
「ちょっとね、お願いがあるんだー」
「お願い、ですか?」
「そう・・・私、死ぬかもしれないから」
「様・・・?!」
「どこまで騙せるかわかんないんだけどね」
「・・・・・・」
「あっちょっと訂正。正確には、死んだと思わせるだけだからー」
「詳しくお聞かせ願えますか?」
「うん、もちろん」
様がお話なさることは梶原様との夢逢瀬の際の内容。
「景時と対峙することになって・・・彼が私の名前を呼んだら私は死ぬから」
つまり、作戦通り・・・、と様は付け足す。
「私が死んだらね、鎌倉に向かって。もちろんみんなでね」
「そのようなこと・・・できるとは思えませんが」
神子様、ならびに八葉の皆様方は様のことを・・・お慕いしていらっしゃる。
もちろん、私も・・・
「後でちゃんと合流するよー景時と一緒にね」
「それでも・・・」
様がいないとなると・・・
きっと歪みが生じる。
「もし、梶原様が様の名をお呼びにならなかったら・・・」
「大丈夫!私は信じてるから、景時のことも、みんなのこと」
「・・・・・・わかりました」
様の力強い瞳には敵わない。
「ありがと、銀にかかってるからねー」
「心しておきましょう」
† 本当に、それが真実なの? †
(私はあなたの願いどおり、真実を告げましょう。)
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