†　約束は、己の誇りと信念をかける　†










｢梶原殿、何処へ？！｣


｢彼女をここに残していくわけにはいかない｣




俺の腕の中には血だらけのちゃん。

俺の魔弾を受けて・・・

彼女は死んだ。




｢しかし・・・！｣


｢お前たちは平泉の鎌倉の軍へ｣


｢平泉ですか？！｣


｢そう・・・万物の姫がいなくなったと知れば平泉も揺らぐ｣


｢御意！｣




平泉は簡単には落ちない。

だからこそ、援軍を向かわせる。

本格的に攻め始めるにはまだ時間が掛かるだろう。

政子様・・・荼吉尼天という名の神の力も平泉に満ちる万物の力の作用を考えているだろうから・・・




















◇◇◇





















｢・・・・・・ちゃん？｣


｢・・・もー行った？｣


｢うん、もう大丈夫だよー｣


｢んー・・・成功っぽい？｣


｢多分ねー｣


｢望美ちゃんたちは？｣


｢向かったよ、頼朝様の下へ｣


｢そっかーじゃあ追いかけなくちゃね｣


｢そうだね｣


｢景時、ホントにいいの？｣


｢何のことかなー？｣


｢・・・・・・うん、わかった。景時も決めたんだよね・・・自分の進む道を｣


｢決めたよ・・・みんなで幸せになれる道に進むとね｣




みんなが笑ってる。

平穏な世界。

その世界の中心には・・・必ず君の姿がある。

だから、俺もこの道を選んだんだよ。




｢でも、ホントぎりぎりまでどうなるかと思ったよー｣


｢まぁ・・・ね？俺も辛かったよー朔や望美ちゃんを騙すのは｣


｢ホントにーあー後で怒られるんだろうなぁー｣


｢大丈夫大丈夫、俺も一緒に怒られるからさ？｣


｢朔ちゃんも望美ちゃんも怒ったら怖いよー絶対｣


｢そうだよねー｣




確かに、朔は怒ったら怖い。

俺、経験済みだし。




｢でもって、弁慶も怖い｣


｢あー弁慶にも言ってなかったんだ？｣


｢うん、話したのは銀だけ｣


｢じゃあ他のみんなは知らずに・・・？｣


｢うん｣


｢・・・ちゃん｣


｢なにー？｣


｢みんなから怒られる覚悟をしなくちゃいけないね｣


｢えー・・・｣




みんな、ちゃんのことを想ってる。

だから・・・絶対に怒るだろうね。

危ないことを一人でしたんだから・・・

俺がもし、九郎たちの立場だったらやっぱり怒っていただろうしねー。




｢大丈夫だよ。ちゃんの進む道には絶対に笑顔があるから｣




君が笑う。

だから、みんなも笑う。

きっとこれからも、笑顔が増えるんだよ。

この世界中に・・・・・・










†　約束は、己の誇りと信念をかける　†

(だからこそ、俺は君にかけるって決めたんだ。)

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